とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌
月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035
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月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)
※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035
慢性化するHIV感染症
新たなステージで求められる継続支援
ISBN 978-4-525-94037-9
定価
2,200円(本体 2,000円+税10%)
- 巻頭言
- 目次
巻頭言
2026年,薬害エイズ訴訟の和解から30年を迎える.薬害エイズは多くの被害者と家族に深刻な影響を及ぼし,慢性的な感染症や副作用,精神的・経済的苦痛は今も続いている.科学が進歩しても,患者の声に耳を傾け,寄り添う姿勢こそが医療の根幹であるという教訓は,今も揺らぐことがない.われわれはこの歴史を忘れず,次の世代へ確実に継承していく責務を負っている.
抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy:ART)の進展により,ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症は長期管理可能な慢性疾患となった.ウイルス量が検出限界未満であれば性行為で感染しない「U=U(undetectable=untransmittable)」はHIV感染者の生活と社会参加を大きく変え,世界では曝露前予防(pre-exposure prophylaxis:PrEP)の普及が治療と予防を統合する新たなステージを迎えている.2030年のエイズ流行終結を掲げる国際社会の歩みは,HIVを「おそれる病」から「ともに生きる病」へと変えつつある.
わが国では治療の普及に伴いHIV感染者の高齢化が進み,併存疾患や生活背景を踏まえた長期的支援が重要となっている.HIV感染症自体は制御可能となったものの,副作用や相互作用,臓器機能の変化を考慮したレジメン選択は複雑化し,特に高齢患者ではポリファーマシー対応が不可欠である.薬剤師は薬学的管理に加え,生活の質を支える包括的ケアを担う役割へと広がっている.
また,HIV感染症に対する社会的スティグマは依然として根強く,受診の遅れや服薬アドヒアランス低下を通じて臨床に深刻な影響を及ぼしている.こうした社会的・心理的要因に対応するためには,多職種が連携し,患者の背景に寄り添った包括的支援を提供することが不可欠である.
こうした背景を踏まえ,2026年には日本エイズ学会と日本病院薬剤師会による共同認定制度が始動した.医学と薬学の知見を統合し,HIV診療を支える薬剤師を体系的に育成する新たな枠組みである.院外処方が主流となる現在,地域の薬剤師の専門性向上と薬薬連携の推進は喫緊の課題であり,本制度はHIV診療の質を向上する基盤となる.
本特集では,HIV感染症の基礎から薬物療法,慢性化に伴う課題,多職種連携,地域での継続支援までを多角的に取り上げる.HIV診療が「生涯にわたり支える医療」へと移行する今,薬剤師の役割をあらためて考える契機となれば幸いである.
国立国際医療センター 薬剤部 副薬剤部長
増田 純一
抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy:ART)の進展により,ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症は長期管理可能な慢性疾患となった.ウイルス量が検出限界未満であれば性行為で感染しない「U=U(undetectable=untransmittable)」はHIV感染者の生活と社会参加を大きく変え,世界では曝露前予防(pre-exposure prophylaxis:PrEP)の普及が治療と予防を統合する新たなステージを迎えている.2030年のエイズ流行終結を掲げる国際社会の歩みは,HIVを「おそれる病」から「ともに生きる病」へと変えつつある.
わが国では治療の普及に伴いHIV感染者の高齢化が進み,併存疾患や生活背景を踏まえた長期的支援が重要となっている.HIV感染症自体は制御可能となったものの,副作用や相互作用,臓器機能の変化を考慮したレジメン選択は複雑化し,特に高齢患者ではポリファーマシー対応が不可欠である.薬剤師は薬学的管理に加え,生活の質を支える包括的ケアを担う役割へと広がっている.
また,HIV感染症に対する社会的スティグマは依然として根強く,受診の遅れや服薬アドヒアランス低下を通じて臨床に深刻な影響を及ぼしている.こうした社会的・心理的要因に対応するためには,多職種が連携し,患者の背景に寄り添った包括的支援を提供することが不可欠である.
こうした背景を踏まえ,2026年には日本エイズ学会と日本病院薬剤師会による共同認定制度が始動した.医学と薬学の知見を統合し,HIV診療を支える薬剤師を体系的に育成する新たな枠組みである.院外処方が主流となる現在,地域の薬剤師の専門性向上と薬薬連携の推進は喫緊の課題であり,本制度はHIV診療の質を向上する基盤となる.
本特集では,HIV感染症の基礎から薬物療法,慢性化に伴う課題,多職種連携,地域での継続支援までを多角的に取り上げる.HIV診療が「生涯にわたり支える医療」へと移行する今,薬剤師の役割をあらためて考える契機となれば幸いである.
