心不全のくすり超入門 なんで?をなるほど!に変える本
1版
長崎大学病院脳卒中・心臓病等総合支援センター 教授 池田聡司 監修
長崎大学病院薬剤部 坂元利彰 著
定価
3,300円(本体 3,000円 +税10%)
- A5判 170頁
- 2026年4月 発行
- ISBN 978-4-525-26611-0
これから心不全の薬物治療を学ぶ人に向けた,異色の入門書
「心不全の治療薬,正直ニガテ……」そう思ったことがある人は少なくないはず.
自らもニガテのハードルを乗り越えた著者による,心不全の治療が苦手な人に向けた,泣いて笑って(!?)すいすい読める心不全の入門書ができました.
この本では,種類が多くて覚えきれない心不全の薬を「原疾患を治す薬」「症状を改善する薬」「心臓を守る薬」の3つに分けて整理します.薬理作用やEBMなどの細かい話は最小限に,まずはざっくりと全体像をつかむことを大切にしています.読了後に処方を見たら, きっと「あっ!これ超入門でやったところだ!」と思うはず.
薬剤師,看護師,心不全療養指導士を目指す人の,最初の1冊におすすめです.
- 監修のことば
- はじめに
- 目次
- 書評
- 書評
監修のことば
「実に面白い!」――長崎出身の福山雅治さん演じる“ガリレオの湯川先生”さながらに,本書を監修して最初に抱いた思いです.西洋医学発祥の地・長崎から本書をお届けできることをたいへん嬉しく思います.
本書の最大の特徴は,心不全治療薬をできるだけわかりやすく,親しみやすい言葉で解説している点にあります.医学書はどうしても堅苦しく,最初の1ページを開くだけでも構えてしまいがちです.難解な専門用語が続き,読む前に疲れてしまう方も多いでしょう.そんななか本書では,「取っつきやすさ」と「理解のしやすさ」を最優先にし,内容もあえてコンパクトにまとめています.コーヒーを片手に気軽に読み始められる,そんな一冊を目指しました.著者は大学病院で多忙な日々を送りながらも,実臨床の視点を生かして丁寧に執筆しています.
一方,日本では急速な高齢化に伴い心不全が増加し,「心不全パンデミック」ともよばれる状況にあります.2030年には患者数が130万人に達すると予測され,地域医療では多職種が協働して患者を支える体制が不可欠となっています.看護師や薬剤師をはじめとするコメディカルもその重要な役割を担う存在であり,第5章では多職種連携のポイントについても紹介しています.著者は「心不全療養指導士」としての専門性を有し,複雑な内容をあえてやさしく紐解いています.
現象に理由があるように,薬の効果にも“面白い理由”があります.ぜひ本書のページを開き,その奥深い世界に触れていただければ幸いです.
2026年2月
池田聡司
本書の最大の特徴は,心不全治療薬をできるだけわかりやすく,親しみやすい言葉で解説している点にあります.医学書はどうしても堅苦しく,最初の1ページを開くだけでも構えてしまいがちです.難解な専門用語が続き,読む前に疲れてしまう方も多いでしょう.そんななか本書では,「取っつきやすさ」と「理解のしやすさ」を最優先にし,内容もあえてコンパクトにまとめています.コーヒーを片手に気軽に読み始められる,そんな一冊を目指しました.著者は大学病院で多忙な日々を送りながらも,実臨床の視点を生かして丁寧に執筆しています.
一方,日本では急速な高齢化に伴い心不全が増加し,「心不全パンデミック」ともよばれる状況にあります.2030年には患者数が130万人に達すると予測され,地域医療では多職種が協働して患者を支える体制が不可欠となっています.看護師や薬剤師をはじめとするコメディカルもその重要な役割を担う存在であり,第5章では多職種連携のポイントについても紹介しています.著者は「心不全療養指導士」としての専門性を有し,複雑な内容をあえてやさしく紐解いています.
現象に理由があるように,薬の効果にも“面白い理由”があります.ぜひ本書のページを開き,その奥深い世界に触れていただければ幸いです.
