調剤学総論
改訂15版
薬学博士 堀岡正義 原著
調剤学総論編集委員会 改訂
定価
7,480円(本体 6,800円 +税10%)
- B5判 542頁
- 2026年3月 発行
- ISBN 978-4-525-77235-2
調剤を“学”として体系化した一冊
薬学生に必要な調剤の“基礎”と“本質”が学べる定番書籍の改訂15版.ICT(情報通信技術)やAIが進む今こそ,実習や現場で役立つ“なぜ”を考える力を育て,機械では代替できない薬剤師の感性を養います.最新の調剤学,医薬品情報,TDM,適正使用,調剤技術まで幅広く整理されており,学びの指針として最適.薬学生が調剤の思考力を身につけられる教科書です.
- 目次
- 序文
目次
A.調剤の基礎
1.序 論
1.医学と薬学,医療と薬剤師
2.調剤学,医療薬剤学,病院薬学,医療薬学
3.調剤学の歴史
4.薬剤師の現状
5.調剤,薬局,薬剤師に関わる関係法規
2.調剤論
1.調剤業務と薬剤業務
2.薬剤師職能の変革
3.薬剤師の倫理と調剤のフィロソフィー
4.調剤の概念
5.薬局薬剤師と病院薬剤師の調剤の特徴
6.Clinical Pharmacy PracticeからPharmaceutical Careへ
7.調剤は薬学諸学の総合ということ
8.これからの調剤学
3.医薬品
1.医薬品
2.医薬品の開発
3.製造販売後調査
4.医薬品副作用被害と生物由来製品感染等被害の救済
5.新医薬品開発のあゆみと課題
4.医薬品情報
医薬品情報概論
1.医薬品情報源の分類
2.医薬品情報の種類
3.医薬品情報の調べ方
4.医薬品の情報提供システム
5.薬剤疫学・薬剤経済学
医療提供施設における医薬品情報管理業務
6.医薬品情報管理業務(全般)
7.医薬品情報の収集,活用,提供
5.医薬品の管理
1.医薬品の管理
2.医薬品の管理のためのコード
3.医薬品管理の実際
4.医薬品の貯法と容器
5.麻薬,向精神薬,覚醒剤の管理
6.生物由来製品,特定生物由来製品の管理
7.感染性廃棄物の管理
6.医薬品の品質,剤形と製剤試験
医薬品の品質
1.医薬品の規格
2.医薬品の品質確保
3.院内製剤
剤形と製剤試験
4.製剤の種類
5.ドラッグデリバリーシステム
6.製剤試験
7.生物学的同等性
7.医薬品の投与法
薬用量
1.薬用量
2.小児薬用量
3.高齢者薬用量
4.妊婦,授乳婦への医薬品投与
5.疾患と禁忌の医薬品
6.遺伝子診断に基づく薬物治療の患者個別化
医薬品の投与法
7.投与剤形の選択
8.投与回数と投与間隔
9.服用方法
8.血中薬物濃度モニタリング(TDM)概論
1.TDM
2.臨床におけるTDMの有用性
3.TDMに必要な薬物動態理論の基礎知識
4.TDMの実例
9.配合と併用
1.医薬品の配合と併用
理化学的配合変化
2.配合変化
3.理化学的配合変化
4.融点降下による湿潤,液化
5.吸 湿
6.交換反応による沈殿生成
7.外用剤(半固形製剤)の混合
薬物相互作用
8.薬物相互作用
9.薬物相互作用の実例
10.医薬品の適正使用と薬剤師
1.医薬品の適正使用とは
2.医薬品の適正使用と行政
3.創薬の論理と臨床適用の考え方の乖離
4.PMSは乖離の幅を縮小する
5.薬物療法の薬学的評価
6.医薬品の適正使用と薬剤師の役割
7.医薬品の薬学的評価の実例
B.調剤の技術
11.処方と調剤業務
1.処方箋
2.調剤室
3.処方オーダリングシステム
4.処方箋の取り扱い
5.処方の点検(監査)
6.疑義照会
7.調剤薬の調製と交付
8.医薬品による事故,過誤と対策
12.薬歴管理,服薬指導~患者への情報提供
薬歴管理
1.薬歴の作成と患者接遇
2.薬剤服用歴
3.薬剤師の病棟業務
4.在宅患者訪問薬剤管理指導業務
服薬指導~患者への情報提供
5.コンプライアンスと患者コミュニケーション
6.服薬指導指針,薬剤情報提供の進め方
7.服薬指導の実際(1)
8.服薬指導の実際(2)
9.服薬指導の実例
