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「薬局」2012年2月 Vol.63 No.2

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2012年2月 Vol.63 No.2
アルツハイマー型認知症治療薬

定価:1,995円(本体1,900円+税5%)

特集の目次

■特集にあたって(鍋島 俊隆)

■新たなステージを迎えるアルツハイマー型認知症の薬物療法(本間 昭)

■アルツハイマー型認知症の発現メカニズムに基づく治療薬の位置付け (田平 武)

■作用メカニズム徹底比較! ドネペジルとの類似点・相違点は?
・ドネペジル(阪井 祐介 ほか)
・ガランタミン(松田 敏夫)
・リバスチグミン(鍋島 俊隆)
・メマンチン(下濱 俊)

■中核症状に対する治療戦略のトレンド
・ドネペジルが構築してきた治療エビデンス(梅垣 宏行)
・AChE阻害薬を開始するタイミング(髙瀬 義昌 ほか)
・AChE阻害薬の選び方と使い方(武田 雅俊)
・AChE阻害薬の切り替え(繁田 雅弘)
・NMDA受容体アゴニスト(メマンチン)を投与するタイミング(遠藤 英俊)
・脳血管障害との関係からみたアルツハイマー型認知症への治療戦略(倉重 毅志 ほか)

■アルツハイマー型認知症治療薬の副作用管理
・薬理学的特徴から予測できる副作用の分類・種類(伊東 和真 ほか)
・副作用軽減を目的としたAD治療薬の投与プラン(馬場 宏之 ほか)
・アドヒアランス向上を目指した副作用説明のポイント(山村 恵子 ほか)
・アルツハイマー型認知症の進行による症状と精神・神経系副作用との鑑別 (鷲見 幸彦)

■今後,開発が期待されるアルツハイマー型認知症治療薬(富田 泰輔)

■Exercise

SERIES

■医療過誤事件から学ぶ薬剤師の失敗学 第2回
・連携調剤と薬剤師の自己研鑽義務
(秋本 義雄)
■Pharm.D.を取り巻く 医療環境レポート
・薬剤性心不全
・薬剤テクニシャンによる投薬チェック(tech-check-tech):その安全性と利益に関するエビデンス
(木村 利美 ほか)
■PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第18回
 ジゴキシン〜TDM-Cal ver.26,Aug 2004〜
(渋谷 正則 ほか)
■もし薬剤師が薬の化学構造式をもう一度勉強したら 第4回
 構造式から薬を読む〈基本骨格編:作用機序②〉
(浅井 考介 ほか)
■FDA新薬情報 最近の新薬承認から
 Jakafi / Eylea /エルウィナーゼ
(石居 昭夫)

NEWS

・糖尿病患者の転倒に注意!
・降圧薬は認知機能を保護する!?
・カロリー制限による延命のバイオマーカー

巻頭言

 人口の高齢化とともに認知症患者が指数的に増加しており,現在260万人といわれている.65歳以上では8世帯に1人,85歳以上では3人に1人が認知症になる.認知症のなかでアルツハイマー型認知症(AD)が50%以上を占める.原因物質としてアミロイドβペプチドが考えられているが,これをターゲットとしての治療薬はまだない.そのため原因療法がなく,対症療法が行われている.
 ADでは発症の初期からアセチルコリン(ACh)作動性神経が脱落することから,AChエステラーゼ(AChE)阻害薬により,AChの分解を抑制し,ACh量を確保する戦略(AChの補充療法)が考えられた.1993年にタクリンが米国で認可されて以来,ドネペジル,リバスチグミン,ガランタミンが海外では使用されているが,日本では1996年にドネペジルが認可されてから,他剤は認可されていなかった.2011年になり待望のガランタミンとリバスチグミンが認可された.一方,ADが進行するとグルタミン酸作動性神経系の異常興奮が認められ,認知機能が低下し,神経細胞が死滅する.これらの症状を緩解するためにグルタミン(NMDA)受容体拮抗薬,メマンチンが開発された.2011年からメマンチンも使用できるようになった.コクラン解析では,どのAChE阻害薬でもADに効果があることから,ドネペジルでは治療が難しかった患者に対して他剤に切り替えること,AChE阻害薬で限界のある患者にはメマンチンを併用するなど,薬物療法の可能性が広がった.
 薬剤師にとって,どのように薬を使い分けるか,どのような剤型を選ぶか,どのようにスイッチするか,どのように副作用をクリアするのか,どのように併用するか,どのようにアドヒアランスを向上するかなど,医師,介護者などにアドバイスする機会が増えている.この特集号は薬剤師がこれら業務を円滑に行えるように,AD治療に対する薬理学的知識,臨床知識,スキルなどを習得していただくために企画した.明日からの薬剤師業務にお役に立てれば幸いである.

鍋島 俊隆
特定非営利活動法人 医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)理事長
名城大学比較認知科学研究所・大学院薬学研究科 所長・教授

次号予告

2012年3月 Vol.63 No.3
小児感染症