2026年2月
池田聡司
はじめに
私は超入門塾長,モトサカ・ナンブツであーる!!
……と,いきなり某国民的アニメ(隣に住む小説家のI 坂先生の下の名前は難物といいます)のパロディで始まりましたが,この本はとことん“ライト”な一冊であーる.本書を執筆したきっかけは,ある学会会場で南山堂の編集者さん(仮にノリスケくんとします)と初めてお会いしたときでした.「若手の薬剤師さんが手に取ってくれる本って,どんなテーマがいいですか?」と聞かれ,ネットで何でも調べられる時代に難しい本は読まれにくいよね,特に循環器はハードル高いよね,なんて話をしたのを覚えています.
私は脳卒中・心臓病等総合支援センターに所属し,他職種の教育にも関わっています.そんななか,市の薬剤師会の勉強会で「心不全・不整脈」をテーマに講師を務めました.タイトルは『【今更聞けない?】さかもつ式 臨床薬理講座【そう言わずに聞いておくれ】』.これが思いのほか“バズり”ました.
気をよくした私は,循環器の薬をかみ砕いて説明する本にはきっと需要があるはず,と勢いでノリスケくんに企画を投げました.すると,まさかの採用.まあ,半年もあれば余裕でしょ,と高をくくったのは完全に素人の見込みの甘さ.進まない筆,迫る締切,量産されるボツ.学会を理由に逃げるモトサカ先生.会場で「原稿お待ちしてますよ」と声をかけてくるノリスケ編集.……しまった.完全に居場所がバレている.
それでも池田センター長,絵師さん,編集者の力を借り,当初の見込みの何倍もの時間をかけてこの本が完成しました.本書は,完璧を目指す本ではありません.肩の力を抜いて,さらさらっと読んでください.今さら聞けない「なんで?」が一つでも「なるほど!」に変われば,塾長としてこれ以上,嬉しいことはありません.
2026年2月
坂元利彰
……と,いきなり某国民的アニメ(隣に住む小説家のI 坂先生の下の名前は難物といいます)のパロディで始まりましたが,この本はとことん“ライト”な一冊であーる.本書を執筆したきっかけは,ある学会会場で南山堂の編集者さん(仮にノリスケくんとします)と初めてお会いしたときでした.「若手の薬剤師さんが手に取ってくれる本って,どんなテーマがいいですか?」と聞かれ,ネットで何でも調べられる時代に難しい本は読まれにくいよね,特に循環器はハードル高いよね,なんて話をしたのを覚えています.
私は脳卒中・心臓病等総合支援センターに所属し,他職種の教育にも関わっています.そんななか,市の薬剤師会の勉強会で「心不全・不整脈」をテーマに講師を務めました.タイトルは『【今更聞けない?】さかもつ式 臨床薬理講座【そう言わずに聞いておくれ】』.これが思いのほか“バズり”ました.
気をよくした私は,循環器の薬をかみ砕いて説明する本にはきっと需要があるはず,と勢いでノリスケくんに企画を投げました.すると,まさかの採用.まあ,半年もあれば余裕でしょ,と高をくくったのは完全に素人の見込みの甘さ.進まない筆,迫る締切,量産されるボツ.学会を理由に逃げるモトサカ先生.会場で「原稿お待ちしてますよ」と声をかけてくるノリスケ編集.……しまった.完全に居場所がバレている.
それでも池田センター長,絵師さん,編集者の力を借り,当初の見込みの何倍もの時間をかけてこの本が完成しました.本書は,完璧を目指す本ではありません.肩の力を抜いて,さらさらっと読んでください.今さら聞けない「なんで?」が一つでも「なるほど!」に変われば,塾長としてこれ以上,嬉しいことはありません.
2026年2月
坂元利彰
目次
1章 心不全の病態からみた治療薬
1 心不全の薬―ハードル高すぎ問題
2 心不全の病態―何がどうなって心不全
3 心不全の分類―左と右
4 心不全の見分け方―warm? cold? wet? dry?
