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カテゴリー: 小児科学

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小児の薬の選び方・使い方

小児科専門医の手の内を公開!

改訂5版

横浜市立大学 名誉教授 横田俊平 編
たはらクリニック 院長 田原卓浩 編
福井県済生会病院 顧問 加藤英治 編
国立国際医療研究センター 井上信明 編

定価

5,940(本体 5,400円 +税10%)


  • B5判  402頁
  • 2020年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-28445-9

「小児の薬」の決定版!

小児の日常診療で頻繁に遭遇する26症状・49疾患について,薬を選び使うまでのステップを経験豊かな小児科専門医がその手の内を公開.いつ何をどう使えばよいか使うべきでないか,わかりやすく解説.改訂5版は新規項目の追加でさらに内容充実,薬用量の表や処方例も最新動向に沿ってアップデート.小児を診るすべての医師,研修医,薬剤師必携.

  • 序文
  • 目次
序文
 本書の初版が出版されて約17年が経ちました.幸いにして本書は臨床の場で歓迎され,版を重ねて参りました.他科,他分野の方々からも本書について,また内容についてさまざまな御質問や御示唆をお受けする機会が増え,今回でいよいよ改訂5版となりました.
 ところで,幼稚園や保育所の園長さんや学校の先生方とお話しをする機会がありますが,最近の10年ほど,世情と子どもの様子がずいぶん変化してきていることがしばしば大きな話題になります.また,臨床の現場でも,本書でも取り上げている起立性調節障害のほかに,登校障害,若年性線維筋痛症,脳脊髄液漏出症,慢性疲労症候群などと診断される子どもたちが増加しています.子どもの身体の問題と精神的な問題,その複合的な問題,同時に母親と家族の問題,学校と社会の問題など,さまざまな問題が子どもの身に降りかかり,成長・発達に大きな影響を及ぼしている可能性を指摘できます.
 医学的には自律神経の機能的変化,内分泌系の変調などが疑われ,これまでは“不定愁訴”,“こころの問題”などと一括されてきた病態も,五感からの感覚入力の変調,それを受け取る視床下部の機能変化,投射される大脳辺縁系,前頭前野の変化など,また,大脳から視床下部を通過して出力される情報も変化せざるをえず,その中で,基礎医学では自律神経系と内分泌系の他に,全身の恒常性を維持する新たなシステムの発見が行われ,さまざまな研究が進められているのが現状だと思います.
 臨床医の役割は,目の前に現れた子どもたちからいかに多くの情報を得て診断・治療につなげていくかにあります.その中には,これまで私たちが経験したことのない愁訴が言葉を紡ぎながら語られることもしばしばあります.身体所見にも,その愁訴に一致した病変が実際にからだの中に生じて現れてきており,このような子どもたちの問題を“こころの問題”として切って捨てる医療は小児医療とはかけ離れたところにあるものと思われます.また,小児医療のみならず,子どもの成長・発達に重要な場である学校の先生方や,行政の福祉分野の方々との密接な情報の交換,すなわち医療・教育・福祉の一体的な活動は,今後の小児医療にとっては必須の条件になるだろうと思います.
 本書は真摯に小児医療に取り組み,子どもの微細な徴候をも見落とさないように,日々臨床の現場で活躍されている小児科医の知恵の結晶が核となり成り立っています.これまでと同様に,小児科医を目指す学生,若手の小児科医・研修医,子どもを診る機会のある多くの医師,医療スタッフには本書が大いに役立ってほしいと思うと同時に,これからの子どもたちに寄り添った医療はどのようにすれば実現できるかを皆様と一緒に考えていきたいと思います.

2020年3月
編集者代表
横田俊平
目次
総 論
はじめに 子どもと薬
1 小児の処方の心構え
2 小児の処方箋の書き方
3 小児の薬のいろいろな形
4 上手に飲ませるための工夫
5 薬の特性と相互作用
6 薬のトラブルを防ぐために

各 論I 小児プライマリ・ケアのコアとなる薬の選び方・使い方
1 外来で小児に使う抗菌薬
2 抗ヒスタミン薬の使い方
3 鎮咳去痰薬の使い方
4 解熱・鎮痛薬の使い方
5 小児の輸液の基本6 小児の経口補液療法

各 論II よくみる症状と薬の選び方・使い方
1 けいれん
2 黄疸
3 貧血
4 紫斑,出血傾向
5 頭が痛い
6 耳が痛い
7 のど・口の中が痛い
8 胸が痛い
9 おなかが痛い
10 手足が痛い
11 痒み(そう痒)
12 鼻水,鼻づまり
13 鼻出血
14 かすれ声(嗄声)
15 喘鳴,呼吸困難
16 嘔吐
17 下痢
18 血便
19 便秘
20 頻尿,排尿痛
21 夜尿
22 血尿,蛋白尿
23 糖尿
24 むくみ(浮腫)
25 肥満
26 リンパ節腫脹

各 論III よくみる疾患と薬の選び方・使い方
感染症疫学情報の入手方法
1 かぜ症候群
2 急性扁桃炎
3 インフルエンザ
4 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
5 水痘
6 麻疹
7 風疹
8 伝染性紅斑
9 突発性発疹
10 手足口病
11 ヘルパンギーナ
12 ヘルペス性歯肉口内炎
13 アデノウイルス咽頭炎・咽頭結膜
14 溶連菌性咽頭炎
15 百日咳
16 てんかん
17 クループ
18 気管支炎,肺炎
19 急性細気管支炎
20 気管支喘息
21 喘息性気管支炎
22 感染性胃腸炎
23 鵞口瘡
24 蟯虫症
25 尿路感染症
26 亀頭包皮炎
27 外陰腟炎
28 結膜炎
29 麦粒腫,霰粒腫
30 急性中耳炎
31 外耳道炎
32 アレルギー性鼻炎
33 鼻・副鼻腔
34 アトピー性皮膚炎
35 乳児湿疹,乳児脂漏性湿疹
36 おむつかぶれ
37 接触皮膚炎
38 じんましん
39 伝染性膿痂疹(とびひ)
40 伝染性軟属腫(水いぼ)
41 シラミ(アタマジラミ)
42 虫さされ
43 ペットによる咬傷
44 やけど,日焼け
45 しもやけ
46 にきび(ざ瘡)
47 周期性嘔吐症(自家中毒)
48 乗物酔い
49 起立性調節障害

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