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とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌

月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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2026年8月 Vol.77 No.9

抗体医薬入門 臨床編

炎症性腸疾患

ISBN 978-4-525-94035-5

定価

2,200(本体 2,000円+税10%)

  • 巻頭言
  • 目次
巻頭言
 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は,潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)およびクローン病(Crohn’s disease:CD)を主とする慢性再発性の消化管炎症性疾患であり,その患者数は世界的に増加傾向を示している.わが国においても食生活や生活様式の変化に伴い有病率は年々上昇しており,若年発症例が多いことから,患者本人のQOLのみならず社会的負担も大きい疾患である.病態の背景には,遺伝的素因,腸内細菌叢の変容,免疫応答の異常などが複雑に絡み合い,慢性的な炎症が持続することが知られている.
 従来の治療は,5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤,ステロイド,免疫調節薬などが中心であったが,これらは主として炎症の抑制を目的とした非特異的なアプローチであり,難治例やステロイド依存・抵抗例では十分な効果が得られないことが課題であった.このような状況を大きく変革したのが抗体医薬の登場である.特にTNF-αを標的とする抗体製剤の導入は,IBD治療におけるパラダイムシフトをもたらし,粘膜治癒という新たな治療目標の確立に寄与した.
 その後も,抗体医薬は進化を続け,抗インテグリン抗体や抗IL-12/23抗体など,より選択的に免疫応答を制御する薬剤が実臨床に導入されている.これにより,従来の治療では達成困難であった長期寛解維持や手術回避率の向上が現実のものとなりつつある.一方で,抗体医薬の使用には,感染症リスクや免疫原性,治療反応性の個体差など,臨床上の課題も存在する.さらに医療経済的側面からの適正使用も重要なテーマであり,治療選択はますます複雑化している.
 近年では,個別化医療の概念がIBD領域にも浸透しつつあり,バイオマーカーを用いた治療反応の予測や,患者ごとの病態に応じた最適な薬剤選択が模索されている.また,抗体医薬に加え,新規作用機序を有する低分子化合物の治療薬も登場しており,治療戦略は多様化の一途をたどっている.このような背景のもと,抗体医薬の位置づけを正しく理解し,適切に活用することは,今後ますます重要となるであろう.
 本特集「抗体医薬入門 臨床編 炎症性腸疾患」においては,『薬局』2026年7月号「特集:抗体医薬入門 基礎編 抗体を知れば,抗体医薬がわかる」と併せて抗体医薬の基礎的な作用機序から臨床応用,さらには治療戦略に至るまでを体系的に解説することを目的としている.ここでは,IBDを一つのモデル疾患として捉え,抗体医薬がいかに臨床現場を変革してきたか,そして今後どのような展望が期待されるかを概観した.本特集を通じて抗体医薬への理解を深め,薬剤師が日常の薬学管理においてよりよい薬物治療選択を行う一助となれば幸いである.

医療法人鉄蕉会医療管理本部 薬剤管理部 部長/治験管理センター長/
亀田総合病院 薬剤部 部長
舟越 亮寛
目次
特集
抗体医薬入門 臨床編
炎症性腸疾患

■特集にあたって(舟越 亮寛)

■なぜ炎症性腸疾患で抗体医薬が使われるのか(森久 芳樹 ほか)

■炎症性腸疾患に使われる抗体医薬を整理する
 1 抗TNF-α抗体から学ぶ生物学的製剤の基本と薬学的管理(八木澤 啓司)
 2 抗IL-12/23p40抗体,抗IL-23p19抗体(平田 一耕)
 3 α4インテグリン阻害薬(中村 健志)

■炎症性腸疾患の抗体医薬を薬学管理する
 1 感染症リスクに備える─抗体医薬と感染症リスクの特徴を踏まえた薬学管理─(浜田 幸宏)
 2 抗薬物抗体産生による二次無効に対応する(山田 尚広)
 3 バイオシミラーに切り替える(佐藤 将嗣)
 4 自己注射を指導する(中村 祐輔 ほか)
 5 バイオマーカーから有効性を評価・共有する(栃倉 尚広)
 6 ワクチンの接種に留意する─炎症性腸疾患における抗体医薬治療と感染症予防─(三木 郁帆)
 7 妊娠計画期から妊娠・授乳期の患者に対応する(佐藤 将嗣)
 8 術前術後の抗体医薬治療を管理する(細見 周平 ほか)

■こんなときどうする? 抗体医薬の薬学管理ケーススタディ
 1 「抗体医薬を使うのははじめてです」(舟越 亮寛)
 2 「別の抗体医薬から切り替えになりました」(榎戸 雄紀 ほか)
 3 「先行バイオ医薬品からバイオシミラーになりました」(栁原 知夏)
 4 「症状が悪化してきました」─“なぜ効かないか”を整理し,次の一手につなげる─(中島 章雄)
 5 「病院での治療から,自己注射での治療に切り替わりました」(木下 隆市)
 6 「発熱があります.次の自己注射は中止した方がよいですか?」(四方 公亮)
 7 「症状がよくなってきたので,薬をやめてもいいですか?」─寛解維持期における継続支援と中止判断─(宮﨑 元康)


シリーズ

えびさんぽ
アトピー性皮膚炎に対する抗体医薬品の効果はどれくらいですか?
(青島 周一)

医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・気圧変動が多いと片頭痛発生は増える?
・高齢者への不適切処方で死亡リスク上昇
(佐藤 宏樹 澤田 康文)

飲み合わせ研究所
子どもの服薬Tips
〈第44回〉
プロプラノロール塩酸塩錠10mg「トーワ」
(小嶋 純 米子 真記)

薬剤師40年目の独り言
人誑し(ひとたらし) 
(鎧のない薬剤師)

みんなどうやってる?がん薬剤師外来〈第7回〉
どこまでの血液検査値が出てから面談を始めますか?
患者1人にどれくらいの時間で行っていますか?
(内池 明博 川上 和宜 坂田 幸雄 杉野 善彦 福岡 智宏)

Gebaita?! 薬剤師の語(カタ)ログ〈第56回〉
おとなのワクチン
(篠田 康孝)

ぐっとよくなる! 漢方処方
快訣(かい けつ)ビフォーアフター〈第32回〉
難治性の線維化病態に対する“代替治療”
「強い」漢方薬の使い方とその注意点
(津田 篤太郎)

タイパUP!誰も教えてくれなかった
臨床業務の段取りお手本ファイル
〈File 17〉対物業務のICT化と薬剤補助員へのタスクシフト
(山中 理)

薬剤師の1,2,3,4!(ヒフみよ)
大井教授の皮膚×くすり講座
20時限目 軟膏剤の特徴と混合処方
(大井 一弥)

書評
ぼくと在宅医療
現場でみつけた,伝えたいこと(南山堂)
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