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月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207

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2026年7月 Vol. 108 No.8

【第1特集】からだとこころの診療を整理する/【第2特集】気候変動時代の感染症 総合診療医のための新しい臨床地図

ISBN 978-4-525-93031-8

定価

2,970(本体 2,700円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
【第1特集】からだとこころの診療を整理する

こころを診るときの「頭の中」
 「先生,最近なんだか気力が湧かなくて……」,「胃がずっと痛いんですが,検査では異常なしと言われて」──プライマリ・ケアの外来には,こうした訴えが日々もち込まれる.器質的疾患を丁寧に除外しながら,ふと「この方の背景に,こころの問題が潜んでいないだろうか」と感じる瞬間は,現場の医師なら誰しも経験があるだろう.
 しかし現実は厳しい.精神科や心療内科への初診待期は長く,医療資源も限られている.全例を専門医に委ねることは現実的ではなく,プライマリ・ケア医にも一定の対応力が求められている.では,プライマリ・ケア医に何ができるか──そこに本特集の出発点がある.
 本特集では,日常外来で遭遇頻度の高い心身症・精神疾患を幅広く取り上げ,専門医が実際の診療場面でどのように考え,診断し,治療方針を組み立てるか,その「頭の中」を具体的に開示していただいた.教科書には書かれない見逃しのポイントや紹介のタイミングなど,現場の機微を惜しみなく共有いただいている.
 また本特集の目玉として,心療内科医と精神科医による特別座談会を掲載した.同じ症状を前にしても,両者のアプローチや視点には微妙な,しかし重要な違いがある.その対話を通じて,「からだとこころ」の診療がいかに多面的であるかが浮かび上がる.専門医同士の率直なやりとりは,プライマリ・ケア医にとっても大いに参考になるはずだ.
 こころとからだは相互につながり合っている.本特集がその診療を整理し,現場の一助となれば幸いである.

[編集幹事]
たけお内科クリニック からだと心の診療所 大武陽一


【第2特集】気候変動時代の感染症 総合診療医のための新しい臨床地図

これからの感染症診療の新たな座標軸
 気候変動は今,私たちの臨床の前提そのものを書き換えつつあることをご存じだろうか.それは感染症の地理的分布や季節性,さらには重症度にまで影響を及ぼしている.水・食物媒介感染症の変容,ベクター感染症の北上・再興,そして豪雨・洪水・猛暑といった気象災害に伴う感染症リスク──これらはもはや例外ではなく,日常診療のなかで向き合うべき現実となった.従来の知識だけでは捉えきれないこの変化は,人間と地球環境の関係性の変容そのものである.
 今,求められているのは「プラネタリーヘルス」という視座から感染症を捉え直し,臨床の現場に新たな意味づけを与えることである.本特集では,総合診療医が最前線で感じ取る“違和感”や“変化の兆し”を手がかりに,環境・社会・個人をつなぐ「新たな座標軸」を提示したい.
 目の前の患者の背後に広がる地球規模の変化に想像力を働かせること,それこそがこれからの臨床に求められる姿勢である.日々の診療の一つひとつが,未来の健康を守る実践につながる.本特集が,その確かな一歩を後押しすることを願っている.

[編集幹事]
山梨勤労者医療協会 武川診療所 太田知明
特集の目次
【第1特集】からだとこころの診療を整理する

■特別座談会
精神科医&心療内科医:それぞれのあり方とプライマリ・ケアとのつながり(大武陽一,宮岡 等,山根 朗)
■こんなとき専門医はどう診る?
「試験の前になるとトイレに行きたくなります」──過敏性腸症候群(宮田典幸,波夛伴和)
「ぜーぜーがなかなか治りません……」──気管支喘息(北島拓真)
「私,性格が変わってしまったのでしょうか」──月経前症候群/月経前不快気分障害(大武陽一)
「どうしても食べてしまうんです」──過食と肥満(大武陽一)
「私はちゃんと食べています」──摂食障害(神経性やせ症)(柴田昂明,山田宇以)
「がんばっても眠れません」──不眠症(渥美正彦)
「急にドキドキして死ぬかと思いました」──パニック症(石原稜己)
「自然と涙が出てきます」──うつ・適応障害(適応反応症)(岡 文恵)
「周囲の人がわかってくれません」──神経発達症(平山貴敏)
「問題だとは思ってません」──アルコール使用症(岩野 卓)
■Column
家庭医ならではのメンタルヘルス診療の特徴(宮本侑達)
プライマリ・ケアの現場での公認心理師(新野青那)


【第2特集】気候変動時代の感染症 総合診療医のための新しい臨床地図

■感染症診療は気候変動でどう変わるか
第1章:地球環境の変化は感染症の成立条件をどのように変えるか ─プラネタリーヘルスの視点から(金子博光,梶 有貴)
第2章:ベクター媒介感染症の北上・再興・新興 ─蚊・ダニ・野生動物と外来診療(中山久仁子)
第3章:豪雨・洪水・猛暑が招く水・食物媒介感染症(田頭保彰)
第4章:気象災害と感染症 ─被災した人々や脆弱な人々を感染症から守る総合診療医の役割(窪田由和子,豊田喜弘)
第5章:診察室からはじめる気候変動時代の感染症対策 ─総合診療とプラネタリーヘルス(岩上真理子,太田知明)
■Column
拝啓 24年後の私へ 〜2050年カーボンニュートラルに向けて〜(福田彩乃)
連載
えびさんぽ(55)
片頭痛の予防に抗 CGRP 抗体製剤は効果がありますか?(青島周一)
―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
―臨床での使い方

御縁ちゃんが導く誤嚥性肺炎クロニクル(19)
過去に逆戻り,最後に救うのは希望のV(宮上泰樹,近藤慶太)

総合診療POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─(30)
妊婦にRSウイルスワクチンを接種することで,乳児のRSウイルス感染症を予防できるか?(橋村勇樹,戸田智也,青木一成)

京都大学漢方診療ユニットpresents 外来診療で役立つ 漢方の使い方・考え方(1)
慢性疼痛に十全大補湯! 「元気が出る漢方」は「最高の痛み止め」(加藤果林,谷川聖明)

Evidence Based Drinking お酒と健康の新常識(2)
決定版,二日酔いの予防法[後編](須田万勢)
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