小児泌尿器科ハンドブック
1版
(財)神奈川県労働衛生福祉協会 寺島和光 著
定価
4,180円(本体 3,800円 +税10%)
- B6変判 245頁
- 2005年4月 発行
- ISBN 978-4-525-35601-9
泌尿器科医,研修医を対象に,主要な小児泌尿器疾患を,解りやすく,臨床にすぐ役立つ内容をコンパクトに纏めた.最新の知見を取り入れ,小児科医,小児外科医にも理解できる内容とした.簡潔な箇条書きとし,図表を多用し,診断治療のフローチャートも随時加えた.メモ欄で,補助的な説明を記し,口絵頁に本文よりカラー図を抜粋した.
- 序文
- 目次
序文
小児泌尿器科学Pediatric Urologyは泌尿器科学の一分野であるが,成人泌尿器科学Adult Urologyとは種々の面で異なる.成人ではほとんどが後天性疾患であるが,小児では停留精巣や膀胱尿管逆流などの先天性疾患が圧倒的に多い.成人の手術は摘除術や切除術が中心となるのに対して,小児では広義の形成術が大多数を占める.両者に共通する疾患や手術は少ない.一般泌尿器科医は,小児泌尿器疾患に対してはまったく別の科の患者を診療するくらいの心構えと相応の能力が求められる.小児科の基本的な知識も欠かせない.言い古されたことではあるが,「子供は大人を小さくしたものではない」はまさに至言である.また診療の場には必ず親が加わるので,親との信頼関係もきわめて大切であるが,その一方では医師が最良と考える治療方針でも親の意向に反すれば変えざるをえないという難しい問題もおこりうる.
患児にはこの先長い長い人生がある.一生闘い続けなければならない病気を持っていることもある.1歳で治療を受けた子供はこれから70年も80年も生きるのであり,治療結果のわずかな違いが子供の運命を左右することさえある.医師は自分に課せられた責務の重さを肝に銘じて治療にあたらねばならない.
本書は主に一般泌尿器科医を対象にした小児泌尿器科の解説書であるが,小児外科医,小児科医,研修医にも役立つように平易かつコンパクトにまとめ,図も豊富に載せた.携帯に便利なようにハンドブックサイズにしたため,図表の文字が小さくなったのはお許し願いたい.なお引用文献は列記せず,主なものだけを参考文献として年代順に記載したことをお断りする.
子供には,すべての最も大きな可能性がある ――トルストイ
2005年3月 寺島和光
患児にはこの先長い長い人生がある.一生闘い続けなければならない病気を持っていることもある.1歳で治療を受けた子供はこれから70年も80年も生きるのであり,治療結果のわずかな違いが子供の運命を左右することさえある.医師は自分に課せられた責務の重さを肝に銘じて治療にあたらねばならない.
本書は主に一般泌尿器科医を対象にした小児泌尿器科の解説書であるが,小児外科医,小児科医,研修医にも役立つように平易かつコンパクトにまとめ,図も豊富に載せた.携帯に便利なようにハンドブックサイズにしたため,図表の文字が小さくなったのはお許し願いたい.なお引用文献は列記せず,主なものだけを参考文献として年代順に記載したことをお断りする.
子供には,すべての最も大きな可能性がある ――トルストイ
2005年3月 寺島和光
目次
1.小児泌尿器疾患の診断
I.特徴と症状
II.先天奇形症候群と尿路性器異常
III.理学的検査
IV.尿検査
V.腎機能検査
VI.画像診断
VII.核医学検査
2.血 尿
1.概 念
2.診断と治療
3.血尿をきたす主な疾患(尿路系以外)
3.尿路感染症
1.病 態
2.症状と診断
3.治 療
4.特殊な腎・尿路感染症
4.水腎症(腎盂尿管移行部閉塞)
1.原 因
2.特 徴
3.症 状
4.診断と評価
5.治 療
6.予 後
5.腎の先天異常
I.腎無発生
II.融合腎と変位腎
III.嚢胞性腎疾患
1.多嚢腎
2.常染色体劣性嚢胞腎
3.常染色体優性嚢胞腎
4.多房性腎嚢胞
5.髄質海綿腎
6.巨大尿管(水尿管症)
1.定義と分類
2.症状と診断
3. 治 療
7.重複尿管,尿管異所開口,尿管瘤
I.重複尿管
II.尿管異所開口
1.病 態
2.症 状
3.検査と診断
4.治 療
III.尿管瘤
1.病 態
2.症 状
3.検査と診断
4.治 療
8.膀胱尿管逆流
1.概 念
2.原発性VURと続発性VUR
3.病 態
4.症状と診断
5.治 療
6.予 後
9.膀胱・尿道の先天異常
I.膀胱憩室
II.尿膜管異常
