ブックタイトル治療 100巻 4月号

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概要

治療 100巻 4月号

448 Vol.100,No.4〈2018.4〉妊婦さんが受診したらはじめに 妊婦が外来へ受診したときに,治療をどうしようかと迷うことは多いのではないだろうか. 一般に妊娠の約15%は自然流産に終わる.多くは胎児の染色体異常によるものだが,薬剤が流産の原因となることもあり得る.また児の先天異常は2 ?3%あるとされているが,薬剤による先天異常は10,000人に2人程度1)である.けっして多くはないが,できるだけ害を起こさないようにと思うと,医師も妊婦自身も薬を使うことにためらいがちである. 本稿では妊婦に処方を行うときの考え方を記載しているのでぜひ参照していただき,必要な処方は出せるようになってほしい.妊婦への薬剤処方の考え方 一般的に妊娠週数と先天奇形などのかかわりは表12)のように考えられている.とくに15週頃までは,必須でなければ薬の投薬を避けること.ただしこの時期にも妊娠悪阻や便秘などの主訴は多く,表23, 4)にあるような薬を処方していることは多い. 妊婦に処方を考える際,それが必須の薬であるかどうか考えてみよう.医師側の「念のため」の処方はしないこと.後述のリソースなども踏まえて検討の結果,やはり必須の薬であれば処方する(図1).処方時もできるだけ薬を減らし,同様の薬のなかでは発売時期の古い薬を選ぶなどを心がける.また,妊婦自身と薬を使うこと・使わないことの効果とリスクについて相談することも重要だ.Ⅰ薬の選び方13わからなければ本文を読んでみたほうがいいカモ妊娠20週の妊婦さんが発熱2日目,咳,頭痛で受診した.インフルエンザの流行時期で迅速検査陽性.「処方するべき薬」,「処方をしてもよい薬」はそれぞれどれか?①アセトアミノフェン②デキストロメトルファン③オセルタミビル④ロキソプロフェン気になる答えは論文の最後で!田島明野亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科