ブックタイトル生体イメージングUpdate

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概要

生体イメージングUpdate

2.生体光イメージングや光学顕微鏡で用いられる原理・装置─ 最新の光学顕微鏡法を中心に─152 局所顕微鏡法では1 分子蛍光イメージングの技術を応用し,1 個の蛍光分子の孤立した輝点を高精度で決定できるという性質を利用して,まず少数の蛍光分子について位置決定を高精度に行い記録しておく.つぎに,記録した蛍光分子については消光させる,あるいは統計的に自発的消光を待ってほかの未計測の蛍光分子について位置計測を再度実行する〔これを,STORM( stochastic optical reconstruction microscopy) という〕,または,蛍光波長の変換を行ってからほかの未計測の蛍光分子について位置計測を再度実行する〔これを,PALM(photoactivated localization microscopy) という〕.これを繰り返し実行し,最終的にすべての分子についてその位置情報を求めることができれば,高い精度で分子の分布,つまり,形態的に高い分解能を実現できる(図2 - 6).この手法は,固定した試料に対して適用されることが多いが,生きた細胞中,とくに形質膜上の分子を蛍光ラベルして,その軌跡を高精度で追跡することも行われている.その結果,さまざまな細胞の部位における膜タンパク質,受容体の拡散定数を定量的に計測することになり,構造と機能の相関の研究に有用な情報を与えている.少数の分子のダイナミクスと生理機能の創発にも関連する可能性もあり,興味深い. これを行うための顕微鏡装置としては,基本的に1 分子蛍光イメージングで使用される一式があればよい.原理的には,蛍光分子のブリンキングもしくはブリーチング,あるいは蛍光波長の変化を使用するため,蛍光分子には特殊なものを用いる場合が多い.蛍光顕微鏡としては全反射照明蛍光顕微鏡 total internal reflection fluorescence microscope(TIRF 顕微鏡)を用いた蛍光1 分子イメージングのシステムを利用することが多い.画像データの解析に関してはメーカーから提供されているが,インターネット上でもさまざまなフリーウエアが公開されている.STED顕微鏡法,RESOLFT顕微鏡法 2014 年のノーベル化学賞受賞者の1 人であるドイツのS. W. Hell 博士らのグループが提唱する,STED 顕微鏡法 stimulated emission depletion microscopy,RESOLFT 顕微鏡法3図2-6 1 分子蛍光イメージングを基本にした超解像イメージング法の原理実際の構造PALMあるいはSTORM 実際の構造①少数個の 輝点を繰り 返し測定②それぞれの 輝点の中心 位置を記録③すべての情報を統合 して画像を作製(A) 蛍光顕微鏡あるいは(B)共焦点顕微鏡繰り返し回数を増やすことで実際の構造に近くなる