ブックタイトルファーマシューティカルケアのための医療コミュニケーション

概要

ファーマシューティカルケアのための医療コミュニケーション

基礎編Ⅱ．コミュニケーションの基礎48言語コミュニケーション　言語コミュニケーションには，発語による話し言葉，対面での会話などの音声言語と，発語によらない手紙，電子メールなどの文字言語で相手に情報を送る方法がある（表１）．言語とは，音声または文字を用いて思想，感情，意志などの事態を伝達するために用いる記号体系，またそれを用いる行為を意味する．言語表現による誤解　情報を共有する場合は，送り手と受け手の使用する言語の共通の理解のもとに成り1基礎編Ⅱ．コミュニケーションの基礎言語・非言語コミュニケーションK E Y W O R D 言語コミュニケーション，非言語コミュニケーションコミュニケーションの伝達方法　人がお互いの情報を共有する方法は，言葉を伝達手段とする言語コミュニケーション（verbal communication）と，言葉以外の伝達手段による非言語コミュニケーション（non- verbal communication）の２つの手法が用いられる．言語コミュニケーションは会話や文字，印刷物などによる伝達方法で，非言語コミュニケーションは顔の表情や声の大きさ，視線，身振り手振り，ジェスチャーなどによる伝達方法である．7発語によるもの発語によらないもの言語コミュニケーション音声言語・ 話し言葉，対面での会話・電話での会話，会議，報告文字言語・ 記録，メモ書き，手紙，電子メール，図書など非言語コミュニケーション準言語的要素（音声言語と同時に発せられる）・ 声の質：声の高低の幅やリズム・ 音声的描写体：笑う，泣く，咳払い，あくび・ 音声的資格体：音の強さや高さを指す・ 音声的分離体：「えーと」，「あー」等身体言語（ボディランゲージ）・身体特徴：体格，顔貌，髪・ 身体動作：ジェスチャー，姿勢，ポーズ・くせ，表情，アイコンタクト・生理的変化：赤面する，呼吸，脈拍の変化・ 感覚への働きかけ：味わう，においをかぐ接触行動：なでる，触る，抱きしめる空間行動・対人距離・対面間と沈黙人工物：服装，装飾品など表１　言語・非言語コミュニケーションの特徴