III.膀胱外反,尿道上裂,総排泄腔外反
IV.後部尿道弁
1.病 態
2.症状と診断
3.治 療
4.合併症の治療
5.予 後
V.前部尿道弁,前部尿道憩室
VI.先天性尿道狭窄
VII.前立腺小室嚢胞(ミュラー管嚢胞)
VIII.重複尿道
IX.巨大尿道
10.神経因性膀胱
1.概念と病態
2.検査と診断
3.合併症
4.治 療
5.予 後
11.機能的排尿障害と遺尿症
I.機能的排尿障害
II.夜尿症
1.概 念
2.病 因
3.評 価
4.治 療
III.昼間遺尿症
12.性分化異常
I.正常の性分化
II.性分化異常
III.半陰陽
13.女子の外陰部異常
I.陰唇癒着
II.腟欠損
III.処女膜閉鎖
IV.傍尿道嚢腫
V.尿管瘤の尿道外脱出
VI.尿道脱
14.陰茎の異常
I.包 茎
1.包茎の合併異常
2.合併異常の治療
3.包茎の治療
II.尿道下裂
1.病 因
2.病 態
3.診 断
4.治 療
5.術後合併症とフォローアップ
III.その他の陰茎の異常
1.ミクロペニス(小陰茎)
2.埋没陰茎
3.傍尿道口嚢腫
4.重複陰茎
5.陰茎欠損
15.停留精巣と移動精巣
1.精巣の位置異常と欠損
2.病 態
3.合併症
4.診 断
5.治 療
6.予後とフォローアップ
16.精巣水瘤と精索水瘤
1.分 類
2.症状と診断
3.治 療
17.急性陰嚢症
I.精索捻転
1.病 態
2.症状と診断
3.治 療
II.精巣上体炎
III.精巣付属器捻転
IV.その他の急性陰嚢症
1.嵌頓ヘルニア
2.陰嚢部外傷
3.シェーンライン・ヘノッホ紫斑症
4.特発性陰嚢浮腫
I.特徴と症状
II.先天奇形症候群と尿路性器異常
III.理学的検査
IV.尿検査
V.腎機能検査
VI.画像診断
VII.核医学検査
2.血 尿
1.概 念
2.診断と治療
3.血尿をきたす主な疾患(尿路系以外)
3.尿路感染症
1.病 態
2.症状と診断
3.治 療
4.特殊な腎・尿路感染症
4.水腎症(腎盂尿管移行部閉塞)
1.原 因
2.特 徴
3.症 状
4.診断と評価
5.治 療
6.予 後
5.腎の先天異常
I.腎無発生
II.融合腎と変位腎
III.嚢胞性腎疾患
1.多嚢腎
2.常染色体劣性嚢胞腎
3.常染色体優性嚢胞腎
4.多房性腎嚢胞
5.髄質海綿腎
6.巨大尿管(水尿管症)
1.定義と分類
2.症状と診断
3. 治 療
7.重複尿管,尿管異所開口,尿管瘤
I.重複尿管
II.尿管異所開口
1.病 態
2.症 状
3.検査と診断
4.治 療
III.尿管瘤
1.病 態
2.症 状
3.検査と診断
4.治 療
8.膀胱尿管逆流
1.概 念
2.原発性VURと続発性VUR
3.病 態
4.症状と診断
5.治 療
6.予 後
9.膀胱・尿道の先天異常
I.膀胱憩室
II.尿膜管異常
III.膀胱外反,尿道上裂,総排泄腔外反
IV.後部尿道弁
1.病 態
2.症状と診断
3.治 療
4.合併症の治療
5.予 後
V.前部尿道弁,前部尿道憩室
VI.先天性尿道狭窄
VII.前立腺小室嚢胞(ミュラー管嚢胞)
VIII.重複尿道
IX.巨大尿道
10.神経因性膀胱
1.概念と病態
2.検査と診断
3.合併症
4.治 療
5.予 後
11.機能的排尿障害と遺尿症
I.機能的排尿障害
II.夜尿症
1.概 念
2.病 因
3.評 価
4.治 療
III.昼間遺尿症
12.性分化異常
I.正常の性分化
II.性分化異常
III.半陰陽
13.女子の外陰部異常
I.陰唇癒着
II.腟欠損
III.処女膜閉鎖
IV.傍尿道嚢腫
V.尿管瘤の尿道外脱出
VI.尿道脱
14.陰茎の異常
I.包 茎
1.包茎の合併異常
2.合併異常の治療
3.包茎の治療
II.尿道下裂
1.病 因
2.病 態
3.診 断
4.治 療
5.術後合併症とフォローアップ
III.その他の陰茎の異常
1.ミクロペニス(小陰茎)
2.埋没陰茎
3.傍尿道口嚢腫
4.重複陰茎
5.陰茎欠損
15.停留精巣と移動精巣
1.精巣の位置異常と欠損
2.病 態
3.合併症
4.診 断
5.治 療
6.予後とフォローアップ
16.精巣水瘤と精索水瘤
1.分 類
2.症状と診断
3.治 療
17.急性陰嚢症
I.精索捻転
1.病 態
2.症状と診断
3.治 療
II.精巣上体炎
III.精巣付属器捻転
IV.その他の急性陰嚢症
1.嵌頓ヘルニア
2.陰嚢部外傷
3.シェーンライン・ヘノッホ紫斑症
4.特発性陰嚢浮腫