13.剤形別の調剤〔1〕内用剤
1.散剤・顆粒剤の調剤
2.錠剤・カプセル剤の調剤
3.内用液剤の調剤
4.経腸栄養法
5.麻薬の調剤
14.剤形別の調剤〔2〕外用剤
1.外用液剤
2.眼科用製剤
3.軟膏剤及び類似製剤
4.坐 剤
5.腟 錠
15.剤形別の調剤〔3〕注射剤
1.注射剤概説
2.注射剤の調剤
3.注射剤処方箋と注射剤調剤の手順
4.注射剤調剤の実際
5.輸液療法
6.高カロリー輸液療法
7.電解質の補給,補正
8.注射剤の配合変化,試験法,予測法
16.特殊医薬品
1.救急用医薬品
2.血液製剤
3.放射性医薬品
4.診断用医薬品
5.消毒薬
C.医療施設,医療保障
17.医療施設管理・薬局管理
1.医療法と医療施設
2.医療施設の種類
3.病院の使命
4.病院の組織
5.病院の業務
6.病院薬剤部の管理
7.薬局管理
18.医療関連制度
1.社会保障制度
2.医療保障制度
3.国民医療費の動向
4.診療報酬と薬価基準
5.調剤報酬,診療報酬
6.医薬分業
7.医療制度改革
エピローグ―薬剤師へのメッセージ
モデル・コア・カリキュラム対応表
1.序 論
1.医学と薬学,医療と薬剤師
2.調剤学,医療薬剤学,病院薬学,医療薬学
3.調剤学の歴史
4.薬剤師の現状
5.調剤,薬局,薬剤師に関わる関係法規
2.調剤論
1.調剤業務と薬剤業務
2.薬剤師職能の変革
3.薬剤師の倫理と調剤のフィロソフィー
4.調剤の概念
5.薬局薬剤師と病院薬剤師の調剤の特徴
6.Clinical Pharmacy PracticeからPharmaceutical Careへ
7.調剤は薬学諸学の総合ということ
8.これからの調剤学
3.医薬品
1.医薬品
2.医薬品の開発
3.製造販売後調査
4.医薬品副作用被害と生物由来製品感染等被害の救済
5.新医薬品開発のあゆみと課題
4.医薬品情報
医薬品情報概論
1.医薬品情報源の分類
2.医薬品情報の種類
3.医薬品情報の調べ方
4.医薬品の情報提供システム
5.薬剤疫学・薬剤経済学
医療提供施設における医薬品情報管理業務
6.医薬品情報管理業務(全般)
7.医薬品情報の収集,活用,提供
5.医薬品の管理
1.医薬品の管理
2.医薬品の管理のためのコード
3.医薬品管理の実際
4.医薬品の貯法と容器
5.麻薬,向精神薬,覚醒剤の管理
6.生物由来製品,特定生物由来製品の管理
7.感染性廃棄物の管理
6.医薬品の品質,剤形と製剤試験
医薬品の品質
1.医薬品の規格
2.医薬品の品質確保
3.院内製剤
剤形と製剤試験
4.製剤の種類
5.ドラッグデリバリーシステム
6.製剤試験
7.生物学的同等性
7.医薬品の投与法
薬用量
1.薬用量
2.小児薬用量
3.高齢者薬用量
4.妊婦,授乳婦への医薬品投与
5.疾患と禁忌の医薬品
6.遺伝子診断に基づく薬物治療の患者個別化
医薬品の投与法
7.投与剤形の選択
8.投与回数と投与間隔
9.服用方法
8.血中薬物濃度モニタリング(TDM)概論
1.TDM
2.臨床におけるTDMの有用性
3.TDMに必要な薬物動態理論の基礎知識
4.TDMの実例
9.配合と併用
1.医薬品の配合と併用
理化学的配合変化
2.配合変化
3.理化学的配合変化
4.融点降下による湿潤,液化
5.吸 湿
6.交換反応による沈殿生成
7.外用剤(半固形製剤)の混合
薬物相互作用
8.薬物相互作用
9.薬物相互作用の実例
10.医薬品の適正使用と薬剤師
1.医薬品の適正使用とは
2.医薬品の適正使用と行政
3.創薬の論理と臨床適用の考え方の乖離
4.PMSは乖離の幅を縮小する
5.薬物療法の薬学的評価
6.医薬品の適正使用と薬剤師の役割
7.医薬品の薬学的評価の実例
B.調剤の技術
11.処方と調剤業務
1.処方箋
2.調剤室
3.処方オーダリングシステム
4.処方箋の取り扱い
5.処方の点検(監査)
6.疑義照会
7.調剤薬の調製と交付
8.医薬品による事故,過誤と対策
