ブックタイトル日本プライマリ・ケア連合学会 薬剤師研修ハンドブック 基礎編

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日本プライマリ・ケア連合学会 薬剤師研修ハンドブック 基礎編

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日本プライマリ・ケア連合学会 薬剤師研修ハンドブック 基礎編

8地条件として開設されてきたことからも,地理的な条件が重要な要素であることがわかる.b 経済的近接性 住民にとって経済的な『かかりやすさ』を,薬剤師の業務から考えると,残薬を減少させること,後発医薬品の使用を推進することがあげられる.個々の患者の負担を抑えるだけでなく,全体の医療費を抑制する効果もある.2012 年度調剤報酬改定で,「薬剤服用歴管理指導料」に残薬確認の要件が加わった(表1). 算定要件に加わったからというだけで,薬剤師が毎回,残薬について気をつけるようになったとは思わないが,残薬の確認の結果,処方医へ確認して,薬剤を調整する経済効果は上がった2).また,残薬が発生した理由から,飲み残しが生じる理由を調査し,よりよい医療を提供するため,用法変更や剤形変更などの処方提案をすることは,薬剤師にとって重要な役割と考える.さらに,後発医薬品の使用促進を進めていかなければいけない立場として,一人ひとりに適正な後発医薬品を選択,提案することも薬剤師の腕の見せ所であり,慢性疾患患者への経済的負担を減らす一助になるので,後発医薬品についての情報収集も重要である.c 時間的近接性 住民が24 時間安心して暮らしていくために,時間的な『かかりやすさ』は,薬剤師が提供しなければいけない業務である.最近は,地域薬剤師会が休日・夜間の当番薬局を決め,開局す 前項で「プライマリ・ケア」については詳しく解説されているので,ここでは,プライマリ・ケアの場で薬剤師に求められる役割について解説する.薬剤師としてのACCCA プライマリ・ケアとは,幅広く国民の健康福祉に関わるあらゆる問題を総合的に解決していこうとする地域での実践活動であり,薬剤師もその活動の一端を担う医療職である.  プライマリ・ケアの要素は,1-1(p.5)にも解説されているが,近接性(Accessibility),包括性(Comprehensiveness),協調性(Coordination),継続性(Continuity),責任性(Accountability)の5つであり,これらをまとめてACCCAという.この要素は薬局や薬剤師にも大切であり,それぞれに薬剤師の役割をあてはめてみたのが図1である.近接性(Accessibility) 『かかりやすさ』を追求した最も重要な特徴の1つで,「地理的」「経済的」「時間的」「精神的」の4つの面があげられる.a 地理的近接性 物理的近接性として,地理的に近く足を運びやすいことは,地域の住民にとって不可欠である『かかりやすさ』の最も大きな要素といえる.薬局が医療機関から一番近いところを最大の立1プライマリ・ケアにおける2 薬剤師の役割