ブックタイトル日本プライマリ・ケア連合学会 薬剤師研修ハンドブック 基礎編

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日本プライマリ・ケア連合学会 薬剤師研修ハンドブック 基礎編

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日本プライマリ・ケア連合学会 薬剤師研修ハンドブック 基礎編

166③ 自立支援:障害や疾病という消極的な部分に着目するのではなく,残存能力を活用し自立した生活が送れるように支援するなどである1 ~ 3).介護保険のしくみ 介護保険は,市町村を保険者とし,被保険者は40 歳以上の国民である(強制加入).65 歳以上の高齢者を第1 号被保険者,40 ~ 64 歳を第2 号被保険者という.第1 号被保険者はすべての疾患でサービスが利用可能であり,保険料は原則年金から天引きされる.一方,第2 号被保険者は,「特定疾病」(表1)の場合にサービスが利用可能であり,医療保険料に合わせて保険料が徴収される. 財源は,税金と保険料からまかなわれる.原則1 割の自己負担を除き,半分が税金,半分が保険料である.税金は,国が1/2,都道府県と市町村が1/4 ずつを負担する.3 年ごとにサー介護保険の基本的な考え方 高齢化の進行や核家族化による家族介護の限界が指摘されるなか,2000 年4 月に介護保険制度が導入された.この制度のねらいは,老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支えるしくみとすること,社会保険方式により給付と負担の関係を明確にすること,利用者の選択により多様な主体から保健・医療・福祉サービスを総合的に受けられるしくみとすること,介護を医療から切り離し社会的入院解消の条件整備を図ること,などである.基本理念で特に重要な点は,① 自己決定の尊重:行政や介護支援専門員などの専門職は,高齢者本人の決定を情報提供やサービス給付で支援するが,決定権はあくまで本人にある② 生活の継続:住み慣れた地域や住まいで尊厳ある自立した生活を送ることができる在宅ケアにおける介護保険制度表1 特定疾病第2 号被保険者がサービス利用可能な16 疾患1.がん(がん末期)2.関節リウマチ3.筋萎縮性側索硬化症(ALS)4.後縦靱帯骨化症5.骨折を伴う骨粗鬆症6.初老期における認知症7.パーキンソン病関連疾患8.脊髄小脳変性症9.脊柱管狭窄症10.早老症(ウェルナー症候群)11.多系統委縮症12.糖尿病性神経障害・腎症・網膜症13.脳血管疾患14.閉塞性動脈硬化症15.慢性閉塞性肺疾患16.両側の膝関節または股関節に著しい  変形を伴う変形症関節症2