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カテゴリー: 呼吸器学  |  検査・診断学

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凍結肺生検(クライオバイオプシー)

基本手技から応用まで

1版

弘前大学大学院医学研究科 呼吸器内科学講座 田坂定智 編

定価

6,600(本体 6,000円 +税10%)


  • B5判  99頁
  • 2026年6月 発行
  • ISBN 978-4-525-26201-3

呼吸器内科に必須の新技術,クライオバイオプシー.その初めての解説書!

クライオバイオプシーはまったく新しい肺生検技術である.従来の鉗子生検より大きな組織が得られる一方で,出血や気胸のリスクも高まる.工夫や応用についての議論が盛んなホットトピックとなっている.
全国の呼吸器内科施設で急速に導入が進むクライオバイオプシーについて,本邦初の解説書.

  • 序文
  • 目次
序文
 経気管支クライオバイオプシーは,呼吸器疾患の診断において革新的な進歩をもたらしたと言っても過言ではありません.従来の経気管支生検では採取困難であった組織を,より大きく,かつ構造を保った状態で取得することを可能にし,びまん性肺疾患や末梢型肺腫瘍の診断精度を飛躍的に向上させました.本邦においても,この手技は急速に普及し,今や呼吸器内視鏡診療における indispensable なツールとしての地位を確立しています.
 ただ,その有効性が広く認知される一方で,クライオバイオプシーには特有の合併症リスクが存在することもまた事実です.気胸や出血への対応,適切なクライオプローブの選択,凍結時間の設定,クライオプローブの留置位置など,手技の成否を分けるポイントは多岐にわたります.これらを体系的に学ぶことができる教科書がなかったことを踏まえ,経気管支クライオバイオプシーに取り組むすべての医師——これから手技を学ぼうとする若手呼吸器内視鏡医から,さらなるスキルアップを目指す中堅医師,そして指導的立場にある専門医まで——を対象として本書を企画しました.
 基礎的な手技の解説にとどまらず,適応となる疾患ごとのコツ,合併症の予防と対処法,病理診断における注意点など多角的かつ実践的な内容が網羅されるようにしました.各章は,本手技に精通する第一線の先生方によって,エビデンスと豊富な臨床経験に基づき執筆されています.特に,実際の手技写真やイラストを多く用いることで,読者が実際の手技をイメージしながら学べるよう工夫しました.
 経気管支クライオバイオプシーは,けっして容易な手技ではありません.習得には慎重なステップアップと,指導者による適切なメンタリングが求められます.しかし,その習得の先には,患者さん一人ひとりにより正確な診断を届けられるという,呼吸器医としての大きな喜びが待っています.本書が,読者の皆様の安全で確実な手技習熟の道標となり,ひいては本邦における呼吸器診療の質の向上に微力ながら貢献できることを願ってやみません.
 最後に,本書の企画から刊行に至るまで,多大なるご尽力を賜った南山堂の皆様,多忙な診療の合間を縫って執筆にご協力いただいた先生方に,深甚なる感謝の意を表します.

令和8年 5月
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
田坂 定智
目次
第I部 総論 原理,手技,合併症などの基本情報

第1章 対象疾患
1)中枢気道病 丹羽崇
 はじめに
 中枢病変に対するクライオプローブ使用の利点
 施術手順とピットフォール
 想定される合併症
  出血
  穿孔
 治療への応用
 おわりに
2)末梢肺病変 笹田真滋
 孤立性肺病変における従来の気管支鏡診断とクライオバイオプシー
 感染症におけるクライオバイオプシー
 器質化・肉芽腫性病変におけるクライオバイオプシー
 肺移植後の拒絶反応診断におけるクライオバイオプシー
 1.1mmクライオプローブの活用
 おわりに
3) びまん性肺疾患 富貴原淳
 びまん性肺疾患の鑑別診断と肺生検
 TBLCとSLBの位置付け
 びまん性肺疾患に対するTBLCの流れ
  準備
  検査の進め方
 合併症と対策
  気胸
  出血
 おわりに
4)気道異物除去 松島秀和
 はじめに
 気道異物の臨床
 気道異物除去について
  クライオプローブが導入される以前の気道異物除去
  クライオプローブによる気道異物除去
 おわりに

