ブックタイトル生体イメージングUpdate

ページ
10/12

このページは 生体イメージングUpdate の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

生体イメージングUpdate

第Ⅲ部 神経機能ダイナミクス─ 神経系の生体イメージングで見える脳・神経のはたらき─13014-3 自己反応性T細胞の活性化のイメージング 生体内イメージングによる抗原提示細胞と自己反応性T 細胞の会合,in vitro 解析におけるT 細胞の活性化,この2つの結果から,抗原提示細胞によるT 細胞の活性化が推測された.これをつなげるために,T 細胞の活性化を生体内イメージングで直接に観察することを試みた.神経細胞の活性を見るためには,細胞内Ca2+濃度に応じて蛍光波長や強度が変化する色素が広く用いられている.しかしながら,分裂するT 細胞では色素が減弱していく.さらに,T 細胞はこの色素を能動的に排出するため,標識後の長時間にわたる活性化のイメージングは困難であった15).筆者らはこの点を乗り越えるため,タンパク質によるT 細胞の活性化イメージングを試みた.以下に,筆者らの用いたT 細胞の活性化を検出する2つの異なるタンパク質と生体内イメージングへの利用を紹介する.NFAT-GFP融合タンパク質 NFAT(nuclear factor of activated T-cell)は転写因子であり,免疫系の細胞に広く発現がみられる.定常状態のT 細胞では,NFAT は細胞質に存在しているが,T 細胞受容体を介した刺激によりすみやかに核内へと移行し,DNA の転写をコントロールする.筆者らは,このNFAT ファミリーの1 つで,T 細胞に発現するNFAT1 をT 細胞活性化マーカーとして用いた16). 外因性NFAT の過剰発現による細胞への影響を最小限にとどめるため,NFAT 遺伝子のC 末端側のDNA 結合ドメインの大部分を切除し,そこにGFP 遺伝子を導入した(図14-3).この遺伝子をレトロウイルスでT 細胞へと導入し,NFAT-GFP 融合タンパク質を恒常的に発現する自己反応性T 細胞を樹立した.in vitro 解析の結果, 定常状態のT 細胞では1図14-3 NFAT-GFP融合タンパク質(A)野生型NFAT(上)とNFAT-GFP 融合タンパク質(下)の構造.(B)T 細胞受容体からの細胞内シグナル伝達経路.NFAT-GFP細胞内Ca2+?脱リン酸化核内移行NFAT-GFPP P PP P P(B)制御ドメインDNA結合ドメイン制御ドメインGFP(A)MHCT細胞受容体T細胞特異抗原カルシニューリン活性化