南山堂

カートを見る

治療

 ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

治療

ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

2024年5月 Vol. 106 No.5

プライマリ・ケアにおける腰痛診療

ISBN 978-4-525-93004-2

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 巻頭言
  • 特集の目次
  • 連載
巻頭言
国民病の腰痛,いま総合診療医に必要な知識と技術をつかめ!

 厚生労働省の国民生活基礎調査(2022年度)によると,病気や怪我などで自覚症状のある者(有訴者)は人口千人あたり276.5となっており,そのうち最も多い症状は男女ともに腰痛で,人口千人あたり男性91.6,女性111.9である.なお第2位は男女ともに肩こり,女性の第3位および男性の4位が手足の関節が痛むとなっている.このように日本国民の多くが運動器に何らかの症状を有していることがわかる.そのなかでもとくに腰痛に悩まされている国民は多く,2019年の東京大学と日本臓器製薬の共同研究によると,その経済的損失は年間3兆円と試算されている.
 厚生労働省は2013年には『職場における腰痛予防対策指針』を改訂した.そのなかで4日以上の休業を要する腰痛は職業性疾病の60%を占める4,822件発生しており,業種別では社会福祉施設が約19%を占め,10年前に比し2.7倍に増加していると記されている.超高齢社会を迎えている日本において,由々しき問題である.腰痛はわが国のみならず,世界的に共通するcommon diseaseであり,これに対し世界ではさまざまな診療ガイドラインが発表されている.アメリカでは1994年にAgency for Health Care Policy and Research(AHCPR)による腰痛診療ガイドラインが初めて報告され,ヨーロッパでは2006年に慢性非特異的腰痛に関する欧州ガイドラインが,2007年には腰痛症全般に対する米国診療ガイドラインが発刊された.日本では2012年に日本整形外科学会・日本腰痛学会共同で『腰痛診療ガイドライン2012』が発刊され,2019年には第2版へと改訂された.
 一方で腰痛はひとつの疾患ではなく,さまざまな要因から起こる症候群であり,その正確な診断や治療に関してまだまだ確立されているとはいいがたい.今回の特集では,プライマリ・ケアの現場での腰痛診療に必要な知識技術,とくに手術療法の絶対適応,あるいは運動器以外の腰痛を鑑別すること,そして近年話題になっているfasciaに関するアプローチなど,最新の腰痛診療の現状を明らかにしていく.

〔編集幹事〕島根大学医学部附属病院 総合診療医センター
白石吉彦
特集の目次
■総論
腰痛・殿部痛の総論(遠藤健史)
手術適応となる腰痛(洞口 敬)
運動器以外の腰痛(小田川誠治)

■診断と治療
殿部痛の診断と治療(亀田雅博)
下肢痛を伴う腰痛の診断と治療(谷掛洋平)
fascia(ファシア)に注目した腰殿部痛へのアプローチ(小林 只)
圧迫骨折の診断と治療(城田祥吾)
エコーガイド下腰部・仙骨硬膜外ブロック(前田 学,他)
仙腸関節障害に対するSwing-石黒法(石黒 隆)
上殿皮神経障害による腰痛(藤原史明,他)
足からくる腰痛(岡部大地)
腰痛に対する運動療法(辻村孝之)
腰痛に対する物理療法(渡邉久士,他)
腰痛に対する鍼灸療法(寺澤佳洋)
腰痛に対する認知行動療法(水野泰行)
腰痛に対する装具療法(池上慶篤)
腰痛患者の生活指導(並木宏文)
腰痛のセルフケア(須田万勢,他)

■最新の腰痛治療
仮想現実技術を用いた難治性慢性腰痛の新たな治療戦略(原 正彦)
硬膜外神経癒着剥離術(寺田 哲)
腰痛に対する運動器カテーテル治療・動注治療(河邉篤彦,他)
連載
在宅医療の質を高める!(13)
「生きがい」づくりのお手伝い(永井康徳)

えびさんぽ(29)
プロバイオティクスには,どのような効果が期待できますか?(青島周一)
─ランドマークスタディと路地裏エビデンス
─臨床での使い方

疲れた消化器をサポートする漢方処方プロセス(9)
下 痢(谷川聖明)

総合診療POEMs ─診療で使える! 旬なオススメ文献─ (17)
LDL-C 低下は総死亡,心筋梗塞,脳卒中に対して,実は思ったより効果がない!?(中村浩史郎,小山元気,岡田 悟)
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む