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カテゴリー: 小児科学

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小児・思春期の頭痛の診かた

これならできる!頭痛専門小児科医のアプローチ

改訂2版

筑波学園病院 小児科/
東京クリニック 小児・思春期頭痛外来 藤田光江 監修
東京都済生会中央病院 小児科 部長 荒木 清 編集
広島市立広島市民病院 小児科 部長 桑原健太郎 編集

定価

3,300(本体 3,000円 +税10%)


  • A5判  271頁
  • 2022年2月 発行
  • ISBN 978-4-525-28282-0

子どもの頭痛,小児科医はこう診る!
改訂2版は頭痛の診療ガイドライン2021に準拠

小児・思春期の頭痛診療を「難しい」と感じている医師に向けて,問診,診断,治療,患児や保護者への指導,経過観察などにおいて,頭痛専門小児科医が日々実践しているさまざまな工夫やアプローチ方法をわかりやすく紹介.「これなら自分にもできる!」と頭痛診療に対するハードルをなくして一定レベル以上の診療が実践できるようになる1冊.改訂2版では,頭痛の診療ガイドライン2021に準拠した内容にアップデート,さらに「不登校・不規則登校を伴う頭痛」など,とくに苦慮する頭痛への対応のしかたも新たに詳しく解説した.

  • 序文
  • 目次
序文
 本書の初版は2018年4月に発刊され,現在まで約4年弱の月日が経過した.この間,頭痛関連分野の研究,診療は着々と進歩を遂げている.初版の序文にも記した頭痛診療(診断・治療)の基本ともいえる国際頭痛分類は,初版時の「国際頭痛分類 第3版beta版」から「国際頭痛分類 第3版」に,「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」は「頭痛の診療ガイドライン2021」に改訂,出版された.
 頭痛の診療ガイドライン2021では,わが国でも2021年から使用可能となったCGRP(calcitonin gene-related peptide)関連薬剤である抗CGRP抗体,抗CGRP受容体抗体の片頭痛予防薬としての有効性が記載され,また新たに二次性頭痛の項目が加えられたことが特徴である.小児・思春期の頭痛の章もCQ(Clinical Question)が増え,小児・思春期の片頭痛非薬物療法,片頭痛に関連する周期性症候群,不登校・不規則登校を伴う頭痛の項が追加され,片頭痛の予防薬の選択に関しても新たに再検討された.
 これらの頭痛診療を取り巻く情勢の変化を取り入れ,本書も改訂が必須となり,今回の改訂2版の発刊となった.CGRP関連薬剤などの新たな治療が,直ちに小児・思春期患児に適応されるわけではないが,改訂2版では初版の内容を踏襲しつつ,国際頭痛分類 第3版および頭痛の診療ガイドライン2021を基本とし,新たに「不登校・不規則登校を伴う頭痛の治療」,「神経発達症(発達障害)に伴う頭痛の治療」の項も追加し,より小児・思春期頭痛診療の実践に適した充実した内容になったと自負している.
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるコロナ禍(下)3年目の現在,われわれ小児科の一般日常診療は激変した.感染症の減少と裏腹に,精神面での不調や昼夜逆転,不登校の児童は増加し,頭痛(片頭痛,緊張型頭痛とも)を訴える患児も増加(顕性化)した印象が強い.小児科医の皆様,脳神経内科・脳神経外科の頭痛専門医の先生方にも,小児・思春期の頭痛診療への応援・参画を是非お願いしたいと思う.本書が皆様の日常の頭痛診療に何らかの参考になれば幸いである.

2022年1月
荒木 清 
桑原健太郎 
目次
第1章 小児・思春期の頭痛の特徴
1.知っておきたい小児・思春期の頭痛の種類
2.小児・思春期の頭痛の有病率
3.小児・思春期の頭痛の症状,誘因,共存症
4.頭痛が起きるメカニズム

第2章 小児・思春期の頭痛の診断
1.診断の基本的な考え方
2.問 診
 1)問診票の作成と活用のすすめ
 2)上手くいく問診のしかた
3.頭痛ダイアリーの活用のしかた
4.頭痛関連の検査―どのような頭痛に検査が必要となるのか?

第3章 小児・思春期の頭痛の治療
1.治療の基本的な考え方
2.非薬物療法の基本
3.薬物療法の基本
4.片頭痛の治療
5.緊張型頭痛の治療
6.慢性連日性頭痛の治療
7.不登校・不規則登校を伴う頭痛の治療
8.周期性嘔吐症候群,腹部片頭痛の治療
9.起立性調節障害(OD)に伴う頭痛の治療
10.神経発達症(発達障害)に伴う頭痛の治療
11.耳鼻科領域の頭痛の治療
12.漢方薬による治療─片頭痛,緊張型頭痛および共存・合併疾患の治療
13.片頭痛とてんかんの関連

症 例
・14歳7ヵ月女子―視野障害を強く訴えた片頭痛の例
・11歳男児―連日のように頭痛を訴える例
・12歳(小学6年)男児―予防薬が効きにくい前兆のない片頭痛の例
・15歳(中学3年)男子―予防薬開始から発作軽減がダイアリーで確認できた前兆のない片頭痛の例
・12歳(中学1年)男児―心理社会的要因関与の慢性緊張型頭痛の例
・11歳女児―鼻副鼻腔炎(鼻炎+副鼻腔炎)の例
・9歳男児―脳腫瘍の例
・15歳女子―くも膜下出血の例
・7歳男児―脳動静脈奇形の例
・3歳女児―もやもや病の例
・14歳男子―慢性連日性頭痛,登校不可,昼夜逆転の例
・12歳女児―前兆のある片頭痛の例
・14歳女子―前兆のない片頭痛,月経関連片頭痛の例
・10歳男児―前兆のない片頭痛の例
・7歳男児―慢性片頭痛,自閉スペクトラム症の例
・15歳(中学3年)女子―頻発反復性緊張型頭痛の例
・15歳女子―増加した前兆のない片頭痛+慢性緊張型頭痛+登校不可の例
・14歳(中学2年)女子―月経関連片頭痛の共存が明らかになった慢性連日性頭痛の例
・10歳(小学4年)男児―連日性頭痛となり登校しなくなった例
・15歳(中学3年)女子―身体症状症,適応障害が考えられた慢性連日性頭痛の例
・15歳7ヵ月女子―周期性嘔吐症候群の例
・3歳5ヵ月女児―腹部片頭痛の例
・16歳女子―生活指導と支持的面接が有効であったODに伴う頭痛の例
・13歳男子―前兆のない片頭痛にODが共存していた例
・10歳9ヵ月男児―広汎性発達障害の患児が慢性連日性頭痛となった例
・8歳男児―鼻副鼻腔炎による頭痛と片頭痛との鑑別が問題となった例
・12歳男児―五苓散が予防療法に有効であった片頭痛の例
・12歳女児―苓桂朮甘湯が有効であった体位性頻脈症候群の例
・9歳(小学3年)女児―てんかん性放電を伴う前兆のない片頭痛の例
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