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カテゴリー: 臨床薬学

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院内製剤事例集

1版

一般社団法人 日本病院薬剤師会 監修

定価

9,900(本体 9,000円 +税10%)


  • B5判  405頁
  • 2026年7月 発行
  • ISBN 978-4-525-77942-9

調製から活用までわかる! 現場で頼れる院内製剤事例集

患者一人ひとりのニーズに応えるため,医療現場ではさまざまな院内製剤が調製されている.しかしその一方で,調製方法,有効性,安全性,安定性などに関する情報収集に苦慮する場面も少なくない.
本書は,全国の病院から収集した700を超える院内製剤事例を掲載.豊富な実例を通じて,実臨床における院内製剤の活用を具体的に学ぶことができる.院内製剤の調製・運用に携わる薬剤師にとって,日常業務に直結する実践的かつ貴重な参考書である.
さらに,院内製剤の基礎知識をまとめた「概論」,臨床現場で頻用される院内製剤の詳細な調製方法や関連エビデンスを整理した「調製の実際」も収載.日本病院薬剤師会「院内製剤の調製及び使用に関する指針(Version 1.2)」に準拠し,院内製剤の基礎から実践までを一冊に凝縮した決定版.

  • 発刊に寄せて
  • 発刊にあたって
  • 目次
発刊に寄せて
医療の現場では,患者一人ひとりの病態や背景に応じ,既存の承認医薬品だけでは十分に対応できない状況が少なからず生じる.「医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき承認された用法・用量を基本としながらも,患者の切実なニーズに応えるためには,ときに工夫を凝らした調製や,柔軟な薬学的判断が求められる.院内製剤は,まさにその“最後の砦”として,患者の治療機会を守る重要な役割を担ってきた.
日本病院薬剤師会では,2013(平成25)年3月に全国250床以上の病院を対象とした調査結果を基盤に,「院内製剤の調製及び使用に関する指針 Version 1.0」(以下,指針)のクラス分類を付した「病院薬局製剤事例集」を発刊した.以来10年以上が経過し,医療技術・薬物治療の進歩,医療安全の考え方の深化,さらには社会の価値観の変化を背景に,院内製剤を取り巻く環境も大きく様変わりしている.一方で,既刊書は入手が困難となり,現場からは最新の知見を反映した事例集の必要性が強く寄せられていた.
こうした状況を受け,当会では2025(令和7)年3月に『「病院薬局製剤事例集」(次版)編集に係る特別委員会』を設置し,全面的なアップデートに着手した.今回の新刊では,①院内製剤の基礎知識を体系的に整理した概論,②臨床現場で頻用される製剤の調製方法とエビデンスを集約した章を新たに加え,指針も2026(令和8)年2月11日作成のVersion 1.2へ更新した.掲載事例は700件を超え,質・量ともに充実した内容となっている.書籍名も「院内製剤事例集」へとあらため,現場でより広く活用されることを目指した.
院内製剤業務は,薬学的専門知識に加え,適応外使用に関する法的・倫理的配慮,医療安全,院内規程との整合性など,多角的な判断が求められる高度な業務である.初めて院内製剤の検討に直面した際には,迷いや不安を抱くこともある.そのようなときこそ,本書の第1章「院内製剤 概論」が,確かな道標となるはずである.院内で承認を得る際の考え方や,調製の妥当性を検討する際の視点など,実務に直結する知識を網羅している.
なお,本書はあくまで「事例集」であり,当会として特定の製剤を推奨する趣旨でない.各施設の状況や患者背景に応じ,適切な判断のもとでご活用いただければ幸いである.
今回の発刊にあたり,特別委員会委員長/編集委員会委員長の奥田真弘 日本病院薬剤師会副会長をはじめ,編集委員,編集協力者,執筆者,そして調査・報告にご協力くださった全国の薬剤部門の皆さまの献身的な努力により,本書はようやく形となった.ここに,関わってくださったすべての方々へ心より深い感謝の意を表するとともに,本書が全国の薬剤師の実践を支え,より多くの患者の治療に貢献する一助となることを願っている.

