ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌
月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207
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【第1特集】プライマリ・ケア整形外来OSCE/【第2特集】ブッダに学ぶ生老病死―臨床と仏教―
ISBN 978-4-525-93022-6
定価
2,970円(本体 2,700円+税10%)
- 巻頭言
- 特集の目次
- 連載
巻頭言
【第1特集】プライマリ・ケア整形外来 OSCE
整形外科疾患のツボをOSCEで学ぼう
プライマリ・ケアの現場では多種多様な症状の訴えを取り扱う必要がありますが,内科や総合診療・家庭医療を中心に診療される先生方から,整形外科疾患のアプローチがよくわからない,どこまで自分がかかわって,どこからが紹介すべきかの線引きが難しいといった意見をよく聴きます.
プライマリ・ケア領域に占める整形外科疾患の割合は比較的高く,このエリアへのアプローチ力を高めることは臨床医にとって,日々のストレスを減らすことになると思われます.
岡山家庭医療センターでは家庭医療・総合診療専門医コースの専攻医教育に年2回の整形外科OSCEを実施して,専攻医と指導医の整形外科疾患へのアプローチの標準化,疑問点の解決,日々の診療への適応を心がけています.
私がアメリカの家庭医療専門研修時代に活用していた整形外来マニュアル 1)を以前翻訳したこともあり,この本をベースに日本の文脈でよくある腰,膝,肩の整形外科疾患の問題を「整形OSCEベーシック」として扱い,次に求められる肘,手,足の問題を「整形OSCEアドバンスド」として毎年行っています.本特集では日本プライマリ・ケア連合学会の秋季セミナーで過去に提供した内容をベースに誌面上で読者の皆様に整形OSCEを体験していただくことで,疑似的に診療のスキルを学んでいただき,日々の臨床に活かしていただければと思います.
誌面では難しい診察手技については,岡山家庭医療センターで教育に活用している動画を共有していますので(p.62),ぜひ動画も参照しながら誌面での整形OSCEを楽しんでいただければと思います.
日本のプライマリ・ケアにおける整形外科疾患の対応力向上に少しでもお力になれれば幸いです.
[編集幹事]
社会医療法人清風會 岡山家庭医療センター 奈義・湯郷・津山ファミリークリニック 松下 明
参考文献
1) Bruce Carl Anderson(著),松下 明,他(訳):プライマリケア整形外来マニュアル 原著第3版 ─外来で整形疾患をみるすべての人へ,エルゼビア・ジャパン,2008.
【第2特集】ブッダに学ぶ生老病死 ─ 臨床と仏教 ─
仏教は“弱さ”といかに向き合ってきたのか
「もう,できることはないのですか──」
家族の震える声,ベッドに横たわる患者のまなざし.言葉が見つからず,重い無力感と迷いが押し寄せる.臨床現場には,医学的判断だけでは解決できない問題が少なくありません.こうした“弱さ”と,私たちはどう向き合えばよいのでしょうか.
仏教は,お釈迦さまが「死」という避けがたい事実に直面したことに始まりました.以来,寺院や僧侶は,生老病死にまつわる智慧や死生観を受け継いできました.その視点は,弱さや限界,避けられない現実を包み込み,ケアを育み支える道を示します.
一方,日本では厳格な政教分離のもと,医療と宗教は長らく距離を置いてきました.医師にとって,宗教は「触れにくい領域」であったことも事実です.しかし,東日本大震災を経て,宗教者による臨床的知見が再び注目を集めています.
本特集では,国内外で活動する仏教関係者が,臨床現場で役に立つ思想や実践例を紹介します.日々の診療で出会う“弱さ”に向き合うための,新しい視点とヒントを見つけていただければ幸いです.
[編集幹事]
淑徳大学 アジア国際社会福祉研究所/アジア仏教社会福祉学術交流センター 井川裕覚
整形外科疾患のツボをOSCEで学ぼう
プライマリ・ケアの現場では多種多様な症状の訴えを取り扱う必要がありますが,内科や総合診療・家庭医療を中心に診療される先生方から,整形外科疾患のアプローチがよくわからない,どこまで自分がかかわって,どこからが紹介すべきかの線引きが難しいといった意見をよく聴きます.
