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とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌

月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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2022年4月 Vol.73 No.5

抗菌薬、その理由

もう疑義照会・処方提案で失敗しない!推論に挑め

定価

2,200(本体 2,000円+税10%)

  • 巻頭言
  • 目次
巻頭言
 新型コロナウイルス感染症の出現は,これまで誰も経験したことがない未曾有の事態をもたらしました.現在,3回目のワクチン接種が進行中ですが,その終わりはまだみえません.
 この2年,世間の話題はこの新たなウイルス一色に染まり,テレビ番組などを通じて誰もが受動的にCOVID-19関連の情報を入手することができます.私自身も,家族から新しい情報を教えてもらうことがありました.COVID-19関連業務に携わる立場としては,一般市民である家族が自分より早く最新情報を入手できていたことは悔しいですが,その情報を利用しない手はありません.一方で,非医療従事者にとっては難解なものも含まれる情報・呼びかけを市民が理解し,忠実に行動に移せているのはなぜなのか,という疑問も湧いてきました.
 その答えの一つとして,新型コロナウイルスという見えない敵に対し,市民は自己防衛のために関心を示していることがあると思います.そして,わからないことはそのままにせず,COVID-19患者の経験談などから共感的理解を試みていたのではないかと推察します.さらに,どのテレビ局でも“同じ内容”を“安易なレベル”で“くり返し報道”したことが,多くの国民に理解を促した要因だと考えています.
 皆さんも,「臨床推論」という言葉を聞いたことがあるかもしれません.薬剤師が実践する臨床推論とは,患者の訴えや症状,処方箋情報などから推測されるすべての鑑別診断をもとに,原因や結果を予測したうえで患者特性を考慮した薬学的管理を行うことだと思います.
 抗菌薬の処方箋の場合,原因菌の特定や,感染している臓器などを的確に推測することが困難な場合が多く,他の薬剤に比べ,疑義照会や処方提案を躊躇する場面が多いのではないでしょうか.
 本特集では,日常的に感染症に関わっている薬剤師が,代表的な感染症症例を取り上げながら経口抗菌薬が処方されたときの推論の進めかたを解説しています.感染症を学び,より深い薬学管理を実践したい薬剤師にとって,感染症の治療プロセスと経験豊かな薬剤師の思考プロセスを通して「抗菌薬が処方されている理由」を知り,実践につなげていける内容であると考えています.検査値や培養結果が手元になくても,ある程度の推測は可能であるため,ぜひ参考にしていただきたいです.
 感染症患者への共感的理解を心掛け,何度もくり返し学習することが感染症治療を理解するうえでの近道です.本特集を通して,感染症の基礎が築かれることを期待いたします.

安城更生病院薬剤部薬剤課 薬剤課長
奥平正美
目次
(特集)

■特集にあたって(奥平正美) 

■処方を読み解くために 総論
・臨床推論に必要な抗菌薬と細菌の要点整理(奥平正美)
・処方箋解析のpit fall(奥平正美)
・治療プロセス(黒田浩一)
・経口剤・注射剤のメリット,デメリット(澤田和久)
・そうだったのか!患者さんの飲めない理由(アドヒアランスの向上)(山方基寛)

■処方がわかる 実践編
・患者背景から処方提案をした成人細菌性肺炎患者の事例(篠永 浩)
・発熱,咳嗽で受診した患者の事例(彦坂麻美)
・服用忘れが心配な結核・非結核性抗酸菌症の患者の事例(坂野昌志)
・既往歴から処方変更を提案した咽頭炎患者の事例(酒井義朗)
・リスク評価から追加処方を提案した中耳炎患者の事例(梶原洋文)
・鼻汁・鼻閉の症状が長引く患者の事例(天野哲史)
・抗菌薬の予防服用を提案した小児尿路感染症患者の事例(本田勝亮)
・小児のかぜは本当に「かぜ」? 発熱がある小児の事例(中島里奈)
・起因菌に基づき処方提案を行った関節炎,骨髄炎患者の事例(枦 秀樹)
・下腿の腫れで受診した蜂窩織炎患者の事例(塩田有史)
・発熱と倦怠感で入院した腎盂腎炎患者の事例(小杉卓大)
・原因微生物を推定し処方提案した性感染症患者の事例(浦上宗治)
・生活習慣にあわせ処方提案をした眼感染症の患者の事例(坂野昌志)
・発熱と下痢で搬送された腸管感染症患者の事例(木村匡男)

■Exercise

(シリーズ)

■えびさんぽ
 抗菌薬にプロバイオティクス(整腸剤)は併用した方がよいですか?
 (青島周一)

■薬剤部門管理者・ミドルマネージャーのためのBSC活用入門〈第1回〉
 BCSはミッション・ビジョンを追求する経営戦略論
 (髙橋淑郎)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ〈第4回〉
 患者さんが薬に期待するもの ~薬剤師がつい見落としがちな薬物治療の本質~
 (藤井宏典)

■喫茶よりみち~薬剤師の知っ得リテラシー~〈Scene #04〉
 ワクチン接種証明書アプリ ~世に出るまでの議論や社会に対する影響は?~
 (井出和希)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・DOACはワルファリンより骨折リスクが低い
 ・チアジド系利尿薬で皮膚がんリスクが上昇
 (佐藤宏樹 澤田康文)

■薬剤師が三ツ星シェフ-業務に活きる!活かせる!経静脈栄養のホントのところ-
 病態別栄養編⑥ 周術期
 (東 敬一朗)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ〈第4回〉
 医療機関・職場環境のオモテ・ウラ②
 (大井一弥)

■腫瘍薬学ハイライト
 悪性グリオーマとウイルス療法
 (川西正祐)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話〈第4回〉
 「牛乳と一緒に服用しないでください」
 (浅井考介 柴田奈央)

■薬剤師力の型―新たな思考と行動プランを手に入れろ!〈肆ノ型〉
 専門性の高い知識・技術を計画的に身につけよ!
 (島田 泉)

■書評
薬剤師が知らない在宅医療の世界〜在宅対応薬局はこれからが勝負〜(英 裕雄)
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