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カテゴリー: 臨床薬学  |  循環器学

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薬剤師のための循環器疾患マネジメント

入院・外来・在宅のシームレスな思考スキルを磨く

1版

三重ハートセンター 高井 靖 著
大分三愛メディカルセンター 梶原洋文 著
聖マリアンナ医科大学病院 土岐真路 著
三重ハートセンター 梶間勇樹 著

定価

3,850(本体 3,500円 +税10%)


  • B5判  236頁
  • 2023年11月 発行
  • ISBN 978-4-525-77881-1

症例検討で深める病態を意識した継続的フォローアップの実践力

本書は,初回心不全入院から不整脈や心臓弁膜症といったイベントを経て終末期となった患者など,患者4人の経過で構成しています.その中で病態の悪化や薬物有害事象などの12のイベントが発生します.イベントは独立したものではなく,つながっているのがポイントです.そして心不全のステージといった病態を理解しながら,各イベントで入院時から退院後・外来フォローまでの間で重要な知識とその使い方を解説しています.症例検討を通じて循環器疾患に関わる薬剤師としての経験知を積み上げ,知識を使いこなす実践力を身につけられる一冊です.
本書には『病態把握シート』を収録しています.これは病態を把握して総合的に循環動態を評価する最低限のコツをまとめたものです.
下記リンクよりダウンロードできますので,ぜひご利用ください.

病態把握シート

  • 序文
  • 目次
序文
 『脳卒中・循環器病対策基本法』の成立を受け,2020年に『循環器病対策推進基本計画』が閣議決定されました.同法は,脳卒中や心筋梗塞などの循環器病の予防推進と,迅速かつ適切な治療体制の整備を進めることで,人々の健康寿命を延ばし,医療・介護費の負担軽減を図ることを目的としています.基本計画では,2040年までに3年以上の健康寿命延伸と年齢調整死亡率の減少を目標に設定し,目標達成のために取り組むべき施策を,①保健,医療,福祉に関するサービスの提供体制の充実,②循環器病の研究推進,③循環器病の予防や正しい知識の普及啓発,の3項目にまとめています.循環器病は,発症後に迅速な治療を行えるかどうか,治療後は重症化・再発予防など,多職種によるアプローチが重要です.そのためには,患者の予後や日常生活動作(ADL)などの維持・向上を図るため,高度急性期・急性期から回復期・慢性期までの病床の機能分化と連携,在宅医療などにより,地域に切れ目のない医療提供体制を構築する必要があります.

 この中で薬剤師に求められるスキルは,目の前の患者で起きているイベントを理解して,病態生理と薬剤を結びつけることです.そのためには,フィジカルアセスメント,モダリティを含めた検査結果の読み方,薬理作用,製剤特性といった知識が必要になります.そのほか,外来ケアでは,患者を取り巻く社会環境,家庭環境の把握も欠かせません.個々の知識はあってもこれらを線でつなげる思考スキルが苦手な薬剤師を見かけます.ですが,これらすべてを線でつなげて解説した書籍は見当たりません.そこで今回,本書『薬剤師のための循環器疾患マネジメント』を企画しました.本書のコンセプトは,「入院・外来・在宅のシームレスな思考スキルを磨く」で,薬剤師が各医療場面で必要とされる思考について症例を通じて整理していきます.本書では,疾患ごとに分けていますが,同じ患者が繰り返し登場します.すなわち,一人の患者が悪化していく過程をたどりながら,薬剤師がどのように患者をみて考えるのか,すべてを線でつなげてわかりやすく解説していきます.

 例えば,Case 1では「初回心不全入院のHFrEF患者」を取り上げます.そして,入院期間中をScene 1:初回入院時,Scene 2:入院療養,Scene 3:退院時&外来フォローの3期に分け,さらにそれぞれのSceneごとにどのように関わるかをStep方式で進めていきます.Scene 1:初回入院時では,
 Step 1 入院までの服薬状況を確認して問題点があるか明らかにしよう!
 Step 2 病態に関連づけて処方薬を評価しよう!
 Step 3 検査所見からもう少し詳しく病態と薬剤をみてみよう!
のように,段階を踏んで患者と関わっていくことで,体系的に思考を整理することができます.

 さらに,このCase 1の患者が心房細動(Case 4),心臓弁膜症(Case 9),終末期ケア(Case 11)と進行していきます.このように同じ患者で長期間の経過をみていくことで,疾患に対する理解も深まると思います.

 医療現場で思考スキルを習得する機会の一つにカンファレンスがあります.若手医師はカンファレンスの発表で鍛えられますが,薬剤師にはその機会がまだ少ないのが実情です.本書は,カンファレンスで発表した効果が得られるような思考スキルが身につくように構成しました.特に,初めて循環器に関わる薬剤師,循環器になじめずにモヤモヤしている薬剤師,断片的な知識を整理したい薬剤師,急性期だけあるいは慢性期だけしか関わったことがない薬剤師,保険薬局薬剤師など,少しでも循環器に関わる機会がある薬剤師にぜひお読みいただきたいと思います.

2023 年10 月
著者を代表して
三重ハートセンター 薬局長
高井 靖
目次
Ⅰ.心不全
 1.基礎編
 2.実践編
 ・Case 1:初回心不全入院のHFrEF患者
 ・Case 2:初回心不全入院の高齢HFpEF患者
 ・Case 3:入退院を繰り返すHFrEF患者

Ⅱ.不整脈
 1.基礎編
 2.実践編
 ・Case 4:β遮断薬による徐脈と、入院中に心房細動を発症した患者
 ・Case 5:心不全治療中に心房細動治療を開始した患者
 ・Case 6:入院中に薬剤性QT延長からトルサード・ド・ポアントを発症した患者
 ・Case 7:心原性脳梗塞を発症した患者

Ⅲ.冠動脈疾患
 1.基礎編
 2.実践編
 ・Case 8:初回ACS発症患者

Ⅳ.心臓弁膜症
 1.基礎編
 2.実践編
 ・Case 9:MR合併によりMVR施行を受けた患者
 ・Case 10:AS悪化による心不全を発症した患者

Ⅴ.緩和ケア
 1.基礎編
 2.実践編
 ・Case 11:終末期(ステージD)となった患者
 ・Case 12:心不全緩和ケア導入となった患者

<Caseリスト>
・患者A:Case 1 ⇒ Case 4 ⇒ Case 9 ⇒ Case 11
・患者B:Case 2
・患者C:Case 3 ⇒ Case 5 ⇒ Case 6 ⇒ Case 7 ⇒Case 12
・患者D:Case 8 ⇒ Case 10
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