プライマリ・ケア領域に占める整形外科疾患の割合は比較的高く,このエリアへのアプローチ力を高めることは臨床医にとって,日々のストレスを減らすことになると思われます.
岡山家庭医療センターでは家庭医療・総合診療専門医コースの専攻医教育に年2回の整形外科OSCEを実施して,専攻医と指導医の整形外科疾患へのアプローチの標準化,疑問点の解決,日々の診療への適応を心がけています.
私がアメリカの家庭医療専門研修時代に活用していた整形外来マニュアル 1)を以前翻訳したこともあり,この本をベースに日本の文脈でよくある腰,膝,肩の整形外科疾患の問題を「整形OSCEベーシック」として扱い,次に求められる肘,手,足の問題を「整形OSCEアドバンスド」として毎年行っています.本特集では日本プライマリ・ケア連合学会の秋季セミナーで過去に提供した内容をベースに誌面上で読者の皆様に整形OSCEを体験していただくことで,疑似的に診療のスキルを学んでいただき,日々の臨床に活かしていただければと思います.
誌面では難しい診察手技については,岡山家庭医療センターで教育に活用している動画を共有していますので(p.62),ぜひ動画も参照しながら誌面での整形OSCEを楽しんでいただければと思います.
日本のプライマリ・ケアにおける整形外科疾患の対応力向上に少しでもお力になれれば幸いです.
[編集幹事]
社会医療法人清風會 岡山家庭医療センター 奈義・湯郷・津山ファミリークリニック 松下 明
参考文献
1) Bruce Carl Anderson(著),松下 明,他(訳):プライマリケア整形外来マニュアル 原著第3版 ─外来で整形疾患をみるすべての人へ,エルゼビア・ジャパン,2008.
【第2特集】ブッダに学ぶ生老病死 ─ 臨床と仏教 ─
仏教は“弱さ”といかに向き合ってきたのか
「もう,できることはないのですか──」
家族の震える声,ベッドに横たわる患者のまなざし.言葉が見つからず,重い無力感と迷いが押し寄せる.臨床現場には,医学的判断だけでは解決できない問題が少なくありません.こうした“弱さ”と,私たちはどう向き合えばよいのでしょうか.
仏教は,お釈迦さまが「死」という避けがたい事実に直面したことに始まりました.以来,寺院や僧侶は,生老病死にまつわる智慧や死生観を受け継いできました.その視点は,弱さや限界,避けられない現実を包み込み,ケアを育み支える道を示します.
一方,日本では厳格な政教分離のもと,医療と宗教は長らく距離を置いてきました.医師にとって,宗教は「触れにくい領域」であったことも事実です.しかし,東日本大震災を経て,宗教者による臨床的知見が再び注目を集めています.
本特集では,国内外で活動する仏教関係者が,臨床現場で役に立つ思想や実践例を紹介します.日々の診療で出会う“弱さ”に向き合うための,新しい視点とヒントを見つけていただければ幸いです.
