くすりのかたち

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くすりのかたち

7基本骨格って何?まずは,化学構造式を“読む”ための基本になる,化学構造式の基本構成について解説していきたいと思います.実は,薬剤の化学構造式は,非常に単純な構成で成り立っています.多くの薬剤の化学構造式は,基本骨格と呼ばれるものと,その基本骨格から伸びる置換基の,たった2つの要素から構成されています.つまり,ある薬剤の化学構造式を見た時に,その構造式中のどの部分が基本骨格で,どの部分が置換基なのかがわかれば,その化学構造式の基本構成をほぼ理解していると考えてよく,これは,けっして難しいことではありません.それでは,実際に化学構造式の基本骨格と置換基について見ていきましょう.初めに基本骨格について説明したいと思います.この基本骨格という言葉は,あまり耳慣れない言葉かもしれません.しかし,この基本骨格を表す言葉を多くの薬剤師は,現場で口にしていることがあります.たとえば,ジヒドロピリジン系(DHP系)やベンゾジアゼピン系(BZ系)といった言葉はどうでしょう? 現場で口にしたことがないにしろ,DHP系ならCa拮抗薬,BZ系ならトランキライザーと,その薬理作用を容易に思い浮かべることができると思います.DHP系やBZ系という言葉は,まさに,DHP骨格,BZ骨格という,その薬剤の基本骨格を表した言葉なのです.ここで,代表的なDHP系の薬剤を図1-4に示しました.図中に示した薬剤同士の構造2 化学構造式を“読む”ための基本前項では薬剤の化学構造式の重要性や利便性,そして化学構造式は覚えるものではなく“読むもの”であることをお伝えしましたが,薬剤の化学構造式に少しは興味をもっていただけましたか? しかしながら,実際に興味をもち,化学構造式を“読んでみよう”と試みた方のなかには,「具体的に何をどうやって読めばいいの?」と思った方もいるのではないでしょうか.あるいは,実際に薬剤同士の化学構造式の比較をしてみたものの,「何と何を比較すればいいの?」と疑問をもたれた方もいるのではないでしょうか.前項では,化学構造式を“読む”方法を簡単にしか説明しませんでしたが,本項では,薬剤の化学構造式の読み方をもう少し詳しく説明していきます.プロローグ