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 ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

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2023年8月 Vol. 105 No.8

発達障害×慢性疾患

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
発達障害,プライマリ・ケア医はどうかかわるべきか?

 「発達障害」という言葉は一般にも広く浸透し,インターネットや書店にも関連情報があふれている.医療現場でも,精神科や心療内科を標榜していなくとも発達の問題を抱えた子どもや大人を診療することは日常的だろう.診断済のケースや,本人・家族が発達障害を疑っているようなケースだけでなく,むしろ糖尿病などの慢性疾患診療がうまくいかない,患者との関係性に難しさを感じる,などありふれた「なんかうまくいかないな」の背景に発達障害が関与しているケースも珍しくないと思われる.
 一方で,発達障害に関して体系的に学ぶ機会に恵まれていたり,気軽に相談できる専門家が身近にいるプライマリ・ケア医はなかなかいないだろう.筆者が所属する日本プライマリ・ケア連合学会は「メンタルヘルス領域の教育」を重点強化課題の1つに掲げている.これは,プライマリ・ケアにおいてメンタルヘルス診療の重要性は高いにもかかわらず,教育リソースが限られている現状を反映している.本特集はこの現状を踏まえて,多くのプライマリ・ケア医が自信をもって診療しているといえない発達障害診療の,かゆいところに手を延ばすことを目指している.
 本特集の前半では「発達障害×慢性疾患」のさまざまな組み合わせごとに,具体的な治療計画の立て方・説明のコツ・患者とのつきあい方を実践的にまとめ,説明例もご紹介いただいた.また,全体を通して発達障害自体への理解をさまざまな角度から深める章立てに工夫されている.
 若手医師に留まらず,患者を紹介できる施設が近くになく,試行錯誤しながら診療にあたっているすべての医療者の後押しができる特集となることを期待している.

聖マリアンナ医科大学/川崎市立多摩病院 総合診療内科
日本プライマリ・ケア連合学会 メンタルヘルス委員会
家 研也


Neurodevelopmental Disordersは,日本精神神経学会 精神科用語検討委員会によって「障害」という表現は避け「神経発達症群」という訳語が発表されているが,プライマリ・ケア領域にまだ馴染んでいない現状を踏まえ,多くの読者に届くことを願って企画の表題は発達障害として,項目内の用語は各著者の記載のままにしている.

〔編集幹事〕
今村弥生(杏林大学医学部 精神神経科学教室)
日本プライマリ・ケア連合学会 メンタルヘルス委員会
特集の目次
■特別座談会:医療者×当事者
プライマリ・ケア医が発達症診療に向き合うために(今村弥生,相原茉里,山田隆一)

■発達障害×慢性疾患 ケースレポート
発達障害×肥満・2型糖尿病(鈴木一恵)
発達障害×脳・心血管障害(木村勝智)
自閉スペクトラム症×在宅介護(横谷省治)
発達障害×知的障害×慢性疾患(喜瀬守人)
発達障害×呼吸器疾患(星野啓一)
発達障害をもつ児童・思春期の診療 ─家族から情報をどう聞くべきか?─(龍田直子)
小児閉塞性睡眠時無呼吸症候群と注意欠陥・多動性障害(新谷朋子)
発達障害×子どものインターネット依存(館農 勝)

■発達障害への理解を深める
神経発達症:概念の変遷と診断について(牧田みずほ,他)
発達精神病理学の起源と展開 ─発達障害とアタッチメントの障害をつなぐもの─(王 百慧,他)
発達障害をもつ人が使える社会資源(新野青那,他)
発達障害をもつ人の特性を踏まえた接し方の基本(青木省三,他)
薬物療法と発達障害(ADHD)(今村 明)

■コラム
回避・制限性食物摂取症とは何か?(山田 恒)
児童思春期の睡眠障害と睡眠薬の使い方(降籏隆二)
マンガが描くニューロダイバーシティ(小林聡幸)
医療者が発達症のとき ─周囲の理解とかかわり方─(森屋淳子)
発達症当事者が生活で困難を抱え得ることの一例(山田隆一)
連載
1問1答! 在宅報酬必須知識(9)
 特別養護老人ホームの在宅医療(永井康徳)

えびさんぽ(20)
 HbA1c値は厳格に管理すべきでしょうか?(青島周一)
  ─ランドマークスタディと路地裏エビデンス
  ─臨床での使い方

緩和Case Based教育ディスカッション(6)
 強オピオイドの選び方と原則
  ④オピオイド持続静脈/持続皮下注射の使い方と,デフォルトセット(宇井睦人)

総合診療POEMs ─診療で使える! 旬なオススメ文献─(13)
 重症市中肺炎患者にステロイドは有用なのか?(福住美早樹,井上博人)
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