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カテゴリー: 循環器学  |  臨床看護学

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3月下旬発売予定

これから始める成人先天性心疾患

みんなで学び、みんなで支える

1版

心臓病センター榊原病院循環器内科 赤木禎治 編

定価

6,600(本体 6,000円 +税10%)


  • B5判  245頁
  • 2026年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-21471-5

「近くにいるのが当たり前」となった成人先天性心疾患患者さんを支えるための第一歩

新生児の100人に1人は心臓に先天的な異常をもって生まれてくる.かつては救えなかったが,現在では長期生存が可能となった.すると,成人病の合併,拳児希望,就学就労の苦労,といった新たな問題が発生するようになった.
患者数はすでに50万人超ともいわれる.専門医に限らず,医療従事者であれば日常診療で遭遇するのが当たり前と考え,備えておかなければならない.
だが,先天性心疾患は多岐にわたり,手術法も時代によって異なるため,それを解説した既刊本は難解なものばかりで循環器内科医ですら敬遠するほどだった.そこで本書は,「これから始める」ためのステップを提供することを目指した.個別の疾患については解説を控えめとし,患者支援に紙面の多くを割いた.

  • 序文
  • 目次
序文
成人先天性心疾患(ACHD)という言葉を耳にする機会が,着実に増えてきました.日本成人先天性心疾患学会の取り組みによって,全国の都道府県に診療の拠点が整備され,各地域で診療の中核となる施設が位置づけられるようになっています.一方で,患者さんの数はすでに50万人を超えており,診療の体制ができたとはいえ,現場の医療が十分に安定しているとはまだ言えません.専門医も250名を超えましたが,それでも必要な数には届いていません.小児科から循環器内科への「移行医療」が大切だとされていますが,実際にはその過程で医療から離れてしまう方も少なくありません.
現在では,小児科医や循環器内科医だけでなく,家庭医や一般内科医,看護師,さらには学校の養護教諭や企業の方々までが「成人先天性心疾患のある人に出会うのは特別なことではない」と考え,理解を深めていくことが求められています.診療の現場でも「このまま自分のところで診てよいのか,それとも専門施設に紹介すべきか」と迷うケースが増えてきています.
これまでの書籍では,「看護師の役割」「心理的な問題」「社会保障制度」といった項目はあるものの,数ページで簡単に触れられているだけでした.そこで本書は,成人先天性心疾患を専門とする医師以外の方々を主な読者に想定し,患者さんとの接し方を中心にまとめることを目指しました.各疾患の特徴や手術の概要,専門医へ紹介すべきタイミングなどを,経験豊富な専門家がわかりやすく解説しています.病気の詳しい病態の説明は必要最小限にとどめ,日常診療や生活の中ですぐに役立てていただける情報を充実させました.
成人先天性心疾患の診療は,循環器領域のみで完結するものではありません.産婦人科,消化器内科,麻酔科,歯科,看護職など,多くの職種が協力して成り立つ医療です.患者さんは比較的若く元気に生活していることが多いため,症状だけでは病状の進行を見極めにくいことがあります.また,病気によっては悪化する前に早めの治療が望まれる場合もあります.
本書を通して,家庭医や一般内科医,看護師をはじめとする幅広い医療従事者の皆様が,成人先天性心疾患の患者さんに安心して関わることができ,必要に応じて専門施設との連携を円滑に進めるための一助となれば幸いです.

2026年2月
心臓病センター榊原病院循環器内科顧問
赤木禎治
目次
第I部 成人先天性心疾患の患者さんをどのようにサポートするか
 1.なぜ家庭医,一般内科医が成人先天性心疾患を理解する必要があるのか? 赤木禎治
 2.国内の成人先天性心疾患の現状 石津智子
 3.全国の成人先天性心疾患診療施設と専門医 立野滋
 4.学校生活:担任・養護教諭との情報共有など 石戸美妃子
 5.移行医療支援 城戸佐知子
 6.就労支援 落合亮太
 7.精神心理面のサポート 水野芳子
 8.患者の自立,家族との関係 荻野佳代,脇研自
 9.看護師の役割:患者の身近な存在として 山﨑啓子
 10.プレコンセプションケア,妊娠・出産 神谷千津子
 11.遺伝カウンセリング 桂木真司
 12.予防接種への対応 安田謙二
 13.レジャー・スポーツ・海外旅行への指導 武田充人
 14.口腔衛生管理と感染性心内膜炎 大森一弘
 15.救急外来が意識すべきこと 木島康文
 16.モバイルアプリを用いた健康管理 石津智子
 17.成人先天性心疾患診療に関する情報収集 福田旭伸

第Ⅱ部 成人先天性心疾患に対する社会保障と公的書類 
 1.行政支援,ソーシャルワーカー 豊野学朋
 2.申請書類の説明と書き方 赤澤祐介,檜垣高史

第Ⅲ部 さらなるステップアップ:成人先天性心疾患の病態を理解し,積極的に対応できる施設を目指す
 1.地域での診療体制を構築する 松本賢亮
 2.成人先天性心疾患患者を受け入れられる病院を目指すには 小板橋俊美
 3.心不全治療のポイント 杜徳尚
 4.不整脈:診断と治療のポイント 宮﨑文
 5.肺高血圧症治療のポイント 赤木達
 6.カテーテル治療の基本から実践まで 佐地真育
 7.緩和ケアのタイミング 川松直人
 8.専門施設に紹介すべきタイミング/一般内科から患者の紹介を受けたら 稲井慶

第Ⅳ部 日常診療でよく遭遇する成人先天性心疾患への対応と専門医紹介のタイミング
 1.心房中隔欠損症 赤木禎治
 2.心室中隔欠損症 藤井隆成
 3.房室中隔欠損 児玉浩幸,椎名由美
 4.動脈管開存症 金澤英明
 5.Fallot 四徴症 小暮智仁
 6.大血管転位症 石北綾子
 7.Ebstein 病 建部俊介,安田聡
 8.修正大血管転位症 小平真幸
 9.肺動脈閉鎖症術後 小谷恭弘
 10.Fontan 術後 大内秀雄
 11.川崎病の冠動脈病変 山村健一郎
 12.ペースメーカーなど不整脈デバイスの適応と管理 西井伸洋
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