ブックタイトル薬物動態のイロハ

ページ
2/12

このページは 薬物動態のイロハ の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

薬物動態のイロハ

薬物動態の基礎1「薬物動態」という言葉を聞いて皆さんはどう思うでしょうか? これは言葉のとおり「クスリ」の「体の中での動く様」のことです. 図1-1 に一般的なのみ薬の体内動態について示しました.薬は口からのんで胃,小腸を通り,大部分は小腸で吸収され,血液によって運ばれ,肝臓と肺を通って心臓に行き,全身に運ばれます.全身に運ばれた薬物は,肝臓で代謝されたり,腎臓から排泄されたりして体の中からなくなります.この薬物の動きのことを「薬物動態」といいます.薬物動態のそれぞれの過程を,吸収(Absorption),分布(Distribution),代謝(Metabolism),排泄(Excretion)といいます.この英語の頭文字をとって,一般的にADME(アドメ)と呼ばれます.ほかにも「薬物動態」を「Pharmacokinetics(PK)」や「Drug metabolism & Pharmacokinetics(DMPK)」と呼ぶこともあります.薬物の動きを速度論で扱う学問がPharmacokinetics ですので,PK というと,狭義の薬物速度論のことをいっているのか,広義の意味で薬物動態全般をいっているのか,前後関係やその内容から判断しなければならないこともあるため,PK という言葉は使い方に注意が必要です.略1 薬物動態とは1