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「薬局」2020年2月 Vol.71 No.2

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2020年2月 Vol.71 No.2
調剤業務Update
薬剤師の貢献と発信されたエビデンス総まとめ

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(石井 伊都子)

■フォーミュラリー算定による医薬品適正使用(青野 浩直ほか)

■処方箋印字と疑義照会の取り組みが及ぼす効果
・処方箋への「残薬調整」のプレ印字と疑義照会簡素化プロトコルの医療経済的効果(松原 和夫)
・処方箋への臨床検査値の印字とその有用性(五十嵐 敏明ほか)
・保険薬局薬剤師による疑義照会の医療経済的効果(鹿村 恵明)

■各種薬剤の調製・取り扱いに関するトピックス
・経口剤(於本 崇志ほか)
・外用剤(山本 佳久)
・注射剤・輸液(中川 博雄ほか)
・放射性医薬品(鈴木 貴明)

■調剤の自動化とその効果(山下 和彦ほか)

■抗がん薬曝露対策のエッセンス(松尾 宏一)

■医薬品の廃棄に対する取り組みとその効果
・保険薬局の残薬確認による処方調整-節薬バッグ運動を介して-(島添 隆雄)
・抗がん薬のdrug vial optimization(大久保 真貴ほか)
・医療用麻薬の廃棄とその削減対策(加藤 正太郎ほか)

■調剤過誤の要因とその対応策(村川 公央ほか)

■偽造医薬品の流通防止と薬局間の医薬品譲受・譲渡(岩田 紘樹ほか)

■調剤報酬改定と改正薬機法のポイント(亀井 美和子)

シリーズ

■BMs-Podによる真の薬物投与設計 〜薬物動態解析の臨床への還元〜 最終回
BMs-Podの基本的な扱い方:モンテカルロ・シミュレーションの活用方法
〜薬物動態のバラつきをイメージしよう〜
(尾田 一貴)

■褥瘡コンサル虎の巻 〜褥瘡の発生要因を考える〜
疾患と褥瘡との関係は?-⑥
疾患によって予測される褥瘡発生とその対応
感染症と褥瘡
(溝神 文博)

■薬剤師ふたばの症例検討奮闘記
症例検討会に向けた準備-⑤
薬剤師の視点で治療を吟味する(1)
(上塚 朋子/矢野 良一)

■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
発熱性好中球減少症をより高い精度で
予防する〜患者面談にもエビデンスを〜
(葉山 達也/川上 和宜)

■医療マンダラ 〜思考と感性のセンスを磨く〜
合理的薬物治療を求めて
〜創薬における「臨床薬効評価」をめぐる思い出から〜
(中野 重行)

■薬剤師が三ツ星シェフ 〜業務に活きる!活かせる!経静脈栄養のホントのところ〜
いまさら聞けない? 水分・電解質
-水分・電解質のはたらきを理解しよう-
(樋島 学)

■薬剤師にもできる! 将来幸せに働くための投資講座―⑩
税金が決まる仕組みを知ろう!
確定申告と節税の話
(桑原 秀徳)

■「治療」「薬局」合同連載
症例×Q&A 超高齢社会シコウの利尿薬適正使用シコウ
ループ利尿薬が効かなくなってきた!
近位尿細管を働かせるぞ,トルバプタンの使用は有用か?
(杉本 俊郎)

Report

抗てんかん薬と授乳
(小野寺 憲治/桑原 弘行/市川 勤/若林 広行/神田 循吉/大槻 泰介/曽我 孝志)

巻頭言

 医療をより良いものにすることは,患者や医療者が共に望むところであり,多領域にわたって日々の努力が続いている.しかし,独りよがりの改善とは改善と言えず,汎用性を求めることは難しい.業務を組み立てるにあたって,研究と同様に仮説を立て,方法を吟味した上でエビデンスを集積し,客観評価を得ながら進めていくことが肝要である.
 薬剤師の最大の特徴は,「薬」の理解者であることである.薬剤師は医療現場で唯一,化学的性質や動態学的理解ができる職種である.薬剤師の視点をもつからこそ,フォーミュラリーを作成することができ,医薬品の調製・取り扱い,抗がん薬への曝露対策,医薬品の廃棄について具体的に論ずることができるのである.
 一方,薬剤師の業務は通り一遍ではない.処方箋調剤一つにしても,病院や薬局おのおのに内規があり,細目まで追求していくと実にバラエティーに富んでいる.長期的な結果として,より的確で安心・安全な方法が定形として普及し定着していくであろうが,そこにはやはり,理論と実証の両者が礎となっている.その良い例が,処方箋の利活用である.しばらく前までは,処方箋は薬のリストとしての意味合いが強く,薬学的管理をする情報源になってはいなかった.特に,処方箋を用いた残薬調整や臨床検査値表記は,処方監査に重要であるが,これらを継続的に続けることによって,本質的な薬学的管理の質向上につながっていくことを実感いただきたい.さらには,薬剤師の業務を滞りなく実行すると,医療経済的メリットがあることがさまざまな研究から証明されている.
 薬剤師の業務は医療安全の追記と言い換えることができる.薬局の仕事の根幹は調剤であり,常にミスと隣り合わせにある.調剤過誤をなくすための対策は,起きた事象の解析から始めることが重要であり,その対策についても理論的に進めることが後の医療過誤防止につながっていく.薬剤師は偽造医薬品の流通防止をしなくてはならないし,薬局間の医薬品譲受・譲渡,2020年の診療報酬改定についても知っておく必要がある.
 本誌では,以上をまとめて掲載した.どれをとっても薬剤師業務に直接関わり,積極的に医療安全を遵守する内容となっている.本誌を通してあらためて薬剤師の視点を感じていただくとともに,2020年の新たな業務改善にお役立ていただければ幸いである.

石井 伊都子
千葉大学医学部附属病院 薬剤部 教授・薬剤部長