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「Rp.+レシピプラス」2019年夏号 Vol.18 No.3

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2019年夏号 Vol.18 No.3
みてわかる!循環器のキホン
心不全のくすり
慢性心不全の薬学管理と生活サポート

ISBN: 978-4-525-92193-4

定価:1,296円(本体1,200円+税8%)

樋口義治/村上 理/浜田康次/柏瀬一路/浅井考介/柴田奈央/梶原洋文/浅羽宏一/村田久枝/青島周一/桑原秀徳/山本雅洋/赤瀬朋秀

はじめに

大阪警察病院心臓センター 循環器内科 部長 樋口義治

令和の夜明け,心不全の世紀
 心不全パンデミックの時代が来ると言われています.厚生労働省の発表する人口動態統計によると,心疾患による死亡が全死亡の約15%を占めており,心不全患者は100万人を超えるとされています.基本的には心不全は高齢者の病気であり,高齢化の進行に伴って今後はますます増加していくことが予想されています.心不全について理解することは,これから臨床に携わるうえで避けては通れないことになっているのです.
 ところで,心不全の診療にあたっては心得ておくべき点があります.
 まずは,心不全は進行性の悪性疾患であるということです.慢性に経過している心不全患者も,急性増悪・心不全入院を繰り返すたびに,少しずつ心臓の予備力が低下していきます.原状回復のための急性期心不全加療や,再入院を防ぐための慢性期心不全加療,さらに終末期心不全加療においては緩和医療の導入も検討しなければなりません.心不全の治療は,段階ごとに目的が異なり,極端に言えば個別にプログラムを組んで薬剤調整が必要になることもあります.
 もう一つは,心不全とは単一の病気ではなく,複数の原因疾患をもつ症候群であるということです.そのために,読者の皆さんのなかには心不全は難しいと感じている方も多いことと思います.基礎心疾患としてもっとも多いのは虚血性心疾患です.虚血性心疾患の原因は動脈硬化であり,その基盤には高血圧や糖尿病などの生活習慣病があります.このように考えると,心不全患者さんには多くの種類の薬剤が必要であることがわかります.心不全の病態を把握することは,その患者さんの処方内容を理解するのに必要なことであり,さらには心不全パンデミックを控えた人生100年時代を医療人として迎えるにあたって必須のことであると言えるでしょう.

心臓の機能と心不全のキホン

1.心臓ってなに? 何をしている?
2.心不全の概念を知る! なぜ心不全になるの?
3.心不全の症状を知る!
4.心不全を診断する!
5.心不全を治す! ─入院中と退院後─

こんな場面ではこの薬を使う!

1.急性心不全と慢性心不全の薬物治療
2.神経体液性因子の亢進を抑えたい─β遮断薬と,ACE阻害薬,ARB,MRA─
3.うっ血の進行を予防したい─利尿薬と血管拡張薬─
4.頻脈を適正化したい─β遮断薬,ジギタリス─
5.低心拍出症例において,心拍出量を上げたい─経口強心薬─

心不全治療薬のかたち

1.交感神経とRA系に作用する薬のかたち
2.救心®のかたち
3.硝酸薬のかたち
 ・コラム:ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬のかたち─

病態変動に合わせた薬学管理

1.利尿薬の薬学管理を考えてみよう!
2.血管内脱水ってどんなこと?─超重要な利尿薬の作用を考える─

慢性心不全の薬学管理Q&A

Q1 今日は水を飲まなかったので,利尿薬はのまなくてもよいのですか?
Q2 症状がないので薬をやめてよいのですか?
Q3 どのくらいの期間,薬をのみ続けなければならないのですか?
Q4 塩分を控えないといけないのですか?
Q5 お酒,タバコを続けてもいいですか?
Q6 心不全になったら運動はやめるべきですか?
Q7 疲れやすくなったけど年齢のせいかしら?
Q8 在宅心不全患者の注意点は?
Q9 併存疾患の多い患者の処方で気をつけることは?
Q10 静水圧と膠質浸透圧について詳しく教えてください.
Q11 胸水と肺水腫は同じではないのですか?
Q12 心臓の拡張障害に伴う心不全ってどういうことですか?
Q13 アルブミン製剤投与後に利尿薬としてフロセミドを使用しますがなぜですか?

処方例から学ぶ! 慢性心不全患者の薬学管理

case1 8年前に心房細動と診断され加療中の慢性心不全の80歳男性
case2 重症心不全で在宅加療中の83歳女性

Series

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・漢方検分録 ケースで学ぶ漢方薬の安全チェック
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 心臓の科学史

巻末付録

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 甘草と偽アルドステロン症

次号予告

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