国立国際医療センター 薬剤部 副薬剤部長
増田 純一
目次
特集
慢性化するHIV感染症
新たなステージで求められる継続支援
■特集にあたって(増田純一)
■これからのHIV診療と薬剤師像
・HIV感染症診療のこれから ─長期管理時代に求められる視点─(俣野哲朗)
・専門・認定薬剤師制度のこれから
─スペシャリストに求められる視点─(武田泰生)
・日本エイズ学会・日本病院薬剤師会 共同認定制度
─HIV感染症診療を支える薬剤師の育成─(増田純一)
■HIV感染症診療・医療者としての使命
・薬害エイズから学ぶHIV感染症診療 ─過去・現在・未来─(岡 慎一)
・HIV感染症治療薬の早期承認制度と薬害エイズ
─医療者の役割と課題─(花井十伍)
■病気と治療の正しい理解
・HIV感染症の治療目標 ─早期診断・早期治療─(四本美保子)
・HIV感染症・エイズの「特別な病気」という誤解
─社会的スティグマが臨床にもたらす影響─(岩橋恒太)
■薬物療法と薬学的介入
・抗HIV薬の特徴 ─処方の設計・管理に欠かせない基本情報─(矢倉裕輝)
・抗HIV療法とレジメンの選択
─初回治療と長期療養を見据えた治療戦略─(塚田訓久)
・抗HIV薬の副作用マネジメント
─治療継続を支える評価・対応・提案─(松木克仁)
・抗HIV薬の相互作用マネジメント
─治療継続につなげる予測・調整・提案─(平野 淳)
・HIV陽性者へのアドヒアランス評価と服薬管理
─治療を中断させないための評価・患者報告アウトカムの活用─(関根祐介)
■慢性化による課題と対応策
・HIV感染者のポリファーマシー対策
─併用薬の増加を考慮した処方設計の支援─(中内崇夫)
・循環器疾患合併HIV感染症患者のマネジメント
─心血管リスクの評価と管理─(石井聡一郎)
・HIV感染者の腎機能障害・透析マネジメント
─腎機能に応じた抗HIV療法の設計と管理─(田澤佑基)
・HIV感染症の長期管理に伴う新たな課題
─非エイズ指標悪性腫瘍の対応─(石原正志)
■シームレスな患者支援と地域医療連携
・HIV感染症診療における患者支援と多職種連携
─HIVコーディネーターナースと薬剤師のかかわり─(杉野祐子)
・HIV感染症診療における心理支援と多職種連携
─臨床心理士と薬剤師のかかわり─(小島賢一)
・抗HIV療法の開始・継続と医療費負担
─HIV陽性者の医療費助成制度─(岡本 学)
・HIV感染症診療における継続支援と多職種連携
─薬剤師外来による診療サポート─(長島浩二)
・HIV感染症診療における継続支援と地域連携
─薬-薬連携による診療サポート─(戸矢崎信也)
・保険薬局薬剤師はPLWHをどう支えるか
─病院と地域をつなぐ「ハブ」としての機能,専門医療機関連携薬局を目指して─
(田橋美佳)
■HIV感染症の予防
・曝露前予防(PrEP)─HIV感染症は「治療」から「予防」へ─(水島大輔)
シリーズ
えびさんぽ
骨折リエゾンサービスは骨折を予防しますか?(青島周一)
新連載
病院の歩き方 薬剤師の“とおる”道
〈出発点─連載をはじめるにあたって〉
みえている課題・みえていない仕事(橋田 亨)
タイパUP!誰も教えてくれなかった
臨床業務の段取りお手本ファイル
〈File 19〉地域包括ケア病棟で実践する“タイパUP病棟薬剤業務”
少人数体制でも成果を出す段取り術と Commander制度・テンプレート活用・
薬剤総合評価調整加算の活用(岸本 真)
新連載
ゼロからカタチにする 薬局発のエビデンス
〈第1回〉
なぜ薬局で研究するのか?
(雜賀智也)
薬剤師40年目の独り言
キャプテンと薬剤部長
(鎧のない薬剤師)
飲み合わせ研究所
子どもの服薬Tips
〈第46回〉
プラビックス錠25mg
(小嶋 純 米子真記)
ぐっとよくなる! 漢方処方
快訣ビフォーアフター
〈第34回〉
現代医学の考え方を活かした漢方薬の使い方
異なるメカニズムで起こる手指の痛みの治療例(津田篤太郎)
薬剤師の1,2,3,4!(ヒフみよ)
大井教授の皮膚×くすり講座
22時限目 抗がん薬による皮膚障害(大井一弥)
Gebaita?! 薬剤師の語(カタ)ログ
〈第58回〉
その痺れ,どう判断しますか?
~診察前面談で向き合う人生会議~(山田友奈美)
みんなどうやってる?がん薬剤師外来
〈第8回〉
トレーシングレポートはどのように活用していますか?
(内池明博 川上和宜 坂田幸雄 杉野善彦 福岡智宏)
医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・高齢者のNSAIDs継続使用でCKDリスク上昇?
・CKD患者は亜鉛欠乏でAKIリスク上昇?
