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カテゴリー: 小児科学  |  感染症学

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小児感染症コンサルテーション 八人の侍が答えるスキマの疑問

1版

兵庫県立こども病院 感染症内科 部長 笠井正志 編集
兵庫県立尼崎総合医療センター 小児救急集中治療科 科長,
小児感染症内科 科長 伊藤雄介 編集
岩見沢市立総合病院 小児科 医長 富樫篤生 編集
JA静岡厚生連静岡厚生病院 小児科 診療部長 田中敏博 編集

定価

3,960(本体 3,600円 +税10%)


  • A5判  290頁
  • 2022年6月 発行
  • ISBN 978-4-525-28231-8

日常診療の何気ない疑問を解消する!

日ごろ行っている治療や検査のなかで疑問に思うことは多々ある.なんとなく「正しい」と思われる方法だがエビデンスが明確でなく知識のスキマとなっていることがある.筆者らもそのような経験をし,抱いた疑問を話し合ってきた.本書はそんな疑問を解消したい「同志」のための虎の巻である.

  • 刊行のことば
  • 序文
  • 目次
刊行のことば
 本書は,日本小児感染症学会の主催で2010年から2017年まで毎年夏に開催された若手会員研修会が土台となって刊行に至りました.
 第1回の研修会の開催は,新型インフルエンザウイルスが世界を騒がせたその翌年でした.本書が刊行される今日,新型コロナウイルスとの格闘が進行形です.この2つのパンデミックは,未知の感染症に対して,積み重ねた知識や経験が生きる場面と,それだけでは立ち行かない場面,両方を体感させてくれました.
 2つのパンデミックの間に,ヒブ,肺炎球菌をはじめとする各種ワクチンが定期接種化されて普及し,わが国における小児の感染症の全体像が大きく変化しました.そのような中で発生する症例との対峙は,知識と経験をもとにした思考力が試される時間でもあります.
 パンデミックやワクチンの普及を通じて,教科書や論文に書かれていること,海外で慣習とされていること,自分自身が経験してきたこと,それらすべてを土台にして,さらに「考える」力が大切であることを我々は学んでいます.
 本書は,小児科診療の現場で日々遭遇する当たり前と思われている事項について,執筆者一人ひとりの考えるプロセスが克明に記されています.現在の正解,ベストアンサーが,明日には変わるかもしれません.しかし,「考える」こととそのプロセスを見失わない限り,必ずその時点の正解,ベストアンサーに近づいていけることでしょう.日常診療のふとした瞬間に本書を手にとっていただき,自身の“当たり前”を検証し,考えて,次のアクションにつなげていただけたなら,研修会の運営と本書の企画に関わった立場として,望外の喜びです.

2022年4月
田中敏博
序文
‒ 悶々から生まれたスキマを埋め続ける ‒

 今や伝説となっているかどうか知りませんが,2010年から2017年まで年1回,日本小児感染症学会夏期セミナーの人気企画「お宅,どう?」セッションが開催されていました.その頃の小児感染症は診療に関してローカルルールが横溢していました.特に抗菌薬治療では,ウイルスであっても予防的治療,治療開始はCRPで判断,治療終了はCRPが下がるまで,などなどカオスな状態でした.もちろんそれらの経験に裏付けされた現場主義的なやり方が全て間違っているとは言い切れませんが,そこの参加者から「悶々」が渦巻いていました.本書の執筆者達がその頃はまだ若手参加者として参加し,セッションも飲み会も盛り上げてくれていた方々です.
 小児感染症診療,特に気管支炎や肺炎など小児科のコモンな感染症では,定義も曖昧でなかなかエビデンスが作られにくく,スッキリとした答えがないことが大半です.すなわち「スキマ」だらけです.でも正しいに近い答えはあると信じ,良い問いを生み出し,感染症で苦しむ子どもたちのために,考え続けカイゼンし続ける「情熱」こそが,そのスキマを埋めてくれます.
 当時,小児感染症への情熱で溢れている小児感染症医達のスキマから生み出された現場目線のクエスチョンに対して,あれから10年近く経験を積んだ執筆者達が現時点での優れた回答とその思考過程を言語化し,書籍化されました.日々現場で子どもたちのために戦っている若手医師の「悶々」に答えることができる実践の書であり,エキスパートの考え方を知ることができる読み物でもあるハイブリッド本です.また新たなクリニカルクエスチョンを生み出すきっかけになる可能性を秘めています.そしてリサーチクエスチョンに昇華され,わが国の小児感染症領域からの素晴らしい臨床研究につながることも期待されます.ぜひ未来のために,そして今と未来の子どもたちのために本書を活用し,いろんなスキマをもっと一緒に埋めていきましょう.