第2章 施設の準備 品川尚文
 はじめに
 施行室の環境整備
 人的体制とスタッフの役割
 麻酔計画と気道管理
 合併症対策としての整備
 まとめ

第3章 機器 桐田圭輔
 はじめに
 クライオ装置
 クライオプローブ
 気管支鏡
 その他のデバイス
  気管チューブ・バルーンカテーテル
  バルーンカテーテル
  radial EBUS・ガイドシース

第4章 原理 田坂定智
 はじめに
 ジュール・トムソン効果
  分子間力の仕事効果
  分子自体の体積の影響
 クライオプローブ
  凍結接着
  凍結脆化

第5章 教育(難易度) 石井聡
 はじめに
 導入に向けて
 クライオ生検の施行医
 修練医の教育
 アンケートと結果
 修練医がクライオ生検を行うとき,どのような症例が適切か?
 おわりに

第6章 プローブの使い分け 神宮直樹,一門和哉
 はじめに
 びまん性肺疾患
 末梢病変
 中枢気道
 胸膜疾患(胸膜中皮腫,結核性胸膜炎など)

第7章 手技 舟木佳弘,中島啓
 はじめに
  気管支鏡の挿入
  凍結
  組織の回収
 びまん性肺疾患に対するクライオバイオプシー
  事前準備(挿管チューブ,フォガティーカテーテル)
  ファイバー挿管
  フォガティーカテーテルの誘導,バルーンの拡張確認
  クライオプローブの挿入と生検
  止血操作(バルーン閉塞・2スコープ法)
  組織の回収
 肺腫瘍に対するクライオバイオプシー
  中枢気道病変
  末梢肺病変
 異物除去
 おわりに

第8章 合併症とその対策
1)気胸 仲地一郎
 クライオバイオプシーの有用性と合併症
 気胸の発生頻度
 気胸の発生機序とその病態
 気胸の診断
  臨床症状
  身体所見
  画像診断
 自験例
 対策と予防
  採取部位の適切な選択
  凍結条件の調整
  検査手技の工夫
  検査後の管理
 気胸発生後の管理上の注意点
 おわりに
2)出血 鈴木幹人
 はじめに
 クライオ生検の出血頻度
 出血のリスク因子と症例選択
 クライオ生検時の出血に対する止血戦略
  バルーン閉塞法
  two-scope法
  チューブウエッジ法
  dual-scope法
  鉗子孔・シースからの検体の直接回収
 重篤な出血時の対応

第Ⅱ部 各論 クライオバイオプシーの意義+有用であった症例の紹介

第1章 びまん性肺疾患 竹内亜衣,佐藤譲之,山口牧子,早稲田優子
 はじめに
 症例提示
  症例1 間質性肺疾患だと思っていたら腺癌が検出された1例
  症例2 UIPパターンを認め線維化の進行が予測された皮膚筋炎関連間質性肺疾患の1例
  症例3 心エコー所見正常だが肺血管障害が疑われたMCTD関連間質性疾患の1例
  症例のまとめ
 おわりに

第2章 悪性腫瘍 角俊行
 はじめに
 悪性腫瘍における適応と実際
  近年の主要な報告とエビデンス
  検体回収法の種類と使い分け
 再生検および分子解析への応用
 検体品質と病理学的特性
 症例提示
  症例1 中枢気道内病変のdebulking
  症例2 adjacent toの小結節の診断
  症例3 すりガラス陰影を含む結節の診断
  症例4 癌性リンパ管症の確定診断例
  症例5 浸潤性粘液性腺癌(IMA)の診断
 教育と導入の実際
 今後の展望
 まとめ

第3章 感染性肺疾患 當麻景章
 はじめに
 微生物学的検査単独の限界と,TBLCの意義
 呼吸器感染症診断におけるTBLC
  抗酸菌
  真菌
  寄生虫
  ウイルス
  細菌
 安全性
 まとめ

索引
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