(佐藤宏樹 澤田康文)
慢性化するHIV感染症
新たなステージで求められる継続支援
■特集にあたって(増田純一)
■これからのHIV診療と薬剤師像
・HIV感染症診療のこれから ─長期管理時代に求められる視点─(俣野哲朗)
・専門・認定薬剤師制度のこれから
─スペシャリストに求められる視点─(武田泰生)
・日本エイズ学会・日本病院薬剤師会 共同認定制度
─HIV感染症診療を支える薬剤師の育成─(増田純一)
■HIV感染症診療・医療者としての使命
・薬害エイズから学ぶHIV感染症診療 ─過去・現在・未来─(岡 慎一)
・HIV感染症治療薬の早期承認制度と薬害エイズ
─医療者の役割と課題─(花井十伍)
■病気と治療の正しい理解
・HIV感染症の治療目標 ─早期診断・早期治療─(四本美保子)
・HIV感染症・エイズの「特別な病気」という誤解
─社会的スティグマが臨床にもたらす影響─(岩橋恒太)
■薬物療法と薬学的介入
・抗HIV薬の特徴 ─処方の設計・管理に欠かせない基本情報─(矢倉裕輝)
・抗HIV療法とレジメンの選択
─初回治療と長期療養を見据えた治療戦略─(塚田訓久)
・抗HIV薬の副作用マネジメント
─治療継続を支える評価・対応・提案─(松木克仁)
・抗HIV薬の相互作用マネジメント
─治療継続につなげる予測・調整・提案─(平野 淳)
・HIV陽性者へのアドヒアランス評価と服薬管理
─治療を中断させないための評価・患者報告アウトカムの活用─(関根祐介)
■慢性化による課題と対応策
・HIV感染者のポリファーマシー対策
─併用薬の増加を考慮した処方設計の支援─(中内崇夫)
・循環器疾患合併HIV感染症患者のマネジメント
─心血管リスクの評価と管理─(石井聡一郎)
・HIV感染者の腎機能障害・透析マネジメント
─腎機能に応じた抗HIV療法の設計と管理─(田澤佑基)
・HIV感染症の長期管理に伴う新たな課題
─非エイズ指標悪性腫瘍の対応─(石原正志)
■シームレスな患者支援と地域医療連携
・HIV感染症診療における患者支援と多職種連携
─HIVコーディネーターナースと薬剤師のかかわり─(杉野祐子)
・HIV感染症診療における心理支援と多職種連携
─臨床心理士と薬剤師のかかわり─(小島賢一)
・抗HIV療法の開始・継続と医療費負担
─HIV陽性者の医療費助成制度─(岡本 学)
・HIV感染症診療における継続支援と多職種連携
─薬剤師外来による診療サポート─(長島浩二)
・HIV感染症診療における継続支援と地域連携
─薬-薬連携による診療サポート─(戸矢崎信也)
・保険薬局薬剤師はPLWHをどう支えるか
─病院と地域をつなぐ「ハブ」としての機能,専門医療機関連携薬局を目指して─
(田橋美佳)
■HIV感染症の予防
・曝露前予防(PrEP)─HIV感染症は「治療」から「予防」へ─(水島大輔)
シリーズ
えびさんぽ
骨折リエゾンサービスは骨折を予防しますか?(青島周一)
新連載
病院の歩き方 薬剤師の“とおる”道
〈出発点─連載をはじめるにあたって〉
みえている課題・みえていない仕事(橋田 亨)
タイパUP!誰も教えてくれなかった
臨床業務の段取りお手本ファイル
〈File 19〉地域包括ケア病棟で実践する“タイパUP病棟薬剤業務”
少人数体制でも成果を出す段取り術と Commander制度・テンプレート活用・
薬剤総合評価調整加算の活用(岸本 真)
新連載
ゼロからカタチにする 薬局発のエビデンス
〈第1回〉
なぜ薬局で研究するのか?
(雜賀智也)
薬剤師40年目の独り言
キャプテンと薬剤部長
(鎧のない薬剤師)
飲み合わせ研究所
子どもの服薬Tips
〈第46回〉
プラビックス錠25mg
(小嶋 純 米子真記)
ぐっとよくなる! 漢方処方
快訣ビフォーアフター
〈第34回〉
現代医学の考え方を活かした漢方薬の使い方
異なるメカニズムで起こる手指の痛みの治療例(津田篤太郎)
薬剤師の1,2,3,4!(ヒフみよ)
大井教授の皮膚×くすり講座
22時限目 抗がん薬による皮膚障害(大井一弥)
Gebaita?! 薬剤師の語(カタ)ログ
〈第58回〉
その痺れ,どう判断しますか?
~診察前面談で向き合う人生会議~(山田友奈美)
みんなどうやってる?がん薬剤師外来
〈第8回〉
トレーシングレポートはどのように活用していますか?
(内池明博 川上和宜 坂田幸雄 杉野善彦 福岡智宏)
医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・高齢者のNSAIDs継続使用でCKDリスク上昇?
・CKD患者は亜鉛欠乏でAKIリスク上昇?
(佐藤宏樹 澤田康文)