ブックタイトル薬物動態のイロハ

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概要

薬物動態のイロハ

薬物間相互作用7薬物間相互作用とはいわゆる薬ののみ合わせのことです.ある薬とある薬を一緒にのむと片方の薬物が代謝酵素やトランスポーターを阻害し,もう一方の薬物の血漿中濃度が高くなり,薬効が強く出たり,副作用が出たりします.逆に,血漿中濃度が低くなり,効果が出なかったりします.薬物間相互作用は,薬の効き方,副作用に大きな影響があり,薬物動態の中でも最も重要な問題の1 つです.相互作用は,薬物だけでなく,牛乳のようにカルシウムの多いものでも起きる場合がありますし,セントジョーンズワート(別名 セイヨウオトギリソウ)というハーブでも起きます.「グレープフルーツジュースと一緒にのんではダメ」というのも有名な話です.薬物動態の吸収,分布,代謝,排泄のすべての過程に薬物間相互作用が起こりえます.新薬が販売されるまでに,ほかの薬との相互作用の試験を行い,安全性を確認します.代謝が阻害されて,血漿中濃度が高くなり過ぎて安全性に問題がある場合は併用禁忌になり,一緒にのまないように制限されます.1 のみ合わせ91