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カテゴリー: 皮膚科学  |  臨床薬学

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アトピー性皮膚炎治療のための

ステロイド外用薬パーフェクトブック

1版

杏林大学医学部皮膚科学教室 教授 塩原哲夫 編集

定価

3,520(本体 3,200円 +税10%)


  • A5判  207頁
  • 2015年12月 発行
  • ISBN 978-4-525-34141-1

ステロイド外用薬の全てがわかる一冊!

アトピー性皮膚炎治療の主役であるステロイド外用薬.いまだにステロイド忌避は根強く残っているが,一方で,安全性への過信も広がりつつある.
本書は,アトピー性皮膚炎に対してステロイド外用薬をいかに考え,使いこなすかを徹底解説した「ステロイド外用薬の全てがわかる」一冊である.

  • 序文
  • 目次
序文
 ステロイド外用薬は現在でもアトピー性皮膚炎治療薬の主役であり,少なくとも今後10年間は,これを上回る新規外用薬が開発されるとは思えない.それほど強力な効果を持つ外用薬だからこそ,その使い方には様々な注意が必要となる.一時吹き荒れたステロイドバッシングの嵐は,ステロイドに対する冷静な検討をする暇を与えなかった.しかしその嵐が過ぎ去った今,使い方についての検討が十分になされないまま,安全な薬であるとのいわれなき過信が広がって来ているようにも感じられる.
 ステロイド外用薬に対する基礎知識は,各製薬会社が開発競争に凌ぎを削った1970〜80年代を中心に急速に進歩したものの,開発競争の終焉とともに,多くの人の関心事から遠いものとなった.その結果,ステロイド外用薬についての知識の乏しい医師も現れるようになった.そのような状況で企画された月刊誌「薬局」2013年5月号 特集「ステロイド外用剤─アトピー性皮膚炎治療に活かす視点」は,ステロイド外用薬のすべてがわかるガイドブックとして大好評を持って迎えられた.本書はそれをさらにup-dateした最新版であり,前著を上回る内容になっている.これを読んでおけば,ステロイド外用薬のすべてがわかると言っても言い過ぎではない内容になったと自負している.編者の厳しい要求に答えて,ご執筆,ご加筆頂いた著者の方々の協力の賜物であると感謝している.
 ステロイド外用薬を処方する医師ばかりでなく,それを扱う看護師,薬剤師から使用する患者に至るまで,全ての人の座右に本書を備えるべきと考えている.

2015年10月
杏林大学医学部皮膚科学教室
教授
塩原哲夫
目次
第1章  ステロイド外用薬を使いこなすための基礎知識

1 ステロイド外用薬の構造と薬理活性
・ステロイド薬の構造と薬理活性
・ステロイド薬の免疫作用
・ステロイド外用薬の薬理活性による分類
・ステロイド外用薬の吸収の相違
・ステロイド抵抗性

2 アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬の作用機序
・ステロイド薬の一般的な薬理作用
・ステロイド外用薬の作用点
・Th1/Th2バランスとステロイド外用薬
・ステロイド受容体発現とタキフィラキシー
・ステロイド外用薬の作用特性を踏まえた適切な使い方

3 ステロイド外用薬の経皮吸収と影響を与える因子
・ステロイド薬の経皮吸収経路と物性
・体内動態
・部位別の経皮吸収
・経皮吸収と基剤や剤形との関係
・経皮吸収と皮膚の状態の関係

4 ステロイド外用薬の希釈と保湿剤との混合についての考え方
・基剤の問題
・混合後の皮膚透過性
・混合後の主薬の安定性

5 アトピー性皮膚炎患者の角層機能と保湿剤,ステロイド外用薬治療の影響
・皮膚の構造とバリア機能
・バリア機能を担う角層細胞間脂質
・生体角層のバリア機能測定
・角層の保湿機能
・乳児で発症するアトピー性皮膚炎
・ステロイド外用薬の影響

6 アトピー性皮膚炎治療におけるステロイド外用薬のエビデンス
・短期的有効性と安全性のエビデンス
・長期的安全性のエビデンス
・量的問題のエビデンス
・部位的問題のエビデンス
・ステロイド外用薬のランク(グレード)の問題
・基剤とランクの問題

第2章  アトピー性皮膚炎治療を実践するための基礎知識

1 わが国におけるアトピー性皮膚炎の実態
・乳幼児
・学童児
・思春期・成人期

2 アトピー性皮膚炎の発症と増悪に関連する要因
・遺伝的背景
・免疫学的変化
・感染とアトピー性皮膚炎
・外来抗原と自己抗原
・神経と瘙痒

3 アトピー性皮膚炎の評価方法と重症度分類
・重症度の評価スケール
・血清TARC値による重症度評価

第3章  日米アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの違い

1 日米ガイドラインにおけるステロイド外用薬の選び方・使い方
・ステロイドの作用機序 
・アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用薬の使用法
・使用上の注意(日米の比較)
・同効薬・類似薬の使い分け
・ガイドラインでの位置付け

第4章  ライフステージに合わせたステロイド外用療法の実際

1 乳・幼児
・あるサイトの記事から
・2013年3月5日(火曜日)の外来で
・臨床例から
・ステロイド外用薬処方時のポイント

2 小 児
・小児皮膚
・小児アトピー性皮膚炎の特徴
・小児アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用療法の実際
・小児アトピー性皮膚炎のステロイド外用治療における患児・家族との関係

3 成 人
・体幹・四肢の皮疹に対する重症度ごとのステロイド外用薬の選択
・顔面・頸部の皮疹
・頭部の皮疹
・アドヒアランスへの配慮

4 妊婦・授乳婦
・妊婦・授乳婦とアトピー性皮膚炎
・ステロイド外用薬の妊婦へ影響の検討
・ステロイド外用の妊婦への危険性
・ステロイド外用の授乳婦への危険性
・具体的な症例と処方例

第5章  アトピー性皮膚炎の増悪・進展か有害事象かの見極め

1 ステロイド外用薬による接触皮膚炎
・ステロイド外用薬による接触皮膚炎の診断のポイント
・ステロイド外用薬による接触皮膚炎
・ステロイド外用薬の交差反応性
・アトピー性皮膚炎患者におけるパッチテスト結果

2 アトピー性皮膚炎の増悪と鑑別が難しい酒さ様皮膚炎
・見極めのポイント
・対応のポイント

3 白内障・緑内障
・アトピー白内障
・ステロイド緑内障
・免疫抑制薬による白内障・緑内障発症予防

4 ステロイド薬中止後の症状の悪化とカポジ水痘様発疹症
・カポジ水痘様発疹症とは
・KVEを発症させる要因
・KVEに対する制御性T細胞
・ステロイド治療の中止がなぜKVEをもたらすか?
・KVEの治療

第6章  アトピー性皮膚炎患者に対する指導の極意

1 アトピー性皮膚炎治療における薬学管理の実践
・処方監査
・塗布量
・塗布回数
・副作用
・保存方法
・グループ治療

2 アトピー性皮膚炎患者のアドヒアランスとその関連要因
・アトピー性皮膚炎患者(保護者)の治療アドヒアランスを阻害する要因と高める要因
・ステロイド忌避とアドヒアランス
・ステロイド忌避の克服とアドヒアランス行動
・長期的なアドヒアランス行動の改善

3 “corticosteroid-phobia”と心身医学的アプローチ
・アトピー性皮膚炎の心身医学的側面と治療環境への不適応
・ステロイド忌避の理由とその対策
・適切な外用療法について繰り返し説明
・薬剤師との連携による外用薬の服薬指導の重要性
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