2022年4月
笠井正志
目次
一.CRP
疑問1 CRPの特徴を教えてください
疑問2 感染症以外で,CRPが上がる原因は何ですか?
疑問3 CRPは感染症の診断に使えますか?
疑問4 CRPは重症度判定に使えますか?
疑問5 CRPは治療効果判定に使えますか?
疑問6 新生児敗血症はCRPで判断できますか?

二.CRP以外のバイオマーカー
疑問1 プロカルシトニンの使い方を教えてください
疑問2 不明熱で好酸球が高いときは寄生虫症を疑いますか?
疑問3 血沈はいつ使いますか?
疑問4 β-D- グルカンの使い方を教えてください
疑問5 白血球左方移動はどのくらいアテになりますか?
疑問6 単球が多いのはウイルス感染ですか?
疑問7 エンドトキシン測定の意義は何ですか?

三.血液培養の実際
疑問1 どんなときに血液培養検査をしますか?
疑問2 コンタミネーションかどうかの判断はどのように行いますか?
疑問3 小児で血液培養の検体を採るときの具体的なやり方はありますか?
疑問4 血液培養検査陰性の判断は培養開始何時間後が適切ですか?
疑問5 小児用ボトルって成人用と何か違いがありますか?
疑問6 嫌気ボトルの使い方を教えてください

四.抗菌薬
疑問1 小児の抗菌薬選択で成人と異なることは何ですか?
疑問2 必ず広域抗菌薬から始めないとだめですか?
疑問3 抗菌薬の投与量はどうやって決めますか?
疑問4 アンチバイオグラムとは何ですか? どう使うのですか?
疑問5 小児でTDMが必要な薬剤投与時の注意点はありますか?
疑問6 バイオアベイラビリティとは何ですか?
疑問7 経口抗菌薬の使いどころを教えてください
疑問8 小児でもOPATはできますか?
疑問9 β-ラクタム系抗菌薬投与中に皮疹が出た場合の対応について教えてください
疑問10 β-ラクタム系抗菌薬は,静注よりも点滴静注のほうがいいですか?

五.de-escalation
疑問1 de-escalationとは何ですか? エビデンスはありますか?
疑問2 緑膿菌の血流感染症でピペラシリン単剤にde-escalationしても大丈夫ですか?
疑問3 広域と狭域の境目はどこですか?
疑問4 経口スイッチの基準と量を教えてください
疑問5 発熱性好中球減少患者にde-escalationしてもいいですか?
疑問6 複数菌種の感染はどこまで想定すべきでしょうか?

六.外用抗菌薬
疑問1 小児の抗菌薬軟膏の使いどころを教えてください
疑問2 抗菌薬軟膏の副作用の特徴を教えてください
疑問3 出生直後の新生児に抗菌点眼薬をするのはなぜですか?
疑問4 細菌性結膜炎への抗菌点眼薬を使う理由は何ですか?
疑問5 抗菌点眼薬ってニューキノロン系ばかりだけど新生児や乳児でも大丈夫ですか?
疑問6 SSI予防として抗菌点眼薬は推奨されていますか?
疑問7 抗菌点耳薬はどう使えばいいですか?
疑問8 抗菌点耳薬の副作用など注意すべき点は何ですか?

七.小児特有の院内感染対策
疑問1 小児の感染対策の特徴を教えてください
疑問2 院内感染対策で,参考になるガイドライン,教科書を教えてください
疑問3 感染対策上,気を付けるべき疾患は何ですか?
疑問4 おもちゃの管理はどうすればいいですか?
疑問5 入院する小児のワクチンはどうしたらいいですか?
疑問6 入院時にMRSAなど薬剤耐性菌のスクリーニング検査をルーチンでやったほうがいいですか?

八.耐性菌
疑問1 最近,小児で問題になっている耐性菌は何ですか?
疑問2 小児でも耐性菌は増えていますか?
疑問3 AMR 対策アクションプランは小児も関係ありますか?
疑問4 抗菌薬適正使用を進める上で参考になる資料はありますか?
疑問5 PICUやNICUでも抗菌薬の適正使用は進められるのですか?

九.3ヵ月未満の発熱児
疑問1 3ヵ月未満の発熱はなぜやばいんですか?
疑問2 血液検査,尿検査,髄液検査の適応は?
疑問3 low risk criteriaは使えますか?
疑問4 ウイルス迅速抗原検査が陽性なら他の検査は不要ですか?
疑問5 ワクチン接種後の発熱やうつ熱はどう区別していますか?

