くすりのかたち page 4/12
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くすりのかたち
23第2章 基本骨格を読む次にペニシリン系とは異なる薬剤群である,セフェム系抗菌薬のセフジニル(セフゾン)の化学構造式を見てみます.図2-12に示した化学構造式からもわかるように,これらの構造はペニシリン系抗菌薬に比べて少し形が変わっているため,一見,異種の構造に見えるかもしれません.しかし,先ほどと同じように基本骨格に着目すれば,両者は非常に類似した構造であることは一目瞭然です(図2-13).これだけ似ている両者なのですから,アバウトな性質をもつ抗体がセフェム系抗菌薬をペニシリン系抗菌薬と勘違いして異物と認識してしまう,いわゆる交差抗原抗体反応を起こしてしまうのも納得できることと思います.これは,抗体という軍隊にペニシリン系抗菌薬に対する攻撃命令が下っていると考えれば想像が膨らむかもしれません.この命令の標的は非常に簡単な情報(基本骨格部分)図2-9 バカンピシリン(ペングッド)の化学構造SH2N HHNO O CH3N HOOH HCH3CH3CH3O OO図2-10 アモキシシリン(サワシリン)の化学構造HOHH2N H NOOH HSCH3CO2HCH3 NHSNOOONOH図2-11 ペニシリン系抗菌薬の基本骨格SNH2NCO2HNS OOH HOHCH2N HN図2-12 セフジニル(セフゾン)の化学構造SONOOON H図2-13 ペニシリン系抗菌薬,セフェム系抗菌薬に共通の基本骨格図2-8 サワシリンの禁忌,慎重投与事項(サワシリンR 医療用医薬品添付文書より抜粋)【使用上の注意】1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)1セフェム系抗生物質に対し、過敏症の既往歴のある患者2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者3高度の腎障害のある患者( 用法・用量に関連する使用上の注意及び「薬物動態」の項参照)4経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分によるショックの既往歴のある患者2伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。]】【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し、過敏症の既往歴のある患者