ブックタイトル精神科医×薬剤師クロストークから読み解く精神科薬物療法

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精神科医×薬剤師クロストークから読み解く精神科薬物療法

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精神科医×薬剤師クロストークから読み解く精神科薬物療法

62この患者さんは典型的な統合失調症といえるでしょう〔参照「統合失調症」(p.2)〕.先生,この患者さんの典型的とはどういう根拠からですか?そうですね.いわゆる幻覚妄想状態で発症し,やがて被害的で猜疑的となり家に引きこもるという経過は統合失調症ではよくみられることですね.しかし,なかには幻覚や妄想が初期にはっきりせず診断に苦慮する患者さんもいます.確かに先日入院された患者さんも統合失調症でしたが,この患者さんと違い幻聴や被害妄想はなかったようにも思います.私たちからみると,医師がどういう症状から診断を下しているかを知りたいのです.診断に大事なことは,第一に幻聴や被害妄想などの陽性症状や「誰かにあやつられる」という,させられ体験(作為体験)の存在です.しかし,時には統合失調症であるかどうか診断に苦労する患者も少なからずいます.そういう時には時間をかけて経過の特徴やロールシャハ検査などの心理検査の結果などを通して慎重に判断するようにしていますが,精神科医の間でも診断が分かれることもあります.22歳男性 2人兄弟の長男.元来,内気,素直な性格であった.家族・親族に精神疾患の既往は否定.高校2年終了時までは大過なく生活していた.高校3年の4月頃より,「クラスの担任や同級生が自分の悪い噂を学校に流している」などと言い学校を休むようになった.その後昼夜逆転した生活となり,しばしば意味不明な内容の独り言が聞かれるようになった.このためA精神科病院を受診し,統合失調症と診断され,外来通院するようになった.現病歴1 診断は統合失調症として正しいか? DrPhDrPhDr状況設定他院で入退院を繰り返し,最後に当院に入院に至った患者の治療開始に際して,入院当日精神科医と薬剤師で入院に至るまでの患者の経過を振り返る設定.精神科医はこれまでの病歴をまとめ,薬剤師も入院時のインテイクに同席しこれまでの状況を聴取している.再燃と入退院を繰り返した統合失調症の患者01症例1 総合失調症