ブックタイトル生体イメージングUpdate

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概要

生体イメージングUpdate

第Ⅱ部 生体内細胞ダイナミクス─ 生体イメージングで見える生きた細胞の動態と機能─48 樹状細胞による抗原提示量が少ない場合,T 細胞は樹状細胞と数分程度の短時間の相互作用しか行わないが,これが繰り返し起こることによって,抗原提示量が多く,安定接合する場合と同様に細胞増殖が起こる.しかしながら,たいへん興味深いことに,安定接合を行う場合と,短時間の相互作用を繰り返す場合では,リンパ球のその後の細胞運命に違いがでてくることが報告されはじめている(図5 - 4).CD8 陽性T 細胞は,抗原提示量が少ない樹状細胞との短時間の相互作用を繰り返し行うと,細胞増殖のあと,エフェクターT 細胞には分化するが,記憶T 細胞へは分化しにくいことが,最近,報告されている15).5-6 分子を可視化することによる細胞間相互作用ダイナミクスの解析 すでに述べたようなT 細胞と樹状細胞の相互作用ダイナミクスと,T 細胞のシグナル伝達の関係を理解するために,T 細胞受容体(TCR)やその直下のシグナル分子などに蛍光タンパク質標識したプローブ遺伝子を導入したT 細胞のイメージングが行われはじめている16), 17).これにより,樹状細胞と相互作用する部位のTCR やシグナル分子のクラスタリングなどが,安定接合を行う場合と短時間の相互作用を繰り返す場合ではどのように異なるのか解析できるようになってきている.もう1 つ,分子プローブを発現させたT 細胞を用いたin vivo イメージング解析としては,すでに活性化を経て分化した細胞傷害性T 細胞において,転写図5-4  抗原特異的な免疫細胞間相互作用のダイナミクスと細胞運命決定抗原特異的な免疫細胞間相互作用のダイナミクスと細胞運命決定についてイメージング研究から提唱されているモデル.(A)(B)(C)(D)ヘルパーT細胞胚中心B細胞ヘルパーT細胞胚中心B細胞T細胞T細胞樹状細胞樹状細胞胚中心B細胞の生存維持,弱い増殖胚中心B細胞とヘルパーT細胞の数分程度の相互作用の繰り返し胚中心B細胞の生存維持,強い増殖抗体産生細胞や記憶B細胞への分化?胚中心B細胞とヘルパーT細胞の10分以上の安定接合T細胞の増殖エフェクターT細胞への分化(細胞傷害性T細胞の免疫寛容誘導)樹状細胞とT細胞の数分程度の相互作用の繰り返しT細胞の増殖エフェクターT細胞および記憶T細胞への分化(細胞傷害性T細胞のエフェクター機能促進)樹状細胞とT細胞の1時間以上の安定接合