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カテゴリー: 臨床薬学

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保険薬局薬剤師のための

もうビビらない! がん関連処方対応術

1版

佐久総合病院佐久医療センター 腫瘍内科
がん診療センター長 宮田佳典 監修
中信がん薬薬連携推進ワーキンググループ 編集

定価

3,080(本体 2,800円 +税10%)


  • B5判  196頁
  • 2019年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-70521-3

「抗がん薬の処方箋が来た!どうしよう…(汗)」の強い味方!

がん関連薬の外来処方が増えているが,保険薬局では収集できない患者情報があり,消極的な対応になってしまうケースがある. 本書では,処方箋や患者との会話など“薬局で得られる情報”をもとに,がん領域の臨床推論から抗がん薬の服薬指導,副作用マネジメントまで解説.薬局の生の声を取り入れて作った,現場で本当に使える本!

  • 目次
  • 序文
  • 書評 1
  • 書評 2
  • 書評 3
目次
第1章 ビビらない 服薬指導
・「ビビらない 服薬指導」の読み方

1 処方箋から疾患名・レジメンを推測しよう① -カペシタビン-
 「カペシタビンがある.何のがんだろう? 併用薬もいろいろあるなぁ.」

2 処方箋から疾患名・レジメンを推測しよう② -S-1-
 「S-1の処方箋だ! 何のがんだろう…わかるかな….」

3 治療歴から疾患名を推測しよう -レゴラフェニブ-
 「レゴラフェニブか…適応が多いけど,この患者さんは何のがんなんだろう?」

4 複雑な用法・用量に注意しよう -トリフルリジン・チピラシル-
 「抗がん薬が変わった?! 何かあったのかな?」

5 分子標的薬を使いこなそう① -EGFRチロシンキナーゼ阻害薬-
 「処方薬が多い!!」

6 マンネリ対応から脱出しよう -長期乳がん内分泌療法-
 「長期内分泌療法かぁ.火照りどうですか?とか聞くぐらいで,マンネリな対応になっちゃうなぁ….」

7 分子標的薬を使いこなそう② -慢性骨髄性白血病-
 「分子標的薬の処方箋だ! うまく服薬指導できるかな?」

8 オピオイドの服薬指導をしよう
 「麻薬の処方箋?! 服薬指導,不安だなぁ….」


第2章 ビビらない 副作用マネジメント
・「ビビらない 副作用マネジメント」の読み方

1 抗がん薬の副作用対策 まずは吐き気から
 「抗がん薬の吐き気対策かな? どんな治療を受けてきたんだろう?」

2 皮膚障害対応 5W1Hで語る塗り薬
 「皮膚に副作用がでているのかな? どうやってお話ししようかな…?」

3 外来で骨髄抑制に対応?!
 「乳腺外科から抗菌薬の処方? なんで?」

4 がん治療による口内炎の特徴と支持療法
 「うがい薬が出ている! 口内炎がひどいのかな?」

5 意外と怖い? 抗がん薬の下痢
 「下痢止めが多い気がする 聞いたほうがいいかな?」


第3章 ビビらないためのQ&A
Q1 オピオイドの定期服用薬とレスキュー薬の違いは?
Q2 錐体外路症状ってなに?
Q3 オピオイドにはどのようなものがある?
Q4 流涙ってどんなもの?
Q5 有害事象の重症度はどのように評価するの?
Q6 オンコロジックエマージェンシーってなに?
Q7 発熱性好中球減少症(FN)を起こしやすいレジメンは?
Q8 抗がん薬の副作用で悪心・嘔吐が起こるのはなぜ?
Q9 制吐薬を使用する際の注意点を教えて!
Q10 保湿剤をきちんと塗ってくれない患者さんにどう対応すればいい?
Q11 手足症候群は,使っている薬によって症状が違うの?
Q12 PSってなに?
Q13 ガイドラインってなに?
Q14 推奨グレード(推奨度)ってなに?
Q15 乳がんの内分泌療法薬を受けるのは,どんな患者さん?
Q16 がん薬物療法中の口腔ケアは,どんなことに気をつければ良いの?


文 献
おわりに
索 引


巻末付録 薬局で使える! お役立ちツール
・本書に記載されているレジメン一覧
・有害事象共通用語規準(CTCAE)
・抗がん薬の催吐性リスク分類
・催吐性リスクに応じた制吐薬の組み合わせ
序文
監修の序