12.薬歴管理,服薬指導~患者への情報提供
薬歴管理
1.薬歴の作成と患者接遇
2.薬剤服用歴
3.薬剤師の病棟業務
4.在宅患者訪問薬剤管理指導業務
服薬指導~患者への情報提供
5.コンプライアンスと患者コミュニケーション
6.服薬指導指針,薬剤情報提供の進め方
7.服薬指導の実際(1)
8.服薬指導の実際(2)
9.服薬指導の実例
13.剤形別の調剤〔1〕内用剤
1.散剤・顆粒剤の調剤
2.錠剤・カプセル剤の調剤
3.内用液剤の調剤
4.経腸栄養法
5.麻薬の調剤
14.剤形別の調剤〔2〕外用剤
1.外用液剤
2.眼科用製剤
3.軟膏剤及び類似製剤
4.坐 剤
5.腟 錠
15.剤形別の調剤〔3〕注射剤
1.注射剤概説
2.注射剤の調剤
3.注射剤処方箋と注射剤調剤の手順
4.注射剤調剤の実際
5.輸液療法
6.高カロリー輸液療法
7.電解質の補給,補正
8.注射剤の配合変化,試験法,予測法
16.特殊医薬品
1.救急用医薬品
2.血液製剤
3.放射性医薬品
4.診断用医薬品
5.消毒薬
C.医療施設,医療保障
17.医療施設管理・薬局管理
1.医療法と医療施設
2.医療施設の種類
3.病院の使命
4.病院の組織
5.病院の業務
6.病院薬剤部の管理
7.薬局管理
18.医療関連制度
1.社会保障制度
2.医療保障制度
3.国民医療費の動向
4.診療報酬と薬価基準
5.調剤報酬,診療報酬
6.医薬分業
7.医療制度改革
エピローグ―薬剤師へのメッセージ
モデル・コア・カリキュラム対応表
序文
「調剤」とは,医師の処方箋に基づき薬を正確に調合・準備し,患者さんに医薬品を安全に使用してもらうための一連の業務であり,薬の種類,用法・用量の確認,監査(処方,調剤薬),患者への服薬指導などが含まれる.病院や薬局など施設によって役割は異なるが,調剤は薬剤師の中心的業務であり,地域医療や在宅医療,チーム医療において,単なる調合を超えた専門性と対人スキルが求められている.
調剤に関する書籍は1980年頃から出版され始めた.かつては「薬剤学Ⅰ」として薬剤の安定性,吸収・排泄,新規剤形の設計などが主に扱われ,病院や薬局の薬剤師を対象とした調剤については「薬剤学Ⅱ」として取り上げられていた.しかし,その内容の多くは調剤現場の説明にとどまっていた.そのため調剤のあり方を示し,さらに薬学部における薬学教育にも対応できる教科書が求められていた.本書は,従来より調剤の大切さを唱えられていた原著者である堀岡正義 先生が1983年に発行された『新調剤学』(南山堂)を再編纂し,薬の専門家である薬剤師が担う調剤を中心に,調剤を取り巻く学問を『調剤学総論』として体系化したものである.
『調剤学総論』は改訂15版を迎えた.初版から今回の改訂までの間に,調剤業務は大きく変化してきた.病院や薬局における調剤業務の自動化は進み,大学での実習においても自動化が取り入れられているという話を耳にすることが増えている.このような変化の中,本改訂では薬剤師に求められる調剤のあり方を示し,医療現場で調剤に携わる薬剤師のみならず,薬学生の学びにも応えられるよう作業を進めた.
現在では病院や薬局を問わず,各部門における薬剤師業務の自動化が進展している.例えば,抗がん薬のミキシングについては,私が15年以上前に欧州の病院を視察したときと比べても,驚くべき速さで技術が進歩している.薬剤師の業務は,病棟薬剤業務や地域医療連携など,拡大の一途をたどっている.さらに,医療の情報化は,電子処方箋やフィジカルAIの進展により,処方に基づく調剤業務にも変革をもたらしている.このような変革の中で,薬剤業務補助者の活用も議論されている.薬剤業務補助者は処方箋に基づく医薬品の取り揃えを担うが,その最終的な監査は薬剤師が行う.監査を行う薬剤師にとって,調剤を理解していることは基本中の基本といえる.「調剤学」は,薬剤師が行う処方監査や調剤薬監査だけでなく,調剤に関わる一連の業務を遂行する上での基盤となる学問である.