5 心不全のその後―心筋リモデリング
6 心不全の薬―3種の心器の組み合わせ
2章 原疾患を治療する薬
1 心不全の原疾患―心不全の原因となる病気をどう抑えるか?
2 降圧薬
3 血糖降下薬
4 脂質異常症改善薬
5 抗血栓薬
6 冠動脈拡張薬
7 抗不整脈薬
8 心アミロイドーシス治療薬
3章 症状を改善する薬
1 相反する心不全のくすり―心不全の薬ってなんでこんなにバラバラなの?
2 虚血の治療薬 輸液―Naを制するものが水を制す
3 虚血の治療薬 強心薬―心臓に“ムチ”打ってポンプ力を上げる
4 浮腫の治療薬 利尿薬―水を“ 引く”けど,引きすぎにも注意
4章 心臓を守る薬
1 心保護のニューヒーロー―Fantastic 4登場
2 心臓縛りて守る盾―矛盾を抱えたガーディアン β遮断薬
3 最弱スタートの最強型―進化続ける圧の統制者 RAS 阻害薬
4 高なるKと希望の狭間―水を操る影の忍 MRA
5 異世界転生の救世主―心腎防衛の切り札 SGLT2阻害薬
6 サブの心保護薬たち
7 結局どれを使うのか?―あこがれの大盛り全部乗せマシマシラーメン
5章 心にすべてを
1 総まとめ―心不全治療の全体像を俯瞰する
2 心不全ステージと薬物療法のステップアップ
3 心不全と薬学的管理―ADMEと薬物相互作用
4 心不全と心臓リハビリテーション
5 多職種連携と療養指導士
6 地域連携―切れ目のないケアで患者さんを支える
7 患者指導の極意―患者さんの「心」に語りかけよう!
8 おわりに―心不全とともに生きる
column 1 Nohria-Stevenson分類
column 2 ライトなガイドライン
column 3 CYPとグレープフルーツジュース
column 4 低血糖の“はっひ ふっへ ほ~”
column 5 プラセボ効果とノセボ効果
column 6 分けるって大事
column 7 My name is……
column 8 中二病万歳
column 9 糖尿病の薬とアシドーシス
column 10 I have an apple.
column 11 コンプライアンスとアドヒアランス
1 心不全の薬―ハードル高すぎ問題
2 心不全の病態―何がどうなって心不全
3 心不全の分類―左と右
4 心不全の見分け方―warm? cold? wet? dry?
5 心不全のその後―心筋リモデリング
6 心不全の薬―3種の心器の組み合わせ
2章 原疾患を治療する薬
1 心不全の原疾患―心不全の原因となる病気をどう抑えるか?
2 降圧薬
3 血糖降下薬
4 脂質異常症改善薬
5 抗血栓薬
6 冠動脈拡張薬
7 抗不整脈薬
8 心アミロイドーシス治療薬
3章 症状を改善する薬
1 相反する心不全のくすり―心不全の薬ってなんでこんなにバラバラなの?
2 虚血の治療薬 輸液―Naを制するものが水を制す
3 虚血の治療薬 強心薬―心臓に“ムチ”打ってポンプ力を上げる
4 浮腫の治療薬 利尿薬―水を“ 引く”けど,引きすぎにも注意
4章 心臓を守る薬
1 心保護のニューヒーロー―Fantastic 4登場
2 心臓縛りて守る盾―矛盾を抱えたガーディアン β遮断薬
3 最弱スタートの最強型―進化続ける圧の統制者 RAS 阻害薬
4 高なるKと希望の狭間―水を操る影の忍 MRA
5 異世界転生の救世主―心腎防衛の切り札 SGLT2阻害薬
6 サブの心保護薬たち
7 結局どれを使うのか?―あこがれの大盛り全部乗せマシマシラーメン
5章 心にすべてを
1 総まとめ―心不全治療の全体像を俯瞰する
2 心不全ステージと薬物療法のステップアップ
3 心不全と薬学的管理―ADMEと薬物相互作用
4 心不全と心臓リハビリテーション
5 多職種連携と療養指導士
6 地域連携―切れ目のないケアで患者さんを支える
7 患者指導の極意―患者さんの「心」に語りかけよう!
