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カテゴリー: 神経学/脳神経外科学  |  内科学一般

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女性てんかんの診療

1版

むさしの国分寺クリニック 院長 加藤昌明 著

定価

5,940円(本体 5,400円 +税10%)


  • B5判  275頁
  • 2026年10月 発行
  • ISBN 978-4-525-26621-9

長年の経験に基づく,診療の極意

小児から高齢者まで,さまざまな年代で発症するてんかん.
一度発症すると,長期にわたって治療を続けることも少なくない.

てんかんをもつ女性の場合,月経に伴うホルモンバランスの変化や妊娠・出産など,さまざまな要因がてんかんの病態や薬物治療に複雑に絡んでいる.

本書では女性てんかんにフォーカスをあて,女性ホルモンとてんかんの関連や,プレコンセプションケア,妊娠・授乳期の薬物治療など,てんかんをもつ女性を診療する際に欠かせない知識を体系的にまとめた.

てんかんをもつ女性の人生を支えるための一冊.

  • 序文
  • 目次
序文
 私は一てんかん診療医として,普段の臨床での疑問や困ったことについて自分なりに情報を集め,診療の実践に活かしてきました.女性てんかんを専門としてきたわけではありませんが,さまざまな方々との出会いに導かれ,いつの間にか女性のてんかんに深く関わるようになりました.その沢山の出会いに感謝しつつ,浅学未熟ではありますが,女性てんかんの診療のポイントをまとめたのが本書です.
 私がてんかん診療に正面から取り組み始めたのは昭和60年代,従来の抗てんかん発作薬しかなかった時代です.てんかんをあまり知らない若輩者がいきなり大勢の患者さんを担当し悪戦苦闘するなかで,大きな困りごとの一つが妊娠中の薬物療法でした.薬物の催奇形性が注目され始めた時代であり,選択肢が少なく悩む私にとって最強の拠り所となったのが,兼子直先生のご講演,御著書を通じた教えです.その教えの核心である「バルプロ酸が危ないのではなく,多量のバルプロ酸が危ない」をできるだけ守りつつ診療していました.
 そんなある時,大学の同窓である村島温子先生からのお声かけにより,妊娠と薬情報センターで,抗てんかん発作薬の講義を毎年担当させていただくことになりました.これが,私が女性てんかんに深く関わるようになった最大の契機です.講義で皆様のお役に立てる喜びと,講義するからには勉強しなければという思いが,さらなる勉強の意欲につながりました.この時期は丁度,新規抗てんかん発作薬が登場し,女性てんかんの診療が大きく変わっていく時代であり,続々と出てくる新しい情報を吸収するのは大変でしたが,勉強しがいがあり,日々の診療にも大いに役立ちました.
 このたび南山堂からお話をいただき,自分なりのまとめを書籍にすることができました.この本が,女性てんかんの診療に取り組んでいらっしゃる皆様の毎日の臨床に少しでも役立てば幸いです.

2026年 盛夏
加藤昌明
目次
はじめに
 てんかんの長期経過と女性のライフサイクル
  1 てんかんの長期予後
  2 女性のライフサイクルを見据えたてんかん診療
  3 女性てんかん患者の診療における4つの視点
  4 抗てんかん発作薬の変遷と薬剤選択
  5 本書の構成と読み方

第1章 月経周期を考慮したてんかん診療
 月経てんかん
  1 月経てんかんの概要
  2 月経てんかんの診断と治療
  3 ライフサイクル・ライフイベントによる月経てんかんの変化
 女性てんかん患者にみられやすい月経周期・性機能関連の事象
  1 女性てんかん患者の月経異常—原因と対策
  2 多嚢胞性卵巣症候群
  3 性機能不全
 抗てんかん発作薬と女性ホルモンの関係
  1 性ホルモンの代謝
  2 内因性の性ホルモンとの関連
  3 外因性の女性ホルモンとの関連
  4 抗てんかん発作薬服用中の避妊
  5 抗てんかん発作薬服用中の婦人科疾患の治療
 美容上気になる抗てんかん発作薬の副作用
  1 体重変化
  2 脱毛
  3 多毛,ざ瘡,歯肉腫脹

第2章 挙児希望を叶えるてんかん診療
 てんかんをもつ方へのプレコンセプションケア
 正しい情報提供
  1 先々自分の子どもがてんかんになる可能性は?
  2 妊娠・出産は大丈夫か?
  3 妊孕性は?
  4 発作は大丈夫か?
  5 薬の子どもへの影響は?
  6 不妊治療について
  7 情報提供の導入

第3章 妊娠を考慮した薬物治療
 抗てんかん発作薬の胎内曝露が児に及ぼす影響
  1 子宮内身体発達の遅れ
  2 大奇形への影響
  3 精神発達への影響
  4 まとめ・処方の動向
 妊娠に最適な処方への調整
  1 最適な処方の考え方
  2 調整の基本三原則
  3 第一選択薬の使い方
  4 第一選択薬以外の処方の現状
  5 第二選択薬の考え方
  6 自験例から
  7 最適と考えられる処方に調整した後に
 妊娠に関する海外でのバルプロ酸の規制
  1 欧州での規制とその問題点① Pregnancy Prevention Programme
  2 欧州での規制とその問題点② 男性および女性への新たな投与の原則禁止
 日本における抗てんかん発作薬の添付文書:妊娠関連のまとめ
 葉酸補充
  1 葉酸とは
  2 妊娠と葉酸
  3 神経管閉鎖不全・低葉酸のリスク因子
  4 一般の妊婦における葉酸補充のメリット
  5 女性てんかん患者,抗てんかん発作薬服用者の妊婦における葉酸補充のメリット
  6 葉酸補充の至適用量

4章 妊娠・出産を支援するてんかん診療
 妊娠中のてんかん管理
  1 妊娠中の抗てんかん発作薬の血中濃度低下
  2 血中濃度低下による発作のリスク
  3 血中濃度測定と濃度低下への対応
  4 出産後の減量方法
 産科への情報提供と連携
  1 病院選び
  2 産科への情報提供と連携
 授 乳
  1 薬物を服用しながらの授乳(一般論)
  2 抗てんかん発作薬と授乳
 情報提供のツール

第5章 更年期以降のてんかん診療
 閉 経
  1 てんかん患者の閉経
  2 閉経前後のてんかんの病状変化
  3 ホルモン補充療法
 骨の健康
  1 はじめに
  2 てんかん患者にみられる骨折
  3 抗てんかん発作薬と骨密度
  4 抗てんかん発作薬とビタミンD
  5 一般集団における骨折の予防
  6 女性てんかん患者の日常診療における骨の健康のための留意点
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