 抗がん治療は日進月歩である.標準治療を解説したガイドラインは毎年のように改訂されている.また抗がん薬の副作用対策も進歩し,QOLを維持しながら抗がん治療を受けることが可能となっている.内服抗がん薬や副作用対策の薬剤は院外処方されることが多く,保険薬局でもその進歩への対応が迫られている.
 薬剤は何でもそうであるが,特に抗がん薬は決められたとおりに内服しないと効果は期待できない.また,副作用対応の遅れは治療中断や不幸な転帰につながる.臨床医は限られた時間の中で,それぞれの薬剤の効果と副作用や日常生活の注意点について説明しているが,一度の説明で患者がすべてを理解することは不可能である.また実薬が目の前にない状況での説明では,患者の理解も上がらない.一方,保険薬局の薬剤師がこちらの処方意図を理解し適切に説明してくれているのか不安があった.地域の薬剤師が,がん診療を理解し自信を持って服薬指導できるにはどうすればよいかという課題を感じていた.
 薬剤師の三浦篤史先生も佐久総合病院在職中から同じ問題意識を持ち,薬薬連携を推進するために薬剤師会と協力し,薬剤師の服薬指導のレベルアップを図る勉強会を開始し回を重ねた.また当院で毎月1回がんに関する勉強会(佐久がん基礎講座)を開始し,がん診療の進歩を学べる場を提供した.このような企画を通して保険薬局と徐々に顔の見える連携が進み,地域の薬剤師の意識が変わるのが実感された.三浦先生はその後,相澤病院に異動し,そこで活躍の場を広げ,中信地区では薬剤師のネットワークが作られ地域ぐるみのレベルアップが行われた.彼の問題意識の高さと行動力には感心するばかりである.
 今回,中信地区での素晴らしい活動が南山堂編集者の目にとまり本書の企画に繋がった.これまでの活動を通じて得られた人脈から選ばれた執筆者の,豊富な経験と知識に基づいた極めて実践的な内容の本となった.薬剤師が繰り返し読むことで,処方箋に隠された臨床医の意図を理解できるようになるだろう.また,患者とのコミュニケーションスキルも向上するようなヒントがちりばめられている.保険薬局にはぜひ1冊備えて,服薬指導の一助としていただきたい.また本書の発刊を機に全国で抗がん治療への興味と理解が進み,地域薬剤師のネットワーク作りが広がることを期待して止まない.

2019年3月
佐久総合病院佐久医療センター腫瘍内科 がん診療センター長
宮田佳典





 がん関連の処方箋をみた時,“ビビったこと”はありませんか?「中信がん薬薬連携推進ワーキンググループ(W. G. )」では,「ビビらずにがん関連の処方箋を応需する」を合言葉に勉強会を立ち上げました.本勉強会は,長野県薬剤師会会営薬局 村田稔弥先生が松本薬剤師会会員に行ったアンケート調査の結果に基づき企画しています.
 ①処方箋から患者の病態・レジメンなど患者背景を推測すること
 ②レジメンと副作用の関連付け,副作用の対処方法を理解すること
 ③適切な服薬指導の方法を身に付けること
に重点を置き,また「ビビらずに患者指導できる」をコンセプトとした内容にしました.勉強会では,仮想処方箋を用い,グループディスカッションを通して知識を深めるだけでなく,「地域のレベルアップ」や「顔の見える関係」を構築するように努めています.
 さらに,勉強会を重ねるうちに「こんな患者指導ツールがあったらいいよね」と意気投合し,作成メンバーを勉強会参加者から募り,その制作に取り組みました.
 これらの活動内容を日本臨床腫瘍薬学会学術大会2017(第6回)で発表したところ,ご評価いただくとともに,出版の機会をいただきました.
 本書は,勉強会の内容をベースに編纂し,以下3点をポイントに作成しました.
 ①処方箋受付後,患者さんに薬を渡すまでパパっと最低限の情報を収集する(第1章)
 ②代表的な副作用対応を把握する(第2章)
 ③患者さんがお帰りになってから,Q&Aでゆっくり知識を深める(第3章)
 出版にあたり,勉強会の講師の先生方にも執筆いただきました.この場を借りて御礼申し上げます.
 読者にとってより良い本になるよう,アドバイスいただきました淺野未代子先生はじめ,ほんじょう薬局の先生方に感謝申し上げます.そして,日頃から勉強会の企画運営にご協力いただいている村田稔弥先生,中信がん薬薬連携推進W. G. スタッフ,各ツールのW. G. の皆さま,ありがとうございます.また,遡れば勉強会の立ち上げの段階から今まで,ひろおか薬局 清水 誠先生はじめ佐久薬剤師会の先生方,佐久医療センター腫瘍内科 がん診療センター長 宮田佳典先生,薬剤部 杉山昌秀先生など,多くの方々に大変お世話になりました.さらに,中信がん薬薬連携勉強会にご理解・ご支援いただいております松本薬剤師会会長 加賀美秀樹先生や松本薬剤師会の皆様,信州大学病院薬剤部長 大森 栄先生,相澤病院院長補佐 保科滋明先生,薬剤センタースタッフに深謝いたします.
 最後に,出版作業に親切にご対応くださいました南山堂の山田歩様,編集長の古川晶彦様に御礼申し上げます.そして,本書のメインキャラクター「スパーテルちゃん」を描いてくれた妻に感謝いたします.
 スパーテルちゃんと一緒に不安をスパッと解決し,ビビらずに患者指導できるような一冊になりますように.

