ブックタイトル生体イメージングUpdate

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概要

生体イメージングUpdate

7.リンパ節における抗原の輸送とB 細胞による抗原の認識6577-3 SCSマクロファージによる抗原の捕捉と輸送 SCS のリンパ節実質側はリンパ管内皮細胞で覆われているが,その細胞間隙にSCS 側からリンパ節実質内に樹状突起を伸ばすマクロファージが存在しており,これらはSCS マクロファージとよばれる.リンパ節の髄質には髄質マクロファージとよばれるマクロファージの亜集団が存在するが,SCS マクロファージは髄質マクロファージとはいくつかの異なる性質をもっている.髄質マクロファージはきわめて貪食能が高いのに対し,SCS マクロファージは貪食能が低い6).この性質は,SCS マクロファージが抗原を分解することなくリンパ節実質内に輸送し,B 細胞に提示するうえで重要である. また,SCS マクロファージはCD169を細胞表面に高レベルに発現している一方,多くのマクロファージに共通の細胞表面マーカーであるF4/80 の発現が低いという特徴をもっている7). 古くから,SCS マクロファージが粒子状の抗原を捕捉することは知られていたが6),その過程がはじめてリアルタイムで観察され,SCS マクロファージが一躍脚光を浴びたのは2007 年のことである.F. D. Batista 博士ら,J. G. Cyster 博士ら,U. H. von Andrian 博士らのグループはそれぞれ,直径200 nm の蛍光ビーズ8),免疫複合体9),ウイルス粒子10)が皮下注射されたのちにリンパ節に到達し,SCS マクロファージに捕捉されるようすを2 光子励起イメージングによってとらえた.さらに,捕捉された免疫複合体がSCS マクロファージの樹状突起を介してリンパ濾胞に運び込まれる過程も観察している7).しかし,これらの粒図7-1 リンパ節における抗原の輸送とB 細胞による認識末梢組織から体内に入った抗原は,輸入リンパ管を介してリンパ節のsubcapsular sinus(SCS)に流入する.① 粒子状の抗原はSCS マクロファージに捕えられ,リンパ濾胞に運ばれる.② SCS マクロファージ上の粒子状の抗原は,B細胞によって捕捉され,濾胞樹状細胞(FDC)に運ばれる.③ FDC に沈着した抗原は抗原特異的なB 細胞によって認識される.④ 可溶性の小分子抗原は,SCS からコンジット(導管)を介してリンパ濾胞に入り,B 細胞に認識される.⑤ B 細胞は樹状細胞によって提示された抗原を認識することによっても活性化する.リンパ濾胞輸入リンパ管被膜コンジット樹状細胞濾胞樹状細胞(FDC)B細胞①②③④⑤T細胞領域SCSSCSマクロファージ可溶性小分子抗原粒子状抗原