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カテゴリー: 産婦人科学  |  臨床看護学

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これからはじめる周産期メンタルヘルス

改訂2版

広尾レディース 院長/茨城県立医療大学 客員教授 宗田 聡 著

定価

2,420(本体 2,200円 +税10%)


  • B5判  88頁
  • 2024年5月 発行
  • ISBN 978-4-525-33652-3

妊娠うつって?産後うつって?どんな人がなりやすい?まずはこの1冊!

すべての妊婦さんが妊娠していることがわかって,うれしく幸せな気持ちでいるとは限りません.また,出産後すべてのお母さんが赤ちゃんをかわいく思えたり,元気に楽しく子育てができるものでもありません.                       そのような妊婦さん,お母さんに関わる助産師や看護師,また精神科や小児科の医師,地域の保健師,病院などで働く臨床心理士の方へ向けた周産期メンタルヘルスの入門書.

  • 序文
  • 目次
序文
 初版「これからはじめる 周産期メンタルヘルス〜産後うつかな?と思ったら」を出版してから早いもので6年以上経ちました.20年以上前から周産期のメンタルヘルスに関わってきていますが,初版を出版した頃,ようやく医療業界でも妊産婦のメンタルヘルスの大事さなどが理解され始めてきて,関心をもつ助産師・看護師や産婦人科だけでなく精神科や小児科の医師,地域の保健師,病院などで働く臨床心理士など,さまざまな業種の方が興味を持ち,臨床現場で妊産婦のメンタルヘルスに関わりたいというニーズが増えてきた頃でした.その頃は,教科書的な本もなく,周産期メンタルヘルスの基本的なことを学ぶ必要性から拙著が出版され,ありがたいことに今日まで多くの方に読んで使っていただいています.ここ最近では,一般の方々でも産後うつの言葉もだいぶ広まって認知されてきていることから,一般の方の購入も少なくないようです.
 しかし,医療界の進歩はめざましく,5年も経てば随分と新しい知見も増えてきます.また周産期メンタルヘルスに関わる業種や人も格段に増えており,例えば毎年秋に開催されている日本周産期メンタルヘルス学会の参加者も,本書が出版される以前は200人程度でしたが,去年は1,000人を超えており,いかにこの領域が臨床現場において重要であるかがわかると思います.そこで,今回本書の改訂版を出版することとしました.
 今回の改訂で前回から大きく変わったところは,前回では日本における標準的なガイドラインがなかったことから,海外での状況を参考に書いている点が多かったのですが,今回は最近いくつかのガイドラインが出てきたこともあり,それらを取り入れて最新の内容を加筆しています.2022年に妊産婦のメンタルヘルス対策の重要性を踏まえ,日本精神神経学会と日本産科婦人科学会の両学会により「精神疾患を合併した,或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド」が作成され,同じ2022年に「統合失調症薬物治療ガイドライン2022」で妊娠期(妊娠前・妊娠中・産後)の薬物治療に関するガイドラインが作成されました.2023年には,日本周産期メンタルヘルス学会が2017年に作成したコンセンサスガイドの改訂版「周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド2023」を公開し,日本うつ病学会からは「双極性障害(双極症)2023」のガイドラインが公表されています.
 本書はいわゆる入門編としての位置付けであり,より詳細な内容や具体的な薬物の使用方法などは,先のガイドラインなどを個別にしっかりと読んで学んでいただければと思い,そのきっかけになるように書き入れました.今回,医学的・専門的な内容だけでなく,初版でも取り入れていたより臨床現場で役立つような情報も加筆修正しています.これらが,まず周産期メンタルヘルスに興味をもったり,日々の日常業務で役立ってくれることを祈っております.
 今回の改訂版の出版にあたり,協力していただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げます.

2024年3月
宗田 聡
目次
Ⅰ総 論 周産期メンタルヘルスとは
 周産期をとりまく大きな変化
 精神疾患合併妊娠が増えている!?
  ●「4大疾病」から「5大疾病」へ
  ●女性は男性の1.6倍!
 周産期メンタルヘルスの流れ
  ●女性のライフスタイルの変化
  ●メンタルヘルスに問題をもつ女性が増加
  ●周産期メンタルヘルスの誕生
 周産期のメンタルヘルスの重要性
  ●妊産婦死亡率と周産期死亡率は世界トップレベルだが?
  ●増え続けている虐待と産後ケア
 ハイリスク妊婦の抱える問題
  ●精神科と心療内科─どう違うの?
  ●精神科は敷居が高い!?
  ●今後の課題
 Column 「産後うつ」だけでいいのか?

Ⅱ各 論 周産期における精神疾患
   ・メンタルヘルスの分類に大きな変化
   ・女性は男性の2倍もかかりやすい
 マタニティブルー
   ・産後すぐ,一過性のもの!
 周産期うつ
  ●妊娠うつ
   ・8〜12人に1人が経験
   ・早期に発見するのはむずかしい…
  ●産後うつ
   ・10人に1人が産後うつに
   ・どんな症状?
   ・どんな人がなりやすい?
   ・スクリーニングで絞り込む
   ・早期発見と治療やサポートが大切
   ・産後うつとボンディング障害
   ・どんな治療が行われるの?
   ・さまざまなサポートの形
   ・動き出した社会的な取り組み
   ・日本周産期メンタルヘルス学会とは
 双極性障害(双極症)
   ・躁状態とうつ状態の2つの顔
   ・どんな症状?
   ・治療について
 不安障害
   ・女性に多く,年々増えている!?
   ・治療について
 統合失調症
   ・100人に1人がかかる身近な病気
   ・陽性症状と陰性症状
   ・治療について
 産褥精神病
   ・重症でまれな疾患
   ・どんな症状?
   ・治療について
 Column 薬は止める? 続ける?

Ⅲ応 用 早期発見と診断のために
 いつから対応する?
  ●妊娠を考えるまで
   ・妊活中
   ・妊娠初期
   ・妊娠中
   ・産 後
   ・育児中
 どうやってスクリーニングするか?
 チェックリストの利用
 エジンバラ産後うつ病問診票(EPDS)の基本知識
 スクリーニング陽性だったときは?
 構造化面接(SCID)とは?
 Column 芸能人は「健康」が命?

Ⅳ情報と知識 周産期メンタルヘルスにおける連携
 いつ,どこで,誰が,何を?
  ●いつ,どこで?
  ●誰が,何を?
 本人と家族・友人知人
 行政とのかかわり
 社会の中の動き
  ●カイロプラクティック
  ●漢方・鍼灸
  ●陣痛タクシー
  ●増えている産後の母親へのサービス
 Column イクメンも産後うつに!?

Ⅴ最新情報 民間のさまざまな試み
 Column 日中韓の床上げ1ヵ月事情

資 料
 エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)
  ・EPDSってなに?
  ・EPDSの使い方
  ・使うにあたっての注意点
 Whooleyの2質問法
 PHQ-2・PHQ-9
 育児支援チェックリスト
 赤ちゃんへの気持ち質問票(ボンディング)
 Column EPDSは万能?
 
参考図書
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