カテゴリー: 神経学/脳神経外科学 | リハビリテーション医学
チームで支えるパーキンソン病
1版
国立病院機構西新潟中央病院脳神経内科 髙橋哲哉 編
定価
4,950円(本体 4,500円 +税10%)
- B5判 225頁
- 2026年6月 発行
- ISBN 978-4-525-26071-2
専門性を持ち寄ることで解決できる課題がある!
パーキンソン病の患者数は年々増加しており,デバイス補助療法をはじめとする治療法の進歩に伴い,対応も複雑化しています.パーキンソン病は,医師のみならず,看護師,薬剤師,リハビリ職などの多職種が専門性を持ち寄ってみていく疾患であり,多職種連携の重要性がいっそう高まっています.本書では,パーキンソン病診療チームで働く専門職の方々向けに,基礎知識や各専門職の具体的な対応を解説しました.また,全国のパーキンソン病センターの先進的な取り組みも紹介しています.病院・施設・在宅医療などの現場で,多職種が知識や技術を生かしながら患者を支えていくための実践的な一冊です.
- 序文
- 目次
序文
近年,パーキンソン病の診療に携わる皆様は「パーキンソン・パンデミック」や「パーキンソン病診療における多職種連携の重要性」といった言葉を頻繁に耳にしていることと思います.近い将来,パーキンソン病の患者数は大幅に増加すると予想され,高齢化の進む日本では,この傾向はさらに顕著になると考えられています.パーキンソン病の治療には症状の把握は当然重要ですが,運動症状・非運動症状は多彩で個人差も大きく,症状が現れる時間が多様であり,観察を難しくしています.さらに,デバイス補助療法や薬剤の種類が増え,患者さんにとっては自己管理がますます困難になっています.リハビリテーションや栄養管理も重要です.これらを解決するため,多職種連携の必要性がますます高まっています.
海外では,パーキンソン病専門看護師(PDナース)が,患者さんの生活の質(QOL)向上に大きく貢献しています.イギリスでは,1990年代からPDナースの育成が始まり,ヨーロッパ諸国,オーストラリア,タイ,アメリカなどでも育成が進んでいます.一方,日本では制度上の問題もありPDナースの育成・普及が遅れていました.
日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ)はPDナース研修会を2016年から開始し,2022年からは対象を拡大して「パーキンソン病療養指導士」資格認定制度を開始し,より多くの職種の人材育成と,主体的な関与の促進を目指しています.このための「PDナース・メディカルスタッフ研修会」は参加希望者が多く,近年は募集開始日に定員が埋まる状況で,パーキンソン病に対する関心の高さが伺えます.またMDSJの主催する学術集会では多職種連携セッションや発表での活発な議論が例年行われており,こうした多職種での熱量の高さが本書出版のきっかけとなりました.
本書『チームで支えるパーキンソン病』は,多職種連携の最新情報と実践的な知識を効率よく得るため,パーキンソン病診療に関わる様々な職種の専門家が,それぞれの立場からのパーキンソン病患者さんを支えるための知識や技術を共有することを目的にしています.
本書は,以下の3部構成となっています.
I. パーキンソン病の一般知識:疫学,症状,診断,治療など,パーキンソン病に関する基礎的な知識を解説します.
II. 各専門職におけるパーキンソン病の対策:各専門職がパーキンソン病患者さんに対してどのように関わっていくべきかを症例を挙げながら具体的に解説します.
III. 全国のパーキンソン病センターの取り組み:各地のパーキンソン病センターにおける先進的な取り組みを紹介します.
本書がパーキンソン病患者さんのQOL向上に貢献することや,多職種連携チームの発展,新規の立ち上げに役立つことを願っています.
最後に,本書の出版にご尽力いただいた出版社の皆様に心より感謝申し上げます.
2026年3月
髙橋哲哉
海外では,パーキンソン病専門看護師(PDナース)が,患者さんの生活の質(QOL)向上に大きく貢献しています.イギリスでは,1990年代からPDナースの育成が始まり,ヨーロッパ諸国,オーストラリア,タイ,アメリカなどでも育成が進んでいます.一方,日本では制度上の問題もありPDナースの育成・普及が遅れていました.
日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ)はPDナース研修会を2016年から開始し,2022年からは対象を拡大して「パーキンソン病療養指導士」資格認定制度を開始し,より多くの職種の人材育成と,主体的な関与の促進を目指しています.このための「PDナース・メディカルスタッフ研修会」は参加希望者が多く,近年は募集開始日に定員が埋まる状況で,パーキンソン病に対する関心の高さが伺えます.またMDSJの主催する学術集会では多職種連携セッションや発表での活発な議論が例年行われており,こうした多職種での熱量の高さが本書出版のきっかけとなりました.
