ブックタイトルエキスパートが秘訣を語る 循環器薬物治療の極意

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エキスパートが秘訣を語る 循環器薬物治療の極意

9914.虚血性心疾患へのとりあえず硝酸薬は正解か?3)処方期間? IONA 試験1)においてニコランジル投与により予後改善作用が得られた.しかし,これは一酸化窒素(NO)による効果というよりも,ATP 感受性カリウムチャネル開口作用によるものが主体と考えられている.硝酸薬による長期予後を評価した研究は数少ない.狭心痛が改善している場合には,つねに減量,中止を念頭に置いて外来診療にあたる姿勢が重要である.同種同効薬の使い分け? ほかの抗狭心症薬には,β遮断薬,カルシウム拮抗薬(Ca 拮抗薬)がある.狭心症の原因には,動脈硬化型と冠攣縮型がある.動脈硬化型は心筋での酸素需要増加により,冠攣縮型は心筋への血流減少により狭心痛を生じる(図14 - 5).? β遮断薬は,心筋酸素需要を減少させることにより,抗狭心症効果をもたらす.労作性狭心症に対しては,自覚症状と長期予後の改善効果が確立されている.動脈硬化性冠動脈狭窄病変であると確定された時点で,自覚症状のコントロールの第一選択薬はβ遮断薬とする.冠攣縮性狭心症の予後を悪化させるため,冠攣縮が合併している場合には,β遮断薬を中止する.? Ca 拮抗薬は,冠拡張作用により抗狭心症効果を生じる.動脈硬化性冠動脈病変と冠攣縮いずれにも有効である.しかし,薬剤ごとにその効果は異なる.ジルチアゼムを除くと労作性狭心症に対する効果は限定的である.一方で,冠攣縮に対しCa 拮抗薬は一定の効果をもつ.なかでもニフェジピン,ベニジピン,ジルチアゼムは強力な抗攣縮作用を有する.冠攣縮性狭心症では第一選択薬である.C図14-5 動脈硬化性および冠攣縮性狭心症の発症機序と抗狭心症薬の効果薬物療法 酸素需要 酸素供給 薬物療法動脈硬化性狭心症冠攣縮性狭心症酸素需要酸素供給酸素需要酸素供給硝酸薬β遮断薬硝酸薬カルシウム拮抗薬供給減少需要増大需要と供給のバランス