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治療

 ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

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2024年11月 Vol. 106 No.11

不定愁訴を診る!

あなたはどうしていますか?

ISBN 978-4-525-93010-3

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
 「不定愁訴」という言葉に触れたとき,医療に携わる者は皆,何を思うだろう.この言葉には独特なスティグマが伴い,それゆえ使用を避ける者もいれば,診療の手がかりとする者もいる.果たして不定愁訴とは何を意味し,われわれに何を示しているのか.
 大学病院の総合診療科に身を置いていると,「身体がだるく,微熱もあり,頭も重くて夜も眠れず,めまいもあって気分も悪い」といったような,「未分化」で「漠然とした」複数の症状を訴える患者に数多く接することとなる.重篤な器質的疾患の関与が示唆されることもまれにはあるが,そうでないことのほうがはるかに多く,問題の即時の解決には多くの困難が伴う.このような場合に,訴えを「不定愁訴」という一律な枠組みに押し込めるのではなく,理解可能な「多彩な主訴」として捉え,生物医学的なアプローチのみならず,心理社会的背景がかかわる要因の探索を含む,いわゆるBPS(bio-psycho-social)モデルの観点が,適切な解決の方向に導いてくれることをしばしば経験する.
 このような対応は,本来,患者の住む地域にあり,患者の心理社会的背景をよく理解し,包括的な対応を得意とする,プライマリ・ケア医により行われるのが理想ともいえる.しかしながら実際には,超多忙な外来診療の場において十分な時間をかけてアプローチすることは難しく,加えてわれわれ医師は一般的に,客観的な所見に基づき,その所見の原因を探り,消去する診療には長けていても,訴えに合致する所見が見当たらない場合への対応は,医学教育でもほとんど触れられず,きわめて未熟であるといわざるを得ない.またそこには必ずしも一つの正解があるとは限らず,ある意味診療の「アート」としての側面が試される領域でもある.
 今回,この特集号では,私が常日頃から信頼を寄せる各分野の専門家の方々に,各々の立場からの自由な思索を展開していただき,その洞察の表出をお願いした.ご寄稿いただいた先生方には,心よりの感謝を申し上げる.この特集を通じて,読者の皆様に珠玉の知見をお届けできることを嬉しく思うが,それよりも何より,一人の医療人としての私自身が,敬愛する同時代のトップランナーが発する生の「アート」を体感できることを,大変光栄に思う.刮目して誌面に向かいたい.

〔編集幹事〕
大阪医科薬科大学病院 総合診療科
鈴木富雄
特集の目次
■特別対談
不定愁訴診療の内実と拡張(鈴木富雄,國松淳和)

■不定愁訴に対する診療の手の内を公開!
総合診療の立場から総論的に(宮田靖志)
解決困難な不明熱・不定愁訴の患者の紹介を受ける立場から(國松淳和)
プライマリ・ケア現場の家庭医の立場から(菊池徹哉,他)
EBM実践の限界の果てに,一言言いたい立場から(名郷直樹)
心療内科医の立場から(西山順滋)
精神科医の立場から(児玉知之)
リエゾン精神看護専門看護師の立場から(宮田 郁)
小児科医の立場から(高村昭輝)
産婦人科医・女性医療の立場から(池田裕美枝)
口腔・歯科領域の立場から(宮地英雄)
慢性疲労の専門家の立場から(佐藤元紀)
漢方医の立場から(大澤 稔)
鍼灸師の立場から(寺澤佳洋)
統合ヘルスケア(統合医療)の立場から(伊藤京子)
不定愁訴のない社会(磯野真穂)
連載
在宅医療の質を高める!(16)
「食べられる可能性」を見極めるフローチャートを作りました!(永井康徳)

えびさんぽ(35)
ベンゾジアゼピン系薬剤の不適切処方にどう対応したらよいですか?(青島周一)
─ランドマークスタディと路地裏エビデンス
─臨床での使い方

突撃!! 循環器診療についてショウジ先生に聞いてみた!(2)
心不全を考える─その①(山口裕崇,川上将司)

Dr. Shinのよくわかる即戦力漢方(6)
肺炎後の超高齢者,死の淵からの生還(橋本進一)

総合診療POEMs ─診療で使える! 旬なオススメ文献─(20)
子宮頸がんの増加とHPVワクチン 細川裕司,原田 拓
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