薬剤師が調剤に携わる際には,処方どおりに調剤するだけでなく,医薬品情報や薬歴(処方歴),服薬指導などの内容を踏まえた「調剤体系」が必要であることは言うまでもない.その基盤の上に,病棟での業務や,さらに医療薬学領域での活動が位置づけられる.医療法の改正により,薬剤師は医療の担い手と明記され,また薬剤師法の改正により,調剤した薬剤の情報提供義務が定められた.これは,調剤(医薬品)を通して国民の健康に奉仕する薬剤師の職能を,より一層強めるものであるといえる.
調剤DXなど,時代の多様な変化に流されることなく,調剤の大切さを基盤として『調剤学総論』の改訂を重ねてきたことに対し,調剤学総論編集委員の先生方に心から感謝申し上げる.今回の改訂からは,新たに池末裕明 先生,内田まやこ 先生に編集委員としてご参画いただき,新しい視点のもとで調剤に関する内容を執筆いただいた.また,編集委員を退任された二神幸次郎 先生には,これまでのご尽力に深く感謝する次第である.
「調剤学」の必要性と大切さをともに考え,本書の改訂にあたり多大な時間を費やしていただいた南山堂編集部の皆さまに,心より感謝する.あわせて,今後の改訂に向けた取り組みを,ともに進めていけることを願っている.
2026年1月
折井孝男
調剤に関する書籍は1980年頃から出版され始めた.かつては「薬剤学Ⅰ」として薬剤の安定性,吸収・排泄,新規剤形の設計などが主に扱われ,病院や薬局の薬剤師を対象とした調剤については「薬剤学Ⅱ」として取り上げられていた.しかし,その内容の多くは調剤現場の説明にとどまっていた.そのため調剤のあり方を示し,さらに薬学部における薬学教育にも対応できる教科書が求められていた.本書は,従来より調剤の大切さを唱えられていた原著者である堀岡正義 先生が1983年に発行された『新調剤学』(南山堂)を再編纂し,薬の専門家である薬剤師が担う調剤を中心に,調剤を取り巻く学問を『調剤学総論』として体系化したものである.
『調剤学総論』は改訂15版を迎えた.初版から今回の改訂までの間に,調剤業務は大きく変化してきた.病院や薬局における調剤業務の自動化は進み,大学での実習においても自動化が取り入れられているという話を耳にすることが増えている.このような変化の中,本改訂では薬剤師に求められる調剤のあり方を示し,医療現場で調剤に携わる薬剤師のみならず,薬学生の学びにも応えられるよう作業を進めた.
現在では病院や薬局を問わず,各部門における薬剤師業務の自動化が進展している.例えば,抗がん薬のミキシングについては,私が15年以上前に欧州の病院を視察したときと比べても,驚くべき速さで技術が進歩している.薬剤師の業務は,病棟薬剤業務や地域医療連携など,拡大の一途をたどっている.さらに,医療の情報化は,電子処方箋やフィジカルAIの進展により,処方に基づく調剤業務にも変革をもたらしている.このような変革の中で,薬剤業務補助者の活用も議論されている.薬剤業務補助者は処方箋に基づく医薬品の取り揃えを担うが,その最終的な監査は薬剤師が行う.監査を行う薬剤師にとって,調剤を理解していることは基本中の基本といえる.「調剤学」は,薬剤師が行う処方監査や調剤薬監査だけでなく,調剤に関わる一連の業務を遂行する上での基盤となる学問である.
薬剤師が調剤に携わる際には,処方どおりに調剤するだけでなく,医薬品情報や薬歴(処方歴),服薬指導などの内容を踏まえた「調剤体系」が必要であることは言うまでもない.その基盤の上に,病棟での業務や,さらに医療薬学領域での活動が位置づけられる.医療法の改正により,薬剤師は医療の担い手と明記され,また薬剤師法の改正により,調剤した薬剤の情報提供義務が定められた.これは,調剤(医薬品)を通して国民の健康に奉仕する薬剤師の職能を,より一層強めるものであるといえる.
調剤DXなど,時代の多様な変化に流されることなく,調剤の大切さを基盤として『調剤学総論』の改訂を重ねてきたことに対し,調剤学総論編集委員の先生方に心から感謝申し上げる.今回の改訂からは,新たに池末裕明 先生,内田まやこ 先生に編集委員としてご参画いただき,新しい視点のもとで調剤に関する内容を執筆いただいた.また,編集委員を退任された二神幸次郎 先生には,これまでのご尽力に深く感謝する次第である.
「調剤学」の必要性と大切さをともに考え,本書の改訂にあたり多大な時間を費やしていただいた南山堂編集部の皆さまに,心より感謝する.あわせて,今後の改訂に向けた取り組みを,ともに進めていけることを願っている.
2026年1月
折井孝男