南山堂

カートを見る

カテゴリー: 基礎薬学

立ち読み
注文数:

在庫あり

電子書籍はこちら

基礎と臨床をつなぐ

物理薬剤学・製剤学

改訂2版

明治薬科大学 教授 深水啓朗 編著

定価

5,940(本体 5,400円 +税10%)


  • B5判  408頁
  • 2026年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-77852-1

薬の適正使用や製剤の基本を体系的に学ぶための入門テキスト

物理薬剤学・製剤学は,薬が安定して効果を発揮するために欠かせない分野である.薬剤に使用されている材料の性質を理解することで,適切な保存や使用方法の根拠を示すだけでなく,将来の臨床現場での調剤にも大いに役立つ基盤となる.
本書では,基礎薬学的な知識が臨床でどのように活きるのかを“clinical”として示しており,基礎と臨床を結び付けて学べる構成とした.さらに,紙面だけでは伝えきれない測定機器・製剤機器については動画を用いて説明しており,理解を深めやすい一冊となっている.改訂2版では,第十九改正日本薬局方を踏まえて最新の情報にアップデートした.また,各項目には関連する問題(解答・解説付き)を新たに追加し,QRコードから閲覧できるようにして学習性をさらに高めている.

  • 序文
  • 目次
序文
 「基礎と臨床をつなぐ」というコンセプト―私がこの想いを抱いたのは,今からおよそ20 年前,大学教員としてのキャリアをスタートさせた2004 年ころまで遡ります.ちょうど読者の皆さんが生まれた時期に重なるかもしれません.薬学教育が6 年制へ移行するか議論が盛んになっていた時期でもありました.それがまさか,「キリン」(書名「基・ 礎と臨・ 床をつなぐ」の略称)というスタイルで,やや不謹慎とも思える形で結実するとは,夢にも思っていませんでした.
 当時の私は,保険薬局に転職した同僚の相談を受けて,臨床現場におけるさまざまな疑問の解決に取り組み始めていました.科学的エビデンスが不十分なことは今でも沢山あると思いますし,新薬が登場するたびに新たな疑問が生じます.薬効や有効成分が同一のジェネリック医薬品であっても,他剤との配合変化を検討する必要があります.こうした新たに生じる疑問をすべて試験することは不可能だからこそ,現場の薬剤師が専門的な基礎知識を使いこなし,ある程度は予測できることが必要ではないかと思ってきました.
 本書は,製剤を設計する研究者と,患者さんに投薬を行う臨床の薬剤師が協力して編纂しています.初版に盛り込んださまざまな工夫に加え,改訂版では秘蔵(?)していた動画「ペネトロメーター」など6 点を追加しました.また,物理薬剤学の知識が臨床でどのように活用できるかを紹介する「Clinical」のトピックも追加しています.さらに,新たに取り入れたのは薬剤師国家試験とその解説です.演習問題に誌面を割くのは気が進まなかったため,QRコー
ドを活用しました.関連する各章,各項目から過去問題にアクセス可能です.この方法であれば,本書発刊から時間がたっても,新しい問題を追加することが可能です.
 これらの工夫は,薬学生の皆さんに本書を有効活用していただきたい,そして卒業あるいは進級後に捨てられてしまわない教科書であってほしい,という一心で取り入れたものです.これまで脳を限界まで絞り上げてきましたが,改訂版では対象をさらに広げ,教科書を採用する教員にとっても使いやすい,つまり「誰にとっても優しい」ユニバーサルな教科書になることを願っています.
 この考え方は,実は製剤設計の極意と共通しています.すなわち,製剤を使用する患者さんの視点で,患者さんを中心に考える(patient centricなどと言います)ということです.本書が,物理薬剤学・製剤学の知識習得だけでなく,その姿勢を学ぶことにも役立てることを,心から願っています.

2026年2月
深水啓朗
目次
第Ⅰ章 物理薬剤学
1 固形材料
 A. 粉体の性質
 B. 固体原薬の結晶状態
 C. 溶解 溶解速度(ノイエス・ホイットニー,ヒクソン・クロウェル,ヒグチ)
2 半固形・液状材料
 A. 流動性と変形(レオロジー)
 B. 生体高分子
3 分散系材料
 A. 界面の性質
 B. 代表的な分散系
 C. 分散した粒子の安定性
4 原薬・製剤の安定性
 A. 薬物の安定性
第Ⅰ章Clinical(抜粋):散剤の混合と流動性/装置瓶への充塡性/放出制御製剤/注射剤の配合変化(析出,変色)/製剤のレオロジー特性(シロップ剤,軟膏剤・クリーム剤,点鼻液)/注射用アンプルの界面張力/シロップ剤とメートグラスとの固液相互作用/軟膏・クリーム剤の混合可否/クロベタゾールプロピオン酸エステルクリーム製剤の乳剤の型/複合体形成による安定化,複合化による調剤上の注意点 他

第Ⅱ章 製剤学
1 代表的な製剤
 A. 製剤化の概要と意義
 B. 経口投与する製剤
 C. 粘膜に適用する製剤
 D. 注射により投与する製剤
 E. 皮膚に適用する製剤
 F. 生薬関連製剤
2 製剤設計および製剤化工程
 A. 代表的な医薬品添加剤
 B. 製剤化の単位操作
3 製剤試験法
 A. 医薬品の試験法
4 生物学的同等性の保証
 A. 生物学的同等性
第Ⅱ章Clinical(抜粋):臨床では,どのような剤形が使用されているのか?/注射剤・点眼剤の等張化/添付文書に記載されている添加剤の解釈/錠剤への印刷/ローデッドスペースタイプシリンジ/プレフィルドシリンジ/プラスチック容器からの可塑剤溶出 他

第Ⅲ章 薬物送達学(DDS)
1 DDS の必要性(薬物送達システム)
 A. DDS の概念と有用性
2 コントロールドリリース(放出制御)
 A. 放出制御の概要と意義
 B. 代表的な放出制御の技術
3 ターゲティング(標的指向)
 A. ターゲティングの概要と意義
 B. 代表的なターゲティング技術
4 吸収改善
 A. 吸収改善の概要と意義
 B. 代表的な吸収改善技術
5 プロドラッグ
 A. プロドラッグの概要と意義
 B. 代表的なプロドラッグ
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む