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「治療」2012年5月 Vol.94 No.5

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2012年5月 Vol.94 No.5
インクレチン関連薬を使いこなす
かゆいところに手が届く! Q&Aで「知りたい」を「わかった」に

定価:2,625円(本体2,500円+税5%)

今月の視点

 糖尿病患者は900万人を突破していると報道されている.しかしその約半数しか医療管理下に置かれていないのも現実で,今後合併症の爆発的発症を危惧する意見が多い.
 ところで2012年1月現在,約200万人弱の糖尿病患者に,2009年12月に市場に出現したインクレチン関連薬が投与されていることも糖尿病専門医として驚きを禁じ得ない.多くのプライマリ・ケア医が本薬の臨床経験が少ないのにもかかわらず,多少の不安を抱えながら投与されていることと推察される.
 そこで本特集は,プライマリ・ケア医である筆者が,本薬使用に当たって押さえるべき点,はっきりしたい点を中心に,この分野のトップランナーの先生方に25の質問(Q)を投げかけ,簡潔明瞭な回答(A)で解説していただくことにした.回答する先生方の半数は筆者がまとめ役をしている糖尿病専門クリニックの勉強会である全国臨床糖尿病医会の主力メンバーで,管理糖尿病患者1,000人を超え,かつ本薬の臨床経験の豊富な先生方である.
 筆者の期待どおり,完成した各論文は単なる解説ではなく多くの自験例から得た執筆者の確固たるポリシーと,適切なEBMに基づいた明確な回答で示してあり,その他,保険診療や医療経済からみた本剤の使用など,今までにない切り口でインクレチン関連薬を解説してある.プライマリ・ケア医が本剤を正しく使用する一助になることを期待するものである.

伊藤眞一 伊藤内科クリニック院長/全国臨床糖尿病医会会長

特集の目次

今月の視点(伊藤眞一)
■Q&A
Q1  糖尿病の勉強会に行くと,以前あまり聞くことがなかったインクレチンというホルモンの話がやたら出てきます.糖代謝に関係しているホルモンだと思っておりますが,どのように理解したらよいのでしょうか?(飯降直男,他)
Q2  SU 薬とインクレチン関連薬の膵臓に対する作用機序の差異をわかりやすく教えてください(足立淳一郎,他)
Q3  インクレチンの糖代謝に対する作用のほか,最近膵外作用が報告されているようです.心血管などにはどうでしょうか?(安成英輔,他)
Q4  インクレチン関連薬使用にあたり必要な臨床検査にはどんなものがあり,それをどう読めばよいのでしょうか?  また投与後経過をみるにはどの検査をすればよいのですか?(長坂昌一郎)
Q5  DPP-4 阻害薬が市場に出ていますが,経口薬としてのポジションはどこですか?(川井紘一)
Q6  DPP-4 阻害薬はdrug-na?ve 2 型糖尿病患者の第一選択薬として適当と思われますか?(川井紘一)
Q7  現在4 種類のDPP-4 阻害薬が市場に出ていますが,薬効の強弱など層別化が可能ですか?(杉本英克)
Q8  4 種類のDPP-4 阻害薬ですが,保険上の併用が可能かどうかはそれぞれどのようになっていますか?(杉本英克)
Q9  DPP-4 阻害薬は,たしかに血糖コントロールはよくなりますが,使用後6ヵ月程度で再びコントロールが悪化するような気がしますがどうでしょうか?(杉本英克)
Q10  インクレチン関連薬でDPP-4 阻害薬とは異なる注射薬が出たそうですが,どう異なるのですか? また,インスリンの注射とはどう違うのですか?(宮川高一)
Q11  現在,ビクトーザ? とバイエッタ? の2 種類の注射があるそうですが,注射導入の方法と可能な併用薬について教えてください(宮川高一)
Q12  GLP-1 受容体作動薬をどのような患者に使用すべきと思われますか? また使用しないほうがよいと思われる症例は?(宮川高一)
Q13  インクレチン関連薬の薬効の1 つのうち,大切なものに体重減少があると思うのですが,この点についてDPP-4 阻害薬およびGLP-1 受容体作動薬に分けて教えてください(栗原義夫)
Q14  従来は糖尿病治療開始時にインスリン分泌不全,インスリン抵抗性の2 つのファクターを考えてみよ,といわれていましたが,インクレチン関連薬の場合はどうですか? インクレチン関連薬投与で脂質の改善,血圧の改善はみられますか?(栗原義夫)
Q15  2011 年9 月よりDPP-4 阻害薬とインスリン製剤の併用が認められました.どのような考えからそのように認められるようになったのですか? また,どのような症例に併用をするのでしょうか?(船山秀昭)
Q16  インスリンの節約作用としてDPP-4 阻害薬に臨床的意義はあるのですか? DPP-4 阻害薬の薬効がいまひとつの場合にインスリン製剤を乗せるのは有効でしょうか?(船山秀昭)
Q17  インクレチン関連薬のresponder,non-responder について教えてください(船山秀昭)
Q18  インクレチン関連薬投与による低血糖が問題となっていますが,どのような症例に起こるのでしょうか?(辻野元祥)
Q19  免疫系の変化,膵炎,膵腫瘍がよく記載されていますが,インクレチン関連薬使用にあたって今後注意深くチェックする点はあるでしょうか?(辻野元祥)
Q20  CGM とはなんですか? SMBG と比較してどのような点がよいのですか?(森  豊)
Q21  DPP-4 阻害薬の効果をCGM からみるとどのようなことがいえますか?(森  豊)
Q22  GLP-1 受容体作動薬の効果をCGM からみるとどのようなデータでしょうか?(森  豊)
Q23  現在市場に出ている4 種のDPP-4 阻害薬の腎機能に配慮した使い方を教えてください(安藤亮一)
Q24  DPP-4 阻害薬は2012 年1 月現在,200 万人弱の糖尿病患者に使用されていると聞きますが,なぜこの薬がこのように糖尿病の治療を一変させてしまったのでしょうか…使用してみてどのような点が優れているのですか? 一方GLP-1 受容体作動薬は現在,一般的な治療とまでは達していないようですが,なぜですか?(伊藤眞一)
Q25 「 糖尿病患者をいかに“治療中断”せず医療管理下に置くか」を絶えず念頭に診療をしておりますが,最近,中断の原因として経済的理由が重要視されているようです.医療経済的視点からみて,インクレチン関連薬使用で知っておかなければならない重要な点は何ですか?(伊藤眞一)

すんなりわかる
実践! インクレチン関連薬を使いこなす(木村武司,他)

温故医新(24)
「糖尿病治療の動向(昭和33年)」から今の治療を考える(伊藤眞一)
→当時の論文を全文閲覧できます(PDF:5.8MB)


医師と患者のコミュニケーション(2)
学生の在宅医療実習(和田忠志)

再生医学のいま ―基礎研究から臨床への展開に向けて―(56)
神経障害性疼痛(complex regional pain syndrome(CRPS) を含む)に対する生体内再生治療(稲田有史,他)

よりよい医院経営(82)
遠隔診療の「見える化」─離れていても向き合える─(山本 伸)

次号予告

2012年6月 Vol.94 No.6
心房細動の抗凝固療法
― 選択肢が増えたいま,正しい知識で賢く活用! ―