本書『チームで支えるパーキンソン病』は,多職種連携の最新情報と実践的な知識を効率よく得るため,パーキンソン病診療に関わる様々な職種の専門家が,それぞれの立場からのパーキンソン病患者さんを支えるための知識や技術を共有することを目的にしています.
本書は,以下の3部構成となっています.
I. パーキンソン病の一般知識:疫学,症状,診断,治療など,パーキンソン病に関する基礎的な知識を解説します.
II. 各専門職におけるパーキンソン病の対策:各専門職がパーキンソン病患者さんに対してどのように関わっていくべきかを症例を挙げながら具体的に解説します.
III. 全国のパーキンソン病センターの取り組み:各地のパーキンソン病センターにおける先進的な取り組みを紹介します.
本書がパーキンソン病患者さんのQOL向上に貢献することや,多職種連携チームの発展,新規の立ち上げに役立つことを願っています.
最後に,本書の出版にご尽力いただいた出版社の皆様に心より感謝申し上げます.
2026年3月
髙橋哲哉
目次
Ⅰ章 パーキンソン病の一般知識
1 総 論
疫 学
パーキンソン病と多職種連携の国内・海外の動向
2 症 候
運動症状
事例 歩行障害の病態評価に注意を要した一例
非運動症状
事例 過食でPDらしくない便秘を発症した70歳男性
3 診 断
パーキンソン病でみられる主な検査所見
鑑別診断
4 治 療
治療総論
薬物療法
手術療法
MEMO ドパミン調節障害
COLUMN 高齢発症のパーキンソン病
事例 高齢で発症し,パーキンソン病と診断されるまでに時間を要し,施設入所した事例
Ⅱ章 各専門職におけるパーキンソン病の対策
1 リハビリテーション専門職(理学療法士,作業療法士,言語聴覚士)
入院リハビリテーション
事例 入院中,多職種で関わることでQOL の改善が認められた事例
外来リハビリテーション
事例 進行期の患者で対応に苦慮した事例
事例 体幹屈曲により食事困難だった事例
MEMO DXと多職種連携
MEMO QOLと生きがい
MEMO パーキンソン病患者のQOL評価
2 薬剤師
薬物療法で問題になりやすい点とその対策
事例 服薬コンプライアンスが悪化し始めた患者への対応
服薬指導の実際
3 栄養士
やせとその対策
栄養食事指導の実際
4 耳鼻咽喉科医
嚥下障害の機能評価
嚥下障害に対する外科的治療
5 歯科医
パーキンソン病における嚥下障害(歯科の視点から)
6 整形外科医
転倒・骨折と骨粗鬆症,腰曲がり
事例 転倒による大腿骨近位部骨折
事例 腰曲がりの併発で転倒リスクが高まった事例
7 泌尿器科医
パーキンソン病の排尿障害
事例 過活動膀胱症状を認めた患者への薬物療法による有害事象で尿閉に至った事例
8 消化器内科医
パーキンソン病の消化管機能障害
9 看護師
入院でのケアの問題になる点と対策
事例 退院してしばらくすると体調を崩し,転倒も頻回になる事例
事例 看護ケアに症状日誌を活用した事例
事例 嚥下障害のある患者の摂食状況を改善した事例
事例 環境調整で転倒・転落を予防した事例
訪問看護での留意点(大切にしていること)
事例 訪問看護で二人暮らしが支えられた事例
事例 訪問看護により自宅生活が継続された事例
外来移行時の問題点
事例 本人の意向を大事にし多職種で支援した事例
10 臨床心理士
パーキンソン病の神経心理検査の特徴と留意点
事例 就業継続のためにDBSを希望した男性(58歳)
事例 自宅での転倒が増え,サービス利用を検討するため入院した女性(72歳)
11 医療ソーシャルワーカー
医療費,障害者手帳,生活支援,経済的保障
12 ケアマネジャー
介入の実際
事例 夫の入院をきっかけに症状が悪化した事例
13 難病相談支援センター
患者を対象としたイベント,就労支援,患者会の紹介
事例 薬を飲んでも症状があまりよくならない
事例 症状が進んできたが,リハビリなど自分でできることはないか
事例 仕事が続けられるか心配
14 自治体
新潟県・新潟市での難病対策
事例 高齢者二人世帯の支援事例
事例 40 代の患者と発達障害のある子どもの支援事例
事例 一人世帯の支援事例
新潟県難病医療ネットワーク事業
事例 サービス提供側と患者・家族との関係性を構築できた事例
COLUMN 難病リハビリについて
Ⅲ章 全国のパーキンソン病センターの取り組み
1 国立病院機構 鳥取医療センター
MEMO パーキンソン病多職種連携ケアサポートチーム会議(PST)について
