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とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌

月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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2022年3月 Vol. 73 No.3

心不全薬物治療の道しるべ

定価

2,200(本体 2,000円+税10%)

  • 巻頭言
  • 目次
巻頭言
-特集にあたって-

 心不全とは,心臓の構造的・機能的な異常による症状・徴候を有し,ナトリウム利尿ペプチド値の上昇や肺または全身性のうっ血の客観的所見を認める臨床的症候群であると国際的に再定義された(文献1).
 心不全は,心筋梗塞や拡張型心筋症などの心筋症以外に,高血圧,弁膜症,不整脈などが原因で,増悪と寛解をくり返し,最終的には生命に関わる慢性の進行性疾患である.わが国における患者数は,高齢化を背景に年1万人のペースで増え,2030年には130万人に到達すると予測されている.
 そのようななか,左心室の収縮能低下を来している心不全(HFrEF)を中心に近年,心不全再入院を減らす効果などが複数の薬剤で示され,わが国でも2020年以降,その使用が可能となっている.
 本特集では,その薬剤のなかから,①2型糖尿病治療薬として使用されてきたナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬,②アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)のバルサルタンとネプリライシン阻害薬サクビトリルを1分子中に1 : 1で含有する単一の結晶複合体である,アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI),③心臓のペースメーカー電流である過分極活性化陽イオン電流(If)を阻害し,心臓の収縮性や血圧などに影響を与えず,心拍数だけを減少させるHCNチャネル遮断薬(Ifチャネル阻害薬)を取り上げ,作用機序,実際の臨床経験について詳細に解説いただく.
 さらに,多職種チームで関わることが推奨されている心不全診療に,薬剤師も参画していただくことを念頭に,心不全診療に関する知識を整理するための項目を取り上げた.執筆者は臨床現場の最前線で活躍されている先生方であり,薬剤師のみならず心不全診療に携わる多くの方に通読いただきたい内容となっている.
 2021年,新規心不全薬として可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬が使用可能となり,それ以外にもさまざまな弁膜症のカテーテル治療の開発・適応拡大や左室補助人工心臓の治療対象の拡大など,まさに心不全診療は日進月歩である.
 本特集が,忙しいみなさまが学ぶ一助となれば幸いである.


引用文献
1) Bozkurt B, et al: Universal definition and classification of heart failure: a report of the Heart Failure Society of America, Heart Failure Association of the European Society of Cardiology, Japanese Heart Failure Society and Writing Committee of the Universal Definition of Heart Failure: Endorsed by the Canadian Heart Failure Society, Heart Failure Association of India, Cardiac Society of Australia and New Zealand, and Chinese Heart Failure Association. Eur J Heart Fail, 23: 352-380, 2021.


兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科/救急科 医長
大石醒悟
目次
(特集)

■特集にあたって(大石醒悟) 

■[第1特集] 徹底理解! 心不全新規治療薬のチカラ
・ 図解&要点整理! SGLT2阻害薬の作用機序(堀内 優)
・ 心不全治療とSGLT2阻害薬(堀内 優)
・ 図解&要点整理!
  ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)の作用機序(宮田大嗣)
・ 心不全治療とARNI(宮田大嗣)
・ 図解&要点整理! HCNチャネル遮断薬(Ifチャネル阻害薬)の作用機序(細田勇人)
・ 心不全治療とHCNチャネル遮断薬(Ifチャネル阻害薬)(細田勇人)

■[第2特集] 今こそ! 心不全の管理を整理しなおす
・ おさらい! 心不全って何が問題?(齋藤秀輝)
・ 心不全の経過観察で要注意な所見・気をつけたい検査値(三浦弘之)
・ 診療ガイドライン詳解! 心不全治療の基本方針(加来秀隆)
・ 慢性心不全の薬物治療に使われるくすりと服薬サポート(岡田大司)
・ 急性心不全の薬物治療に使われるくすりと退院サポート(髙麗謙吾)
・ 心不全患者の栄養・輸液療法(鈴木規雄)
・ 心不全患者のセルフケアと療養サポート(生駒剛典)
・ いまさら聞けない?! 心不全キーワード
  レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(石原里美)
  ナトリウム利尿ペプチド(松本新吾)
  心臓の収縮能と拡張能とHFrEF,HFpEF(佐藤宏行)
  心拍出量と臓器灌流低下・循環不全(ショック)(那須崇人)
  浮腫,うっ血(藤本 恒)
  心不全の心臓リハビリテーション(村田 誠)
・ 心不全患者のQOL改善に役立つ漢方(土倉潤一郎)
・ 心不全の緩和ケア入門(西崎公貴)

■Exercise

(シリーズ)

■えびさんぽ
SGLT2阻害薬は心不全の治療にも効果が期待できますか?
(青島周一)

■臨床薬物動態のPITFALL
-その常識,ウソ? ホント?-2-コンパートメント様の薬物動態を示すので組織移行性がよい
 (浜田幸宏,海老原文哉,塩見真理)

■薬剤師力の型―新たな思考と行動プランを手に入れろ!〈参ノ型〉
 よくある漠然とした質問の真意を追求せよ!
 (大橋養賢)

■腫瘍薬学ハイライト
 口腔・腸内細菌とがん
 (川西正祐)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話〈第3回〉
「○○に作用します」(後編)〜併用しないでください〜
(浅井考介,柴田奈央)

■喫茶よりみち薬剤師の知っ得リテラシー〈Scene #03〉
幹細胞と新型コロナウイルス感染症~例の話題はどうなった?~ 
 (井出和希)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・コーヒー多量摂取でラモトリギン曝露量低下
 ・小児におけるPPI使用で喘息リスクが上昇
 (佐藤宏樹,澤田康文)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ〈第3回〉
医療機関・職場環境のオモテ・ウラ①
 (大井一弥)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ〈第3回〉
 クスリとも笑えない薬の取り扱い
 (大西伸幸)

■薬剤師が三ツ星シェフ-業務に活きる!活かせる!経静脈栄養のホントのところ-
病態別栄養編⑤ がん
 (東 敬一朗)
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