2026年5月

一般社団法人 日本病院薬剤師会会長
武田 泰生
発刊にあたって
院内製剤は,多様な医療ニーズに対応するため市販製剤で十分な対応ができない場合に調製され,使用される.院内製剤は法律上明確に位置付けられていないが,厚生省(当時)は「病院の製剤室で医薬品を製造する行為は,それが当該病院の患者に使用するためのものである限りにおいては,業として製造する行為に該当しない.」(1961.5.17衛第610号)としている.また,1990(平成2)年度の厚生行政科学研究「保健医療における院内製剤の活用方策に関する研究」(研究代表者 田村善蔵)の報告書では,院内製剤は「市販の医薬品にはないが医療上必要とされ,薬剤師が医師の求めに応じ,自ら院内において調製する製剤であり,それぞれの医療機関内ですべて消費されるもの」とされ,現在に至っている.
かつて日本薬学会年会で開催されていた病院薬局協議会において,院内製剤にかかる実態調査が行われていた.病院薬局協議会が日本病院薬剤師会へ移管された後も院内製剤を主題とした学術調査活動が展開・継続され,160余施設から収集した院内製剤事例が「病院薬局製剤-特殊処方とその調製法-」として1982(昭和57)年に発行された.「病院薬局製剤」はその後も数年おきに改訂され2008(平成20)年発行の第6版まで続いた.2012(平成24)年に日本病院薬剤師会から「院内製剤の調製及び使用に関する指針Versio1.0」が公表されたことに伴い編集体制が見直され,後継の書籍として「病院薬局製剤事例集」が2013(平成25)年3月に発刊された.以来10年以上が経過し,社会情勢も大きく変わる中で後継書籍を望む声が高まり,今回,新たに南山堂の協力を得て「院内製剤事例集」の発刊に漕ぎつけた次第である.
本書は第2章の「院内製剤事例集」を本体とし,新たに第1章「院内製剤 概論」と第3章「院内製剤調製の実際」を加えた.日本病院薬剤師会の会員施設から収集した700件以上の事例を掲載するとともに,院内製剤の調製の流れ,倫理的な手続き,製剤評価やエビデンス構築の方法など実用的な情報を加えることで,学習参考書的な内容の充実が図られている.
院内製剤は,薬物治療における臨床的問題点を把握し医薬品の特性を熟知する薬剤師が,専門性を発揮できる分野の一つである.本書が病院薬剤師に幅広く活用され,患者に必要な製剤の調製と適切な使用に貢献することが強く期待される.
最後に本書の発刊にあたり多大なご尽力をいただいた編集委員,編集協力者,執筆者ならびに事例収集にご協力いただいた日本病院薬剤師会会員施設の関係者の皆様方にあらためて心から謝意を表したい.

2026年5月

『院内製剤事例集』編集委員会委員長   
一般社団法人 日本病院薬剤師会副会長
奥田 真弘
目次
第1章 院内製剤 概論
 1. 院内製剤の歴史
 2. 院内製剤調製のながれ
 3. 院内製剤の製剤技術(病院でできるレベルのもの)
 4. 添加剤・防腐剤の選択
 5. 倫理的な位置付けと倫理的な手続き
 6. 物理化学的技術に基づく製剤評価 ① 内用液剤,シロップ剤,含嗽剤,点眼剤
 7. 物理化学的技術に基づく製剤評価 ② 軟膏,クリーム,ゲル,坐剤
 8. 物理化学的技術に基づく製剤評価 ③ 錠剤,OD錠,口腔用フィルム剤,ゼリー剤
 9. 物理化学的技術に基づく製剤評価 ④ カプセル剤,注射剤,貼付剤(テープ),外用液剤
 10. エビデンス創出の考え方と実際の手順

第2章 院内製剤 事例集

第3章 院内製剤調製の実際
 1. インドメタシンスプレー
 2. モーズペースト
 3. リドカインゲル
 4. メトロニダゾール外用製剤
 5. スコポラミン軟膏
 6. ブロー氏液
 7. チラーヂン坐剤
 8. ミラクリッド膣坐剤
 9. ボリコナゾール点眼液
 10. ハイドロキノン軟膏
 11. ケタミンシロップ
 12. レバミピド含嗽液
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