南山堂

カートを見る

カテゴリー: 臨床薬学

注文数:

品切れ
12月下旬改訂予定

電子書籍はこちら

薬剤師のためのバイタルサイン

1版

ファルメディコ株式会社 代表取締役 狭間研至 著

定価

2,090(本体 1,900円 +税10%)


  • B5判  100頁
  • 2010年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-70361-5

薬剤師による患者のバイタルサインチェックは,医薬品による副作用の早期発見・早期対応に非常に重要である.しかし,実際に薬剤師がバイタルサインを取り,薬物治療に活かしている医療機関は非常に少ないのが実状である.そこで本書は,薬剤師が患者の薬学的管理にバイタルサインを活かすための基礎知識を身に付けることのできる実践書とした.

本書は『できる薬剤師はバイタルサインをどうみるか』に改題改訂いたしました.


  • 序文
  • 目次
序文
 近年,薬剤師や看護師などいわゆるコメディカルスタッフのスキルミックスに関する様々な議論が行われている.特に,薬剤師についてはバイタルサインやフィジカルアセスメントといったテーマへの関心が急速に高まりつつあり,大学や学会,各都道府県の薬剤師会や病院薬剤師会での研修会・講演会も盛んに開かれるようになってきた.この背景には,
 ①医師不足を背景とした,既存の医療職種の職能拡大の必要性
 ②薬学教育6年制に対応できる新しい薬剤師職能の開発
 ③超高齢社会における在宅医療を含めた新しい地域医療体制への移行
というわが国の医療が抱えている3つのテーマがあると考えている.
 ただし,実際に薬剤師がバイタルサインに取り組もうとしたときに,「薬剤師はヒトの体に触ってはいけないのでは?」という疑問を解消するとともに,薬剤師がバイタルサイン採集のための手技を習得し,さらには臨床の現場で実践するという条件を一つひとつクリアしていく必要がある.
 現在,私の経営するファルメディコ株式会社ハザマ薬局では,薬剤師全員がMy聴診器を持ち,在宅医療の現場に赴く際には血圧計とパルスオキシメーターを用いてバイタルサインを自らの手で採集している.そして,その結果と薬学的なアセスメントを踏まえた情報を医療チームにフィードバックしている.
 とはいえ当然のことながら,最初は薬剤師の多くが戸惑いを感じ勇気を持てず悶々としていた.しかし,バイタルサインというツールを手に,確かに変わった.実際,彼らの変容ぶりにもっとも驚いているのはバイタルサインをけしかけた(?)私自身かも知れない,というほど変わったのだ.
 本書は,私がハザマ薬局の薬剤師たちに何を語り,何を教え,何を期待しているのかといった,今までの経緯も踏まえてコンパクトにまとめたものである.
 「バイタルサインを活用しもっと活躍の場を広げたい」「でも,どうしていいのか,不安も戸惑いも多い」という薬剤師であれば,本書の内容は,きっと,新たな一歩を踏み出すきっかけになるはずである.
 では,あなたと一緒に,新しい医療の大海原に漕ぎ出すためのツールを手に入れる旅にでかけよう.

2010年3月
狭間研至
目次
第1章 薬剤師を取り巻く環境
1.3つの不満
 1)薬剤師という職能への不満
 2)薬局というビジネスへの不満
 3)現在の地域医療システムへの不満
2.チーム医療における薬剤師の役割
 1)変わりつつある医療の現場
 2)薬剤師の特性
 3)薬剤師の役割と今後
3.「薬局3.0」
 1)薬局の社長へ
 2)薬局の世代間移行
 3)第3世代薬局=「薬局3.0」
 4)6年制薬学教育の導入
 5)調剤薬局の新しい経営戦略とは?
 6)薬局薬剤師の真のキャリアパス

第2章 薬剤師とバイタルサイン
1.薬剤師とバイタルサイン
 1)薬剤師がバイタルサインをとる意義
 2)「医薬品の適正使用」と「医療安全の確保」
 3)バイタルサインの「連続性」と「新しさ」
 4)チーム医療とバイタルサイン
 5)バイタルサインの法的問題と薬剤師
 6)薬薬連携の質的向上とバイタルサイン
 7)薬剤師の変革がもたらす地域医療へのインパクト
 8)薬剤師とバイタルサインのこれから
2.医療施設との連携
 1)医師の回診への同行
 2)医療現場における看護師の役割
 3)回診同行によって得られたこと
 4)看護師をスカウトする
 5)「医・薬・看」連携のメリット
 6)「血圧とか計らないの?」
3.在宅医療と「薬局3.0」
 1)高齢者薬物治療の問題点
 2)「医・薬・看」の連携に向けて
4.バイタルサインと「3つの不満」
 1)「薬剤師への不満」に対して
 2)「薬局というビジネスモデルへの不満」に対して
 3)「地域医療システムへの不満」に対して
 4)バイタルサインが薬剤師を変える

第3章 バイタルサイン採集をはじめよう!
1.まずはじめに
 1)取り組むきっかけは?
 2)器具を準備しよう!
2.知識・技能の習得には?
3.環境を整備しよう!
 1)患者の自宅に訪問する場合
 2)介護施設に訪問する場合(特別養護老人ホームなど)
 3)居住型施設に訪問する場合(有料老人ホーム,高齢者専用賃貸など)
 4)薬局店頭の場合
 5)病院(急性期病院)の場合
 6)病院(療養型病床)や介護老人保健施設の場合

第4章 バイタルサイン採集の実際 ―取り方・書き方・使い方―
1.血圧
 1)取り方(手技)
 2)書き方(記録)
 3)使い方(評価・応用)
2.呼吸
 1)取り方(手技)
 2)書き方(記録)
 3)使い方(評価・応用)
3.脈拍(心拍)
 1)取り方(手技)
 2)書き方(記録)
 3)使い方(評価・応用)
4.体温
 1)取り方(手技)
 2)書き方(記録)
 3)使い方(評価・応用)
5.意識
 1)取り方(手技)
 2)書き方(記録)
 3)使い方(評価・応用)
6.尿量
 1)取り方(手技)
 2)書き方(記録)
 3)使い方(評価・応用)

第5章 薬剤性副作用によるバイタルサインの変化
1.循環器系副作用
 1)血圧
 2)脈拍
 3)排尿状態
2.呼吸器系副作用
 1)気管支攣縮
 2)急性呼吸促迫症候群
 3)薬剤性間質性肺炎
3.消化器系副作用
 1)食欲不振,胃のもたれ,心窩部痛
 2)便秘
 3)下痢
4.肝障害
5.筋・神経系副作用
 1)筋肉への影響
 2)神経への影響
6.アナフィラキシーショック
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む