ブックタイトル精神科医×薬剤師クロストークから読み解く精神科薬物療法
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精神科医×薬剤師クロストークから読み解く精神科薬物療法
64妄想を持っている患者は,薬や食事に毒が入っていると考えている人もいます.薬に懐疑的でも,診察室では口にしません.過剰に副作用を強調しすぎると,患者さんにとってはとても危険な薬に思ってしまいます. ところで先ほどアドヒアランスという言葉を使っていましたが,コンプライアンスという用語との違いについてどのように使い分けていますか?医療の現場では,薬物療法に対する患者さんの姿勢について,医療者の指示に患者がどの程度従うかという「コンプライアンス」概念のもと患者を評価してきましたが,「アドヒアランス」は,患者が医療者に従う「受動的な治療」ではなく,患者さん自身が自分の治療に積極的に参加するという「能動的な治療」が治療成功の鍵であると考えられようになりました.WHOでは2001年に「コンプライアンスではなくアドヒアランスという考え方を推進する」という方向性を示しています.なるほど,しかしまだまだ患者さんが自らの意思で服用するような状況は多いとは言いづらいですね.診察場面でも幻聴や被害妄想を持っていても「ありません」と答え,いわゆる疾病隠蔽を有する患者さんもいます.それで服薬を遵守させる意味で「コンプライアンス」という言葉を使っている精神科医も多いです.これからはますます患者さんへの適切な心理教育を施し,アドヒアランスを高める努力PhDr 統合失調症患者のコンプライアンスについて,52,433の文献を調査し,統合失調症患者のノンコンプライアンスの要因を研究した結果,統合失調症のノンコンプライアンスは下図に示すような多面的な要因が関与していることが判明した.これらの要因は単一ではなく,相互に影響を与える複合的な要因ため,治療においては患者のノンコンプライアンスを責めるべきではなく,これらの要因は治療の途中で変化し,薬物治療に否定的な患者も心理教育により改善しうることを理解することが臨床上重要である.治療ガイドラインに沿っているか治療への信念医師―患者関係アフターケアの管理情報の提供医師に関連する因子精神症状認知障害年齢併存する精神疾患性別患者に関連する因子社会的サポート経済的サポート治療に向き合う態度疾患の社会的認知治療機関の場所環境に関連する因子副作用投与方法用量パターン治療期間治療の費用多剤併用治療に関連する因子アドヒアランス(コンプライアンス)アドヒアランスに影響する因子(W. Wolfgang Fleischhacker, Maria A. Oehl, and Martina Hummer:Factors InfluencingCompliance in Schizophrenia Patients. Journal of Clin Psychiatry. 64(supple16)10-13, 2003)服薬指導や心理教育が服薬コンプライアンスに影響を与えるエビデンス1