図解 製剤学

図解 製剤学 page 8/10

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概要:
図解 製剤学

62E s s e n t i a l P o i n tA 物質の溶解● 固体の溶解現象は固? 液界面で起こり,界面反応過程と拡散過程から成り立っている.一般に医薬品の溶解は拡散律速であることが多い.● 溶解度に影響する因子として,温度,粒子の大きさ,結晶形,pH,複合体形成,塩類の添加などがあげられる.● 溶解現象が拡散律速であるとして,拡散層内の拡散がFick の法則に従うとすると,固体の溶解速度はNoyes?Whitney の式で示すことができる.● 粒子径の等しい医薬品粉体の溶出にはHixon Crowell の立方根則が成り立つ.B 粉 体● 個々の粒子の幾何学的情報(投影面積,体積など)から求められた粒子の大きさを幾何学径という.● 沈降法は球形粒子が等速沈降するとき,粒子径の2 乗と粒子の沈降速度が比例するというストークスの式に従うとして,粒径分布を測定する方法である.● 粒子径測定法(ふるい分け法,光学顕微鏡法,コールターカウンター法,沈降法)では粒度分布も測定できるが,表面積測定法(比表面積測定法,空気透過法)では粒度分布は測定できない.● 粉体の流動性には,粒子の密度,形状,粒子径,空隙率,粒子間の付着・凝集性など多くの因子が関係しており,評価する方法として,安息角の測定などが行われる.C 分散系● 懸濁剤・乳化剤・エアゾール剤などの分散系製剤は界面をもつ不安定な系であり,界面活性剤や分散剤が製剤の安定性のため,添加剤として使用されている.● 界面活性剤の添加により表面張力が減少するため,薬物粒子の凝集抑制,分散性向上,ぬれの改善などに用いられている.● 乳剤(エマルション)のうち外相(分散媒)が水で内相(分散相)が油のものは,水中油型(o/w 型),油の外相中に水滴が分散しているものは油中水型(w/o 型)と呼ばれる.D レオロジー(変形と流動)● 軟膏剤やクリーム剤などは,固体と液体と気体が不均一に混ざり合い半固形物質と呼ばれる.● 実際の軟膏などの製剤の流動は,せん断応力がせん断速度に比例するというニュートンの法則に従わないことが多く,非ニュートン流動と呼ばれている.E 薬物と製剤材料の安定性● 製剤の安定性については,分解機構は複雑であるが一般に反応速度論からその安定性を予測し,医薬品製剤の保存条件や,有効期間の設定が行われる.● 安定性に影響する要因としては,温度,湿度,光などのさまざまな環境要因がある.● 分解速度が温度の上昇に伴い急激に加速する場合,反応速度定数はアレニウスの式に従う.