[編集幹事]
淑徳大学 アジア国際社会福祉研究所/アジア仏教社会福祉学術交流センター 井川裕覚
特集の目次
【第1特集】プライマリ・ケア整形外来OSCE
■よく遭遇する病態
膝の痛みにアプローチする(松下 明)
腰の痛みにアプローチする(中西 章,大門友博)
肩の痛みにアプローチする(青景珠実,戸川 雄)
首の痛みにアプローチする(岸本悠暉,松尾瑠美)
■知っているとランクアップできる病態
手の問題にアプローチする(成行健汰,藤原匠平)
肘の問題にアプローチする(秋田理恵,松本奈津美)
足の問題にアプローチする(竹内亮大,辻川衆宏)
外来でのピットフォール ─後頭神経痛,肋軟骨炎─(松下 明)
学びを深めるための付録(松下 明)
【第2特集】ブッダに学ぶ生老病死 ─臨床と仏教─
■臨床と仏教の接点
苦しみを通して到達できる叡智がある ─仏教者による臨床的活動の思想的背景─(大菅俊幸)
プライマリ・ケアにみる生老病死 ──仏教は死をどう考えるか(吉水岳彦)
プライマリ・ケアにおける 仏教寺院・かかりつけ僧との連携 ─高応寺における「がんカフェ」の実践から─(酒井菜法)
アメリカの医療機関における仏教チャプレンの役割(古村栄伸)
医療と宗教のよりよい連携に向けて ─緩和ケア病棟における臨床宗教師の活動例─(金田諦晃)
■コラム
ブッダの瞑想を現代に活かす ─医療者のセルフケアと臨床瞑想法─(大下大圓)
■よく遭遇する病態
膝の痛みにアプローチする(松下 明)
腰の痛みにアプローチする(中西 章,大門友博)
肩の痛みにアプローチする(青景珠実,戸川 雄)
首の痛みにアプローチする(岸本悠暉,松尾瑠美)
■知っているとランクアップできる病態
手の問題にアプローチする(成行健汰,藤原匠平)
肘の問題にアプローチする(秋田理恵,松本奈津美)
足の問題にアプローチする(竹内亮大,辻川衆宏)
外来でのピットフォール ─後頭神経痛,肋軟骨炎─(松下 明)
学びを深めるための付録(松下 明)
【第2特集】ブッダに学ぶ生老病死 ─臨床と仏教─
■臨床と仏教の接点
苦しみを通して到達できる叡智がある ─仏教者による臨床的活動の思想的背景─(大菅俊幸)
プライマリ・ケアにみる生老病死 ──仏教は死をどう考えるか(吉水岳彦)
プライマリ・ケアにおける 仏教寺院・かかりつけ僧との連携 ─高応寺における「がんカフェ」の実践から─(酒井菜法)
アメリカの医療機関における仏教チャプレンの役割(古村栄伸)
医療と宗教のよりよい連携に向けて ─緩和ケア病棟における臨床宗教師の活動例─(金田諦晃)
■コラム
ブッダの瞑想を現代に活かす ─医療者のセルフケアと臨床瞑想法─(大下大圓)
連載
えびさんぽ(47)
金銭的なインセンティブで健康状態は改善しますか?(青島周一)
―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
―臨床での使い方
御縁ちゃんが導く誤嚥性肺炎クロニクル(11)
支えし者たち,集結 ─ゴエンジャーズ始動その4,PT編(宮上泰樹,近藤慶太)
Dr. Shinのよくわかる即戦力漢方(18)
外傷の痛みにまずは治打撲一方を(橋本進一)
薬剤師の知恵袋 〜医師に伝えたいマメ知識〜(6)
カルボシステイン・クラリスロマイシン DS の併用処方で気を付けることは?(田中みずき,坂口眞弓,石橋幸滋)
総合診療 POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─(26)
健常人の大腸がんスクリーニング検査には,「便潜血検査」と「大腸内視鏡検査」のどちらがいいのか?(沖中郁実,西村正大)
金銭的なインセンティブで健康状態は改善しますか?(青島周一)
―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
―臨床での使い方
御縁ちゃんが導く誤嚥性肺炎クロニクル(11)
支えし者たち,集結 ─ゴエンジャーズ始動その4,PT編(宮上泰樹,近藤慶太)
Dr. Shinのよくわかる即戦力漢方(18)
外傷の痛みにまずは治打撲一方を(橋本進一)
薬剤師の知恵袋 〜医師に伝えたいマメ知識〜(6)
カルボシステイン・クラリスロマイシン DS の併用処方で気を付けることは?(田中みずき,坂口眞弓,石橋幸滋)
総合診療 POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─(26)
健常人の大腸がんスクリーニング検査には,「便潜血検査」と「大腸内視鏡検査」のどちらがいいのか?(沖中郁実,西村正大)