8 おわりに―心不全とともに生きる
column 1 Nohria-Stevenson分類
column 2 ライトなガイドライン
column 3 CYPとグレープフルーツジュース
column 4 低血糖の“はっひ ふっへ ほ~”
column 5 プラセボ効果とノセボ効果
column 6 分けるって大事
column 7 My name is……
column 8 中二病万歳
column 9 糖尿病の薬とアシドーシス
column 10 I have an apple.
column 11 コンプライアンスとアドヒアランス
書評
われらのサカモツが本を出したんだって!?
本書『心不全のくすり 超入門なんで?をなるほど!に変える本』は,われわれが大好きな“サカモツ”こと坂元先生による待望の一冊である.長崎市薬剤師会の研修会でも大人気の講義そのままに,難解になりがちな心不全治療を臨床現場の視点で平易に,かつ的確に解きほぐしている.コーヒーを片手に気軽に読み進められる一方,気がつけば深く引き込まれている構成も見事で,随所に配された珠玉のコラムが理解をいっそう深めてくれる.多職種連携の重要性にも丁寧に触れられており,日常業務への示唆に富む内容である.
私自身,薬局実務実習では「最新のエビデンスと最高の倫理観,そして少しのユーモア」を心掛けているが,本書はその“少し”を心地よく超えるユーモア(刺さるかどうかは別として)に満ち,学びの敷居を軽やかに下げてくれる.それでいて本質を外さない内容は,まさに“超入門”として理想的である.
読後には,人に勧めることはもちろん,思わず“サカモツ”を研修会に招きたくなるだろう.ぜひ本書を教科書に,全国での講演の機会がさらに広がることを期待したい.
一般社団法人 長崎市薬剤師会 会長
上田展也
本書『心不全のくすり 超入門なんで?をなるほど!に変える本』は,われわれが大好きな“サカモツ”こと坂元先生による待望の一冊である.長崎市薬剤師会の研修会でも大人気の講義そのままに,難解になりがちな心不全治療を臨床現場の視点で平易に,かつ的確に解きほぐしている.コーヒーを片手に気軽に読み進められる一方,気がつけば深く引き込まれている構成も見事で,随所に配された珠玉のコラムが理解をいっそう深めてくれる.多職種連携の重要性にも丁寧に触れられており,日常業務への示唆に富む内容である.
私自身,薬局実務実習では「最新のエビデンスと最高の倫理観,そして少しのユーモア」を心掛けているが,本書はその“少し”を心地よく超えるユーモア(刺さるかどうかは別として)に満ち,学びの敷居を軽やかに下げてくれる.それでいて本質を外さない内容は,まさに“超入門”として理想的である.
読後には,人に勧めることはもちろん,思わず“サカモツ”を研修会に招きたくなるだろう.ぜひ本書を教科書に,全国での講演の機会がさらに広がることを期待したい.
一般社団法人 長崎市薬剤師会 会長
上田展也
書評
薬剤への苦手意識が「わかる!」にかわる一冊
病棟で「心不全の患者さんが再入院です」と聞くと,複雑な病態や多岐にわたる薬剤を前に,少し身構えてしまうことはないだろうか.刻々と変化する病態,検査値,バイタルサイン.そして数多くの薬剤…….「どの薬が何の目的で?」と一つひとつを理解するだけでも一苦労である.
本書は,そのような薬剤への苦手意識を解消してくれる心強い味方である.特徴は,心不全の病態生理から丁寧に解説したうえで,多岐にわたる心不全治療薬を以下の3 つの目的に沿って分類している点にある.「原疾患を治療する薬」「症状を改善する薬」「心臓を守る薬」この構成により,一つひとつの薬の役割が明確になり,複雑にみえた知識が驚くほど自然に整理されていく.各項目は要点がコンパクトにまとめられており,「そういうことだったのか!」と腑に落ちる瞬間が何度も訪れるだろう.