十.溶連菌感染症
疑問1 急性咽頭炎の原因と鑑別疾患について教えてください
疑問2 溶連菌による急性咽頭炎の治療の目的は何ですか?
疑問3 溶連菌の治療は何を使えばいいですか?
疑問4 治療後の検尿はしたほうがいいですか?
疑問5 診断criteriaは小児でも使えますか? 迅速診断キットの立ち位置を教えてください
疑問6 再発例や保菌疑いの治療,家族内除菌,扁桃摘出は適応しますか?
疑問7 咽頭炎以外にどんな症状がありますか?
 
十一.菌血症
疑問1 小児で菌血症を起こしやすい疾患は何ですか?
疑問2 菌血症と敗血症の違いは何ですか?(小児の敗血症の定義とは?)
疑問3 血液培養が陽性のとき,菌の同定までに何かしたほうがいいですか?

十二.下気道感染症
疑問1 小児の下気道感染症,起炎微生物は何ですか?
疑問2 細菌性肺炎の治療について教えてください
疑問3 吸入療法って効きますか? 何を使えばいいですか?
疑問4 培養検査の何を出せばいいですか?

十三.マイコプラズマ感染症
疑問1 小児のマイコプラズマ感染症の特徴を教えてください
疑問2 検査について教えてください
疑問3 マクロライド耐性マイコプラズマはいつ疑えばいいですか?
疑問4 ステロイドを使用する適応は?
疑問5 マクロライド系抗菌薬を内服できない小児の治療を教えてください

十四.百日咳
疑問1 百日咳の特徴を教えてください
疑問2 百日咳はどうやって診断していますか?
疑問3 マクロライド系以外の抗菌薬は効きますか?
疑問4 抗菌薬以外の治療について教えてください
疑問5 2018 年から5歳以上7歳未満でDPTワクチンの追加接種が推奨されるようになったのはなぜですか?
疑問6 妊婦へのワクチン接種で赤ちゃんを守れるって本当ですか?

十五.尿路感染症
疑問1 小児の尿路感染症で特徴的な症状や所見はありますか?
疑問2 全員にカテーテル尿を取るのは大変なんですけど,いい手はありますか?
疑問3 尿が少ししか取れなかったら,何の検査をしたらいいですか?
疑問4 男児で尿路感染症を起こした場合は尿路奇形があると思ったほうがいいですか?
疑問5 尿路感染と診断した乳児は,生後何ヵ月まで髄液検査もしたほうがいいですか?
疑問6 小児の上部尿路感染症のエンピリックセラピーを教えてください
疑問7 ESBL 産生菌による尿路感染症が心配です
疑問8 尿路感染症後の排尿時膀胱尿道造影検査や予防内服はどうすればいいですか?

十六.骨軟部組織感染症
疑問1 小児の骨軟部組織感染症の特徴を教えてください
疑問2 骨髄炎? 関節炎? 蜂窩織炎? 鑑別のための画像検査を教えてください
疑問3 骨軟部組織感染症を疑ったときの培養検査はどうしますか?
疑問4 小児の骨軟部組織感染症の治療について教えてください
疑問5 手術の適応は?
疑問6 関節液のグラム染色も培養も陰性の場合はどうしますか?
疑問7 関節液の細胞数や糖やタンパクって参考にできますか?
疑問8 眼窩蜂窩織炎が他の蜂窩織炎と異なることは何ですか?

十七.髄膜炎
疑問1 どんなときに髄膜炎を疑いますか?
疑問2 腰椎穿刺の禁忌は何ですか?
疑問3 腰椎穿刺の前にCTをとる必要はありますか?
疑問4 代表的な起炎菌と抗菌薬について教えてください
疑問5 髄膜炎の治療期間について教えてください
疑問6 先行抗菌薬が入っていたらどうしたらいいですか?
疑問7 抗菌薬以外の治療はどうしたらいいですか?
疑問8 硬膜下水腫,硬膜下膿瘍はどのように管理しますか?
疑問9 ワクチン後の疫学的な変化を教えてください
疑問10 神経学的な予後は? 外来フォローはどうすればいいですか?

十八.新型コロナウイルス感染症
疑問1 小児はCOVID-19にかかりやすいですか?
疑問2 小児のCOVID-19を症状で見分けるコツを教えてください
疑問3 検査でRSウイルスが陽性になりました.新型コロナウイルスが共感染している心配はありますか?
疑問4 院内で気を付けるべき感染対策は何ですか?
疑問5 小児が重症になるハイリスク因子は何ですか?
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