2 国立病院機構 仙台西多賀病院
MEMO パーキンソン病ケアのバトンをつなぐ――「患者」から「生活者」への視点転換
3 慶應義塾大学病院
4 福岡大学病院
5 国立病院機構 西新潟中央病院
事例 短期集中入院によりADLが回復し,自宅退院できた事例
COLUMN 難病を抱えて生きるということ
巻末付録
1 パーキンソン病患者が利用できる可能性のある主な制度一覧
2 パーキンソン病や類縁疾患の診断基準
3 薬剤性パーキンソニズムを起こしやすい薬剤の一覧
4 評価・検査
索 引
1 総 論
疫 学
パーキンソン病と多職種連携の国内・海外の動向
2 症 候
運動症状
事例 歩行障害の病態評価に注意を要した一例
非運動症状
事例 過食でPDらしくない便秘を発症した70歳男性
3 診 断
パーキンソン病でみられる主な検査所見
鑑別診断
4 治 療
治療総論
薬物療法
手術療法
MEMO ドパミン調節障害
COLUMN 高齢発症のパーキンソン病
事例 高齢で発症し,パーキンソン病と診断されるまでに時間を要し,施設入所した事例
Ⅱ章 各専門職におけるパーキンソン病の対策
1 リハビリテーション専門職(理学療法士,作業療法士,言語聴覚士)
入院リハビリテーション
事例 入院中,多職種で関わることでQOL の改善が認められた事例
外来リハビリテーション
事例 進行期の患者で対応に苦慮した事例
事例 体幹屈曲により食事困難だった事例
MEMO DXと多職種連携
MEMO QOLと生きがい
MEMO パーキンソン病患者のQOL評価
2 薬剤師
薬物療法で問題になりやすい点とその対策
事例 服薬コンプライアンスが悪化し始めた患者への対応
服薬指導の実際
3 栄養士
やせとその対策
栄養食事指導の実際
4 耳鼻咽喉科医
嚥下障害の機能評価
嚥下障害に対する外科的治療
5 歯科医
パーキンソン病における嚥下障害(歯科の視点から)
6 整形外科医
転倒・骨折と骨粗鬆症,腰曲がり
事例 転倒による大腿骨近位部骨折
事例 腰曲がりの併発で転倒リスクが高まった事例
7 泌尿器科医
パーキンソン病の排尿障害
事例 過活動膀胱症状を認めた患者への薬物療法による有害事象で尿閉に至った事例
8 消化器内科医
パーキンソン病の消化管機能障害
9 看護師
入院でのケアの問題になる点と対策
事例 退院してしばらくすると体調を崩し,転倒も頻回になる事例
事例 看護ケアに症状日誌を活用した事例
事例 嚥下障害のある患者の摂食状況を改善した事例
事例 環境調整で転倒・転落を予防した事例
訪問看護での留意点(大切にしていること)
事例 訪問看護で二人暮らしが支えられた事例
事例 訪問看護により自宅生活が継続された事例
外来移行時の問題点
事例 本人の意向を大事にし多職種で支援した事例
10 臨床心理士
パーキンソン病の神経心理検査の特徴と留意点
事例 就業継続のためにDBSを希望した男性(58歳)
事例 自宅での転倒が増え,サービス利用を検討するため入院した女性(72歳)
11 医療ソーシャルワーカー
医療費,障害者手帳,生活支援,経済的保障
12 ケアマネジャー
介入の実際
事例 夫の入院をきっかけに症状が悪化した事例
13 難病相談支援センター
患者を対象としたイベント,就労支援,患者会の紹介
事例 薬を飲んでも症状があまりよくならない
事例 症状が進んできたが,リハビリなど自分でできることはないか
事例 仕事が続けられるか心配
14 自治体
新潟県・新潟市での難病対策
事例 高齢者二人世帯の支援事例
事例 40 代の患者と発達障害のある子どもの支援事例
事例 一人世帯の支援事例
新潟県難病医療ネットワーク事業
事例 サービス提供側と患者・家族との関係性を構築できた事例
COLUMN 難病リハビリについて
Ⅲ章 全国のパーキンソン病センターの取り組み
1 国立病院機構 鳥取医療センター
MEMO パーキンソン病多職種連携ケアサポートチーム会議(PST)について
2 国立病院機構 仙台西多賀病院
MEMO パーキンソン病ケアのバトンをつなぐ――「患者」から「生活者」への視点転換
3 慶應義塾大学病院
4 福岡大学病院
5 国立病院機構 西新潟中央病院
事例 短期集中入院によりADLが回復し,自宅退院できた事例
COLUMN 難病を抱えて生きるということ
巻末付録
1 パーキンソン病患者が利用できる可能性のある主な制度一覧
2 パーキンソン病や類縁疾患の診断基準
3 薬剤性パーキンソニズムを起こしやすい薬剤の一覧
4 評価・検査
索 引