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月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

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2024年1月 Vol. 106 No.1

血液培養 & グラム染色に恋せよ

ISBN 978-4-525-93000-4

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
血液培養とグラム染色の魅力を声高に叫ぼう

 僕がこどもの頃,スパゲッティにはミートソースとナポリタンしか種類がなく,そもそもパスタという名詞すら存在しなかった.そのため,美味いパスタは必然的に「美味いミートソース」と「美味いナポリタン」に限られ,美味いパスタを食べたければ,ここのスパゲッティは美味しいという口コミに頼らざるを得なかった.全国的に「五右衛門」や「カプリチョーザ」などが登場したのが高校生の頃で,そのバラエティの豊富さ,美味しさに感動したものである.そして僕らは,このように言ったのだ.
 「どれが美味しいのかな」
 カスタマーが「よいものを買う」古き良き時代はとうの昔に終わり,現在,カスタマーは市場に溢れるたくさんのもののなかから買うものを選択する,つまり,「よいもの」ではなく「よさそうなもの」を買う時代となった.そこに求められるのは,簡便さ,迅速さ,わかりやすさなど,そのものの本質的なクオリティとは少し異なる部分かもしれない.言い換えれば,たとえそれがどんなに「よいもの」であっても,宣伝をしなければ,クオリティのみでは資本主義の舞台に上がれないということである.
 血液培養やグラム染色は,掛け値なく「よい検査」である.それは,使いこなしている者なら直感的にわかっている.しかし,これらの検査が必ずしも臨床に広く根づいているわけではない.それは,血液培養もグラム染色もユーザーフレンドリーさに決定的に欠けるためだ.血液培養は簡便さ,迅速さに欠け,グラム染色はわかりやすさに欠ける.そして臨床家はCRPやプロカルシトニンという,いかにも使い勝手がよさそうな商品に流れていくのである.だから僕らは,血液培養とグラム染色の魅力を伝えていかなければならない.大きな声で,さまざまな臨床家に響くように.「他愛のないあの喫茶店のナポリタンが,じつは絶品なんだ」といった具合に.

〔編集幹事〕
大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学
日馬由貴
特集の目次
■血液培養編
ケツバイに恋せよ!(日馬由貴)
血液培養を採るとこんないいことがある(住吉翔元)
クリニックに血液培養は必要か(中野景司)
血液培養の舞台裏 ─検査室ではこんなことが行われている─(清祐麻紀子)
外注の血液培養に価値はあるか(谷崎隆太郎)
血液培養の結果を患者にどう活かすか(明神翔太)
MICの使い方(小西啓司)
コンタミネーションの怖がり方 (大竹正悟)
小児の血液培養で考慮すべきこと(伊藤健太)

■グラム染色編
グラセンに恋せよ!(伊藤雄介)
クリニックでグラム染色は可能か(前田雅子,前田稔彦)
グラム染色でわかる菌のこと(舟橋恵二)
グラム染色でわかる菌以外のこと(山本 剛)
グラム染色結果の臨床への活かし方とその限界(河瀨京太郎,岡本 耕)
グラム染色と培養検査の結果がずれたときに考えること(福田 修)
グラム染色で抗菌薬処方量は減らせるか(瀧藤重道)

■検査室編
そうだ,検査室に行こう(手塚宜行)
血液培養&グラム染色報告の工夫(山田幸司)
連載
在宅医療の質を高める!(11)
なぜ,「自宅での看取り」が普及しないのか?(永井康徳)

えびさんぽ(25)
基礎研究の結果と臨床研究の結果に違いはありますか?(青島周一)
─ランドマークスタディと路地裏エビデンス
─臨床での使い方

疲れた消化器をサポートする漢方処方プロセス(5)
嘔 吐(谷川聖明)
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