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カテゴリー: 免疫・アレルギー学  |  整形外科学

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グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2023

1版

一般社団法人日本骨代謝学会
グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と
治療のガイドライン作成委員会(委員長 田中良哉) 編

定価

3,300(本体 3,000円 +税10%)


  • B5判  130頁
  • 2023年8月 発行
  • ISBN 978-4-525-23961-9

ステロイド薬にかかわる医療者すべてに必携のガイドライン

本ガイドラインは,日本骨代謝学会によって2004年に策定された『ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン』の改訂版である.近年,骨粗鬆症薬の開発,本疾患に対する薬剤の評価が精力的に行われ,膨大なエビデンスが蓄積してきた.そこで,本疾患の診療のエキスパートがこれらの科学的根拠を基に合議的会議を経て,現状における最善の診療法,治療法の「推奨」をまとめ,『グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン2023』として発刊することとなった.本ガイドラインは,グルココルチコイド(ステロイド)で治療を行う疾患の担当医全般を対象としており,骨粗鬆症診療が専門ではない一般の医師にもおすすめする.

  • 序文
  • 目次
序文
発刊にあたって

 グルココルチコイドは主に副腎皮質から分泌され,生理的代謝を調節してホメオスタシスを維持する内在性ホルモンです.合成グルココルチコイド(ステロイド薬)は,強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を有し,自己免疫疾患,移植拒絶反応など多くの疾患の治療に汎用されます.しかし,合成グルココルチコイドは内在性グルココルチコイドと共通の核内受容体と結合するため,共通のシグナル伝達を介して糖,脂質,骨等の代謝異常を惹起します.
 合成グルココルチコイドによる骨代謝異常症はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症(ステロイド性骨粗鬆症)と呼ばれます.本薬剤の処方による副作用の 1/4 を占め,30〜50%に骨折を生じてQOL を著しく低下させます.発症は,グルココルチコイド投与量・期間に依存するため,本薬剤の適応は慎重に判断されるべきであり,また,原疾患の病態に応じてできる限り少量で投与開始し,速やかに減量,中止すること,適切な管理と治療が推奨されます.
 日本骨代謝学会では,2004 年に『ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン』を策定しました.2014 年改訂版では,日本人のエビデンスに基づきグルココルチコイドを 3ヵ月以上使用中か使用予定の患者で,18 歳以上の男女では一般的指導に加えて,既存骨折,年齢,グルココルチコイド量,骨密度を危険因子として点数評価し,3 点以上ならば治療介入が推奨されました.簡便なアルゴリズムが評価され,日常臨床で幅広く使用されています.
 その後,本疾患の治療薬に関する膨大なエビデンスが蓄積してきました.そこで,本学会のグルココルチコイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン改訂委員会では,治療薬剤を重点的に見直すために,GRADE 法に沿って 17 のクリニカルクエスチョンを設定し,システマティックレビュー,デルファイ法を行って,それぞれのエビデンスレベル,推奨文,推奨度,同意度を策定し,Mindsに準拠したエビデンス度の高い治療ガイドラインを作成しました.
 『グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン 2023 』では,グルココルチコイド使用予定および使用中で,危険因子が 3 点以上の患者に対しては,ビスホスホネート製剤(内服,注射剤),抗 RANKL 抗体,PTH1 受容体作動薬,活性型ビタミン D 薬,または SERM の使用が推奨されています.また,高齢者では骨折予防および治療のためにグルココルチコイド投与と同時に治療薬介入が推奨されます.この診療ガイドラインによって,患者の皆様が適切な診療を受けることができればと祈念しています.

2023年6月
一般社団法人日本骨代謝学会 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン作成委員会 委員長
田中良哉
目次
CQ01 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の患者数,QOL や予後は?
CQ02 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の発症の危険因子は?
CQ03 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の発症とグルココルチコイドの投与量との関連性は?
CQ04 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の診断に有用な症候,検査,画像所見は?
CQ05 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の日常生活指導,栄養指導は?
CQ06 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の薬物治療開始の基準は?
CQ07 活性型ビタミン D はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対して有用か?
CQ08 ビスホスホネート製剤はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対して有用か?
CQ09 SERM はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対して有用か?
CQ10 PTH1 受容体作動薬はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対して有用か?
CQ11 抗 RANKL 抗体はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対して有用か?
CQ12 抗スクレロスチン抗体はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対して有用か?
CQ13 活性型ビタミン D,ビスホスホネート製剤,SERM,遺伝子組換えテリパラチド,抗 RANKL 抗体,抗スクレロスチン抗体の間で有用性に相違は認められるか?
CQ14 小児に対するグルココルチコイド誘発性性骨粗鬆症の予防と治療は?
CQ15 高齢者に対するグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の予防と治療は?
CQ16 妊娠可能年齢の女性に対するグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の予防と治療は?
CQ17 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に伴う脆弱性骨折の外科的治療は?
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