ブックタイトル治療 100巻 4月号

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概要

治療 100巻 4月号

372 Vol.100,No.4〈2018.4〉次世代のための予防医療事 例 普段から喫煙と飲酒をしている29歳,女性.今回初めて会社の健診を受け,貧血を指摘されたため受診.パートナーとは近々結婚を考えている.この女性にあなたはどのような診療をするだろう?妊婦と葉酸 葉酸不足で起こる胎児への影響に二分脊椎症,無脳症などが知られている.二分脊椎症は水頭症,キアリ奇形,歩行障害,脊椎側弯症,尿便失禁,男性の性機能障害など,生涯にわたりさまざまな障害を起こす.日本産婦人科医会の2000年の外表奇形等統計調査では10,000分娩あたり4.8人だったのに対し,2012年の調査では5.2人と発生率は減少していない.これには妊娠可能な女性への葉酸補充の啓発が十分でないことが原因の1つと考えられる. 2015年カナダのメタアナリシスでは,4,862人の妊娠可能な女性に対し,葉酸を含むサプリメントを服用することで93%の神経管閉鎖不全症を減らしたと報告している1).アメリカ疾病管理予防センター(Centers for disease control and prevention:CDC)では,妊娠可能なすべての女性に1日当たり0.4mg(400μg)の葉酸摂取を推奨している. 具体的な補充量に関して,厚生労働省は1日1mg以上の摂取を推奨していないが,抗Ⅰ葉酸,タバコ,アルコール01わからなければ本文を読んでみたほうがいいカモ次のうち当てはまるのはどれか.1つ選べ.①葉酸不足で起こる二分脊椎症の発生率は,ここ10年で減少傾向にある.②1日に必要な葉酸量は両手1杯分の生野菜相当である.③葉酸補充は妊娠が発覚してからでよい.④妊婦の喫煙率は約1%である.⑤胎児性アルコールスペクトラム障害は,顔面奇形や精神発達遅滞を発症する.気になる答えは論文の最後で!伊豆倉 遥安房地域医療センター