最新号

「治療」2018年4月 Vol.100 No.4

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2018年4月 Vol.100 No.4
お母さんを守ろう
家庭医は産前家族の応援団

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

今月の視点

妊娠前は家庭医の“力の見せ所”

 プライマリ・ケアを担うなかで,子育て世代の女性・男性の診療に当たることもあることと思います.本特集は,これから妊娠を予定している女性やそのパートナー,家族に,外来診療の限られた時間のなかで最適なアドバイスができることを目的として,2015年に南山堂から発行された『お母さんを診よう 1) 』を前作と捉え,内容をなぞるようにアップデートしています.「次世代のための予防医療」では,アメリカ予防医学専門委員会(U.S. Preventive Services Task Force:USPSTF)の推奨を参考に,子育て世代に勧められている内容を取り上げています.よく「母」と「子」だけが取り沙汰されますが,子どもは母一人で育てるものではありません.父,家族,そして,地域があります.妊婦健診という枠組みではなく,「家族」,「地域」をまるごとみる,家庭医・総合医の“いつもの外来”のなかで対応できることを増やしたいと考えています.
 また,女性の社会進出と晩婚化を背景に妊娠年齢が高齢化するなか,不妊も身近な話題となり,少子化も社会問題となっています.こうした状況も踏まえて,基本的な産前ケアの知識とともに,不妊治療に関する項目に重点を置きました.世間を賑わすニュースには,家庭内暴力,虐待,子どもの貧困などもあり,そういう事件が起きないことを願って,2017年に新たに発表されたドメスティック・バイオレンスの「予防」を扱います.さらにその上流にある原因への介入として「健康の社会的決定要因」という概念が学べるように,若年妊娠をテーマとして新たに盛り込むこととしました.
 妊娠や出産に向けた悩みはさまざまあっても,妊娠前は産婦人科通院が始まっていないことが多く,日常診療を担う家庭医の“力の見せ所”といえます.
 読み終わったその次の外来から使える内容になっていますので,お楽しみください.
 さいごに,編集幹事に推薦いただいた金城謙太郎医師,相談役である姉で編集者の松原悠子氏,多くの場面でご指導いただいた産婦人科専門医で家庭医の先輩でもある水谷佳敬医師をはじめ,ご執筆いただいた先生方にあらためて謝辞を述べたいと思います.

[編集幹事]亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科 吉澤瑛子

参考文献
1)中山明子,西村真紀(編):お母さんを診よう─プライマリ・ケアのためのエビデンスと経験に基づいた女性診療,南山堂,東京,2015.

特集の目次

■総 論
特別座談会 家庭医だからこそできる“妊娠前ケア”(中山明子,池田裕美枝,吉澤瑛子)
コラム:医師の結婚生活 実態調査(吉澤瑛子)

■次世代のための予防医療
葉酸,タバコ,アルコール(伊豆倉 遥)
子宮頚がん/ HPV ワクチン(飯田美穂)
プライマリ・ケア医だからこそできる性感染症スクリーニング・予防(安藤崇之)
夫婦で取り組むワクチン(織田錬太郎)
母乳育児の重要性─プレネイタルビジット─(宮本侑達,他)
ドメスティック・バイオレンス(氏川智皓)
コラム:女性アスリートを悩ませる“FAT”とは?(濱井彩乃)

■家族計画
いまは妊娠を望まない─避妊法,低用量ピルの使い方─(岡田 悠)
妊娠したい─基礎体温,タイミング法─(久保田 希)
不妊治療概略(石川智則)
生殖補助医療(ART)の実際(川井清考,他)
出生前診断(松浦拓人,他)
コラム:精子バンク,卵子凍結(中筋貴史)

■妊婦さんが受診したら
妊娠中の生活指導 ─食事,環境,性交渉,シートベルトなど─(菅長麗依)
コラム:腰の痛い妊婦さんへ(西山新治)
薬の選び方(田島明野)
コモンディジーズの挙児希望 ─気管支喘息,うつ病,甲状腺疾患─(山下洋充)
コラム:マタ旅の現状(中山久仁子)
産科との連携のコツ(水谷佳敬)
職場と家庭医の連携のコツ(玉野井徹彦)
若年妊婦を取り巻く“健康の社会的決定要因”(年森慎一,他)

連 載

今月のお薬ランキング(25)
DPP-4 阻害薬(浜田康次)

「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
〜“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は〜(13)
世界に一つだけのエビ〜 Note13.「エビデンス」を言い換える〜(市原 真)

次号予告

2018年5月 Vol.100 No.5
Point-of-Care超音波
― 部位別・症候別,これだけは外せない! ―