南山堂

カートを見る

治療

 ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

治療

ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

2023年12月 Vol. 105 No.12

看取りについて考える

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
死生を見つめる多様な視点

 今回の特集は「看取り」がテーマである.医学的な知識だけでなく,筆者がサブスペシャリティとして取り組んできた死生学領域の研究も踏まえ,看取りや死の問題を多角的にとらえてみたい.
 日本の死生学(Life and Death Studies)とは学際的な領域で,死や死にゆく過程,あるいは葬儀などを中心に展開された欧米の死学(Death Studies, Thanatology)にとどまらず,東アジアの文化のなかで蓄積された生死にまつわる諸問題を取り扱っている.生命倫理的な領域も含め,死者も含めた他者との関係のなかでケアしケアされるような生のあり方,死や病いに代表されるような危機的状況のなかにある生なども視野に入ってくる.これらはおのずと超越的なものとのかかわりなど,宗教学的な領域とも接続することになる.
 まず医学的な議論から出発し,臨床的なスキルを概説する.続いて,臨床でとくに問題になる意思決定について考える.こうした意思決定などの枠組みでは扱いきれないことも多いのが看取りである.実践をとおした思索や,哲学,看護学などの多彩な視点からの議論を紹介し,これらを踏まえて死生学の領域の議論,とくに臨床にかかわり得るいくつかの論点や,実際の取り組みについて紹介する.
 医療からは距離がありそうな領域の話も含まれるが,死や看取りの問題を扱う際に,こうした人文社会科学領域の知見も踏まえて考えることの意味は大きい.死生学を専門とする先生方を含めた豪華な執筆陣のお力をお借りして,充実した特集になったように思う.読者のみなさまが死生学や人文社会科学に興味をもつきっかけとなれば幸いである.

〔編集幹事〕
医療法人社団 鉄祐会 祐ホームクリニック大崎/上智大学グリーフケア研究所
井口真紀子
特集の目次
■看取りのための臨床スキル
終末期の患者にかかわる際の考え方(宇井睦人)
終末期の輸液管理,薬物療法のコツ(引野雅子)
在宅看取りの際に重視すべきポイント(石川美緒)

■意思決定について考える
ACP について(舛森 悠,川口篤也)
「意思決定支援」の手前で(足立大樹)

■看取りの諸相
看取りを考えた先の考えない看取り(名郷直樹)
看取りを現象学から考える(孫 大輔)
生き方をつかむ ─関係のなかで変わる生の在り様─(上田仁美)

■死生学の視点から
死生学とスピリチュアリティ(島薗 進)
良い死とは何か ─段階理論からスクリプト理論へ─(堀江宗正)
医療面接を超えて ─一人として話を聴く─(葛西賢太)
部屋の中の象? ─看取りの場における医療者の悲嘆─(鷹田佳典)

■死生学の実践
臨床宗教師として看取りにかかわる(井川裕覚)
医療機関で行うグリーフケアの実践(細田 亮)
「死」と「喪失」を共に受けとめ,助け合うコミュニティをつくる(竹之内裕文)
連載
1問1答! 在宅報酬必須知識(11)
訪問看護指示と指示日(永井康徳)

えびさんぽ(24)
ランドマークスタディで振り返る2023年(青島周一)
─ ランドマークスタディと路地裏エビデンス
─ 臨床での使い方

総合診療 POEMs ─診療で使える! 旬なオススメ文献─(15)
状態が良好であるうつ病患者に対して抗うつ薬の継続は必要?(山下真稔,西村正大)

疲れた消化器をサポートする漢方処方プロセス(4)
胃腸炎(谷川聖明)
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む