2019年早春
社会医療法人財団慈泉会 相澤病院薬剤センター センター長
三浦篤史

書評 1
「丸腰だからビビるんだ」ということを再認識する一冊

狭間研至(ファルメディコ株式会社 代表取締役社長)

 ビビる。辞書によると、「気後れする、物怖じする」という意味の俗語だそうだ。薬局薬剤師にとって、がん関連の処方箋を受けることは、まさに、気後れ、物怖じといえるかもしれない。人間とは弱いもので、ネガティブな感情を恐れるあまり、忙しい、在庫がない、経験がないといった理由をつけて、抗がん薬の処方箋をやり過ごしてしまいがちである。
 しかし、丸腰だからビビるのだ。きちんと準備をすれば「早く来ないかな」という気持ちになるのだから、人間というのは不思議なものだ。今後、さらなる拡大が見込まれるがん外来化学療法への対応力を、ゼロからでも磨ける相棒となるのが本書だが、その特徴は3つある。
 まず、カラーでイラストや写真が多いこと。次に、簡便なところから具体例をもとに段階的に学ぶことができること。最後に、引用文献が豊富にあり詳しく学べるようになっていることである。つまり、「がんの処方箋なんかビビっちゃう!」という初学者が、取っつきやすく、少しずつ学び、エキスパートへの入り口までたどり着くことができる相棒になるのが本書だ。
 これからの薬局では避けて通れないがん関連処方箋。丸腰では逃げたくなるが、磨いた刀があれば抜きたくなるものである。本書を読んで、あなた自身の心境の変化を実感して欲しい。
書評 2
がん関連薬のポイントがよくわかる!

川添哲嗣(高知大学医学部附属病院 薬剤部)

 読後の感想を一言で述べると「これなら確かにビビらない!」である。わかりやすく,読みやすい。しかも,読み進めるうちにがん関連薬の知識をしっかり深めることができる。
 保険薬局薬剤師にとって,がん関連処方は確かにハードルが高い。ビビってしまう人もいると思う。私も薬局時代に悩むことが多々あった。「用法,用量,投与・休薬期間はあっているのか? そもそも何のがん? どう説明し,何を注意事項として伝えたらよいのか……」と考え込んでしまうのだ。これは全国共通の悩みに違いない。
 本書の構成は,第1章:ビビらない服薬指導(薬を渡すまでに最低限収集したい情報,服薬指導の内容),第2 章:ビビらない副作用マネジメント,第3 章:ビビらないためのQ & A ─ と大変わかりやすい。まさに全国共通の知りたいポイントを,知りたい順に並べてくれている。
 1,2 章では複数例の処方内容をもとにタイトルが付き,解説が入っている。少し紹介すると,「複雑な用法・用量に注意しよう」「分子標的薬を使いこなそう」「皮膚障害対応」「骨髄抑制に対応」といった内容である。3 章では「Q8:抗がん薬の副作用で悪心・嘔吐が起こるのはなぜ?」「Q11:手足症候群は,使っている薬によって症状が違うの?」などと,よくある薬剤師への質問があり,その答えを学べる。
 タイトルには「保険薬局薬剤師のための」とあるが,私は病院薬剤師でも十分読み応えのある内容だと思う。全薬剤師に熟読していただければと切に願う。
書評 3
寺田智祐(滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長)

 情報があふれている世の中、いいものに出会うと、ついつい誰かに伝えたくなります。美味しい料理、心に沁みる音楽、素敵な旅行先・・・。本書は、薬局薬剤師のみならず、がん治療に関わっているすべての医療者に、自信を持ってお伝えしたい一冊です。
 薬局薬剤師にとって、患者情報の主な拠り所は、院外処方箋やお薬手帳、あるいは患者との会話になります。電子カルテによって患者情報を得やすい院内とは、状況がまったく異なります。必然的に、情報の乏しい中、しかも短時間で、効率的な処方監査や服薬指導、副作用モニタリングを実践しなければならず、情報がないときめ細やかな患者対応は困難になります。特にがん患者の場合、がんという病気の特性とともに、薬局薬剤師が複雑ながん薬物療法のイロハを十分に理解していない状況では、何か積極的な行動を起こしてトラブルになるよりはと、医師の処方を右から左に説明するだけの消極的な対応で終わってしまうケースも少なくありません。そんな不安や問題点を、本書は一気に解決してくれ、明日からの業務が一変すること間違いありません。
 これもひとえに、本書の編者代表である相澤病院薬剤センター長 三浦篤史先生の、「ビビらずにがん関連の処方箋を応需する」という、薬局薬剤師への熱いエールにつきると思います。病院薬剤師の押し付けがましい指南書ではなく、薬局薬剤師と病院勤務の腫瘍内科医やがん専門薬剤師らが、抗がん薬の院外処方箋に関する疑問点・着眼点を多彩な視点から深掘りしているので、かゆいところに手が届く企画・構成になっています。
 「良書をはじめて読むときには、新しい友を得たようである。前に精読した書物を読み直す時には、旧友に会うのと似ている」(オリバー・ゴールドスミス『世界市民』)、そんな予感のする一冊です。随所に現れるスパーテルちゃんも、癒しを与えてくれます。皆さんも、この本を手にとって、抗がん薬の地域連携を始めてみませんか?
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