そして本書の最大の魅力は,その徹底した読者目線である.第1 章の「心不全の病態からみた治療薬」の冒頭で「心不全の薬─ハードル高すぎ問題」を取り上げ,私たちが感じる「ハードルが高い!」という心の叫びを代弁してくれることで,読者の気持ちを軽くしてくれる.そして「あなたの気持ち,わかりますよ」という温かいメッセージが,学びへの心理的な壁をそっと取り払い,「一緒に心不全の患者さんをみていきましょう.薬についても一緒に考えていきましょう」という本書全体から伝わる著者の真摯な思いが,心不全治療への新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれる.
学びは薬剤の知識にとどまらない.最終章「心にすべてを」とのタイトルどおり,心不全治療の全体像の俯瞰から始まり,心臓リハビリテーション,そして患者さんの「心」に語りかける患者指導の極意まで,心不全ケアの全体を俯瞰できる構成になっている.本書を読み進めていくうちに,点と点だった知識が確かな線で結ばれ,目の前の患者さんに必要な支援が具体的にイメージできるようになっているはずである.かつては苦手だった「心不全の患者さんが再入院です」という言葉に,今度は自信と使命感をもって向き合える自分に気づくことであろう.
心不全治療の第一歩を踏み出す若手の方はもちろん,苦手意識を克服したい方,知識を体系的に整理し直したいと考えるすべての方に,ぜひ手に取っていただきたい価値ある一冊である.
小倉記念病院 薬剤部 部長 町田 聖治
病棟で「心不全の患者さんが再入院です」と聞くと,複雑な病態や多岐にわたる薬剤を前に,少し身構えてしまうことはないだろうか.刻々と変化する病態,検査値,バイタルサイン.そして数多くの薬剤…….「どの薬が何の目的で?」と一つひとつを理解するだけでも一苦労である.
本書は,そのような薬剤への苦手意識を解消してくれる心強い味方である.特徴は,心不全の病態生理から丁寧に解説したうえで,多岐にわたる心不全治療薬を以下の3 つの目的に沿って分類している点にある.「原疾患を治療する薬」「症状を改善する薬」「心臓を守る薬」この構成により,一つひとつの薬の役割が明確になり,複雑にみえた知識が驚くほど自然に整理されていく.各項目は要点がコンパクトにまとめられており,「そういうことだったのか!」と腑に落ちる瞬間が何度も訪れるだろう.
そして本書の最大の魅力は,その徹底した読者目線である.第1 章の「心不全の病態からみた治療薬」の冒頭で「心不全の薬─ハードル高すぎ問題」を取り上げ,私たちが感じる「ハードルが高い!」という心の叫びを代弁してくれることで,読者の気持ちを軽くしてくれる.そして「あなたの気持ち,わかりますよ」という温かいメッセージが,学びへの心理的な壁をそっと取り払い,「一緒に心不全の患者さんをみていきましょう.薬についても一緒に考えていきましょう」という本書全体から伝わる著者の真摯な思いが,心不全治療への新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれる.
学びは薬剤の知識にとどまらない.最終章「心にすべてを」とのタイトルどおり,心不全治療の全体像の俯瞰から始まり,心臓リハビリテーション,そして患者さんの「心」に語りかける患者指導の極意まで,心不全ケアの全体を俯瞰できる構成になっている.本書を読み進めていくうちに,点と点だった知識が確かな線で結ばれ,目の前の患者さんに必要な支援が具体的にイメージできるようになっているはずである.かつては苦手だった「心不全の患者さんが再入院です」という言葉に,今度は自信と使命感をもって向き合える自分に気づくことであろう.
心不全治療の第一歩を踏み出す若手の方はもちろん,苦手意識を克服したい方,知識を体系的に整理し直したいと考えるすべての方に,ぜひ手に取っていただきたい価値ある一冊である.
小倉記念病院 薬剤部 部長 町田 聖治