定価:2,415円(本体2,300円+税5%)
地域医療の第一線で皮膚病に遭遇する機会は,かなり多いと思われます.皮膚の異常はすぐに眼に見え,患者が気づきやすいからです.こうした皮膚の異常につけられる病名は,細かなものも含めると3,000以上はあるといわれています.もちろん,プライマリ・ケア医がそのすべてを記憶する必要はありません.日本皮膚科学会が行った定点調査で,外来を訪れる皮膚疾患の85%は,上位20疾患で占められることがわかっているからです.まず,これらのcommon diseaseを押さえることです.さらにわれわれは,何が日常診療で遭遇しやすい疾患かについて検討を重ね,39の疾患を選び出しました.これで,プライマリ・ケア医が知っておくべき皮膚病は網羅されていると自負しています.
また本特集では,よりプラクティカルでわかりやすい内容とするため,以下のような工夫を凝らしました.
① 疾患名を思いつかない場合を考慮し,「痒み」,「痛み」などの症状,「頭部」,「手足」などの部位,「結節」,「潰瘍」といった病変の特徴など,把握しやすい情報から代表的疾患に辿り着けるように編集しました.
② 各項目では,カラー写真を本文中に組み込み,よりビジュアルな構成にしました.
③ 症例写真をもとに,皮膚科医がどこに注目して診断に至っているのかという思考のポイント,いわば「皮膚科医の手の内」を,短く箇条書きで明かしてもらいました.
④ 頻度は低いが見逃してはいけない重要な疾患があるのではというご懸念に関しては,「類似疾患との鑑別点」として漏れなくあげてありますのでご安心ください.
⑤ 最近,皮膚科領域でも整備が進んでいる診断基準や診療ガイドラインについては,誌面の都合でそのすべてを引用できませんが,読者がアプローチしやすいよう紹介してもらいました.
本特集号を診療デスク上に常備し,皮膚病を診る際のレファレンス本として大いに活用していただければ,編集幹事としてこれに優る喜びはありません.
真鍋 求 秋田大学大学院医学系研究科皮膚科学・形成外科学講座 教授
梅林芳弘 秋田大学大学院医学系研究科皮膚科学・形成外科学講座 准教授
今月の視点(真鍋 求 他)
■痒みを訴える疾患
アトピー性皮膚炎(幸野 健)
接触皮膚炎(中村晃一郎)
皮脂欠乏性皮膚炎(山田朋子 他)
虫による皮膚炎(夏秋 優)
皮膚そう痒症(小宮根真弓)
蕁麻疹(亀好良一)
疥 癬(大滝倫子)
■痛みを訴える疾患
蜂窩織炎(蜂巣炎)(多田讓治)
帯状疱疹(安元慎一郎)
単純疱疹(本田まりこ)
■部位別:頭部の皮膚疾患
脂漏性皮膚炎(山田勝裕)
円形脱毛症(乾 重樹)
男性型脱毛症(山﨑正視)
■部位別:顔の皮膚疾患
ざ 瘡(赤松浩彦)
肝 斑(三橋善比古)
日光皮膚炎(中野 創)
脂漏性角化症(船坂陽子)
日光角化症(古賀弘志)
■部位別:手足の皮膚疾患
手湿疹(山川岳洋 他)
足白癬(藤井俊樹)
爪白癬(比留間政太郎)
ウイルス性疣贅(江川清文)
陥入爪(蓮沼直子)
■部位別:陰部の皮膚疾患
おむつ皮膚炎(成人)(植木理恵)
皮膚カンジダ症(津田昌明)
■小児に多い皮膚疾患
伝染性膿痂疹(黒川一郎 他)
伝染性軟属腫(成田多恵)
血管腫(高橋和宏)
ウイルス性急性発疹症(日野治子)
■黒い結節
色素細胞性母斑(澤田美月 他)
基底細胞癌(安齋眞一)
悪性黒色腫(メラノーマ)(清原隆宏)
■その他の結節
粉 瘤(小林 光 他)
有棘細胞癌(宇原 久)
■潰 瘍
熱 傷(岩田洋平 他)
褥 瘡(立花隆夫)
下腿潰瘍(田村敦志)
■全身症状を伴う疾患
アナフィラキシー(中村猛彦)
薬 疹(狩野葉子)
温故医新(9)
皮膚癌の診療,いま昔(梅林芳弘)
→当時の論文を全文閲覧できます(PDF:2.3MB)
医療ポライトネス・ストラテジー(9)
看護の現場に必要な医療ポライトネス・ストラテジー(道端由美子)
Doctor's career 医師の多様なキャリアを紹介!(12)(水谷一夫)
再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(41)
自家培養軟骨の産業化と課題(菅原 桂 他)
ヒポクラテスが教える病名のない病理学(32)
風(体内風気)について(中島旻保)
何が正解? 消化器治療 EBM で検証(72)
Helicobacter pylori 除菌は,NSAID 潰瘍の予防に有効か?(川名一朗 他)
Contribution
臨床経験:慢性便秘症における便意と自制・排便機能(長谷川 寛)
2010年10月 Vol.92 No.10
血液疾患の診かた 血液専門医